ストーリーを考える職業・仕事

私たちは日々、小説やドラマ、映画など、さまざまなものを見たり読んだりしながら、そこで描かれた非日常的な世界観を楽しんでいます。 これらの世界の基となるのが「ストーリー」です。 物語の中で、いつ、どのようなことが起こり、誰がどのように行動して、どのような結末を迎えるのか…。 ストーリーがなければ、もはや、どのような小説も映画も生まれません。 ここでは、そんな重要なストーリーを専門的に考えていく職業について紹介します。

小説家

小説家は、SFやミステリー、恋愛ドラマなどの物語を執筆し、小説の作品として発表する人のことをいいます。

小説には、はじめから本として出版される書き下ろし作品のほか、新聞や雑誌上で掲載される長編の連載小説や短編小説、あるいはショートショートなど、さまざまなものがあります。

また、近年は手軽に読める携帯小説やWeb上で公開される小説も普及しており、小説家が世に作品を届けるチャンスは増えているといえるでしょう。

基本的に編集者とタッグを組んで仕事を進めていきますが、何度もストーリーを練り直し、ひとつの作品を出すまでに何年もかけることも珍しくはありません。

脚本家(シナリオライター)

脚本家は、映画やテレビドラマ、演劇、ゲームなどの脚本(シナリオ)を書く仕事で「シナリオライター」とも呼ばれます。

テレビや映画の制作会社に勤務する人もいますが、大半の人はフリーランスとして働いているという特徴があります。

仕事の流れは、まず作品の監督やプロデューサーなどと打ち合わせながらストーリーを考え、登場人物を設定し、そのうえでセリフや動き、心理描写、情景描写などを脚本に書いていきます。

脚本家の仕事はオリジナル作品を書く場合と、原作を基にして書く場合がありますが、いずれの場合でも文章力や構成力はもちろん、面白いアイデアを生む力や時代のニーズを読む力が欠かせません。

劇作家

劇作家とは、演劇の上演のために書かれる脚本や戯曲(演劇の台本)を作る人のことをいい、「戯曲家」と呼ばれることもあります。

テレビドラマや映画などのシナリオを作る脚本家に比べると、劇作家は自らの個性やスタイルが作品に顕著に表れることが多く、その内容は演出にも関わってくることから劇作家が演出家を兼ねるケースもよく見られます。

演劇の流れや構成について理解していることはもちろん、舞台における役者の動きや感情などまで深く想像を巡らせながら、魅力ある作品を作り上げていく必要があります。

漫画家

漫画家は、主に出版社から依頼を受けて、雑誌や書籍などに掲載される漫画を描く仕事です。

基本的に、ネタを考えてプロット(話の構想)としてまとめるところからスタートし、絵コンテ作り、下書きなどの前工程、さらにベタ塗りやトーン処理などの仕上げ工程まで、ひとつの作品を完成させるまでには多様な工程があります。

売れっ子漫画家になると、アシスタントを雇って分業しながら描くケースもよく見られます。

週刊誌に連載する漫画家のほか、書籍あるいは企業広告を描く漫画家など、さまざまな分野で活躍する人がいます。

いずれの場合も、画力や創造力、物語の構成力などが求められる実力勝負の仕事です。

ゲームシナリオライター

ゲームシナリオライターは、ゲーム作品のストーリーや、登場人物のセリフ等を作成する人のことをいいます。

ゲームはグラフィックデザイナープログラマーをはじめ大勢の人の力をあわせて作られており、ゲームシナリオライターは、主にプランナーが出した企画意図に沿ってシナリオを執筆します。

人々を夢中にさせるストーリーを作る力はもちろんですが、ゲームを進めていくために不可欠となるシステムについても頭に置きながら書く必要があるため、作品全体をよく理解しているディレクターやプランナーが兼任することもあります。

なお、ゲームを作るスタッフの一員として、「ゲームクリエイター」と呼ばれることもあります。

放送作家

放送作家は、テレビやラジオ番組の台本(番組出演者のセリフやナレーション、演出などを書いたもの)を作る仕事です。

台本を書くということは、同時に番組の構成を考えることにもつながるため、「構成作家」と呼ばれることもあります。

プロデューサーやディレクターとともに企画を考え、セリフや場面設定などを台本に細かく書き起こしていきます。

バラエティ、ドキュメンタリー、音楽番組など得意分野を生かして活躍できますが、放送作家の大半はフリーランスとして活動しており、個々の実力がハッキリと出やすい仕事です。

そのため、長く活躍し続けるためには常に腕を磨く努力を惜しまず、世の中に「面白い」と思われるアイデアを出し続けることが必要となります。

スピーチライター

スピーチライターとは、経営者や政治家などが講演・演説を行う際に使う原稿を書く人のことをいいます。

スピーチを行う本人の伝えたいことを汲み取って、プロの視点から、受け手の印象に残る言葉を書きあげていきます。

また、原稿に盛り込むべき情報を収集したり、関係者と話す内容を調整したりすることも、スピーチライターの重要な仕事の一部です。

日本においては、原稿を書くことに加え、声の抑揚の付け方や身振り手振り、表情といったスピーチをする際に重要となるさまざまな面に関する指導やアドバイスを行う「スピーチコンサルタント」という肩書きで仕事をする人が多いようです。

今回、ストーリーを考える職業をザッと挙げただけでも、これだけさまざまなものが存在します。 映画か、それとも書籍かなど、職業によって活躍のジャンルは異なりますが、いずれも想像力を働かせながら「書く」ということは変わりません。 孤独と向き合うことも多いですが、自分が考えたストーリーによって誰かの心を動かすことができたときには、最高の喜びが味わえることでしょう。