プロ野球に関わる職業、仕事

日本プロ野球機構(NPB)に加盟する球団は、全部で12球団です。 それぞれの球団と選手契約を交わす現役選手は約850人、監督・コーチが約200人いますが、プロ野球界では、それ以外にも球団や球場のスタッフ、審判など多くの職業の人たちが働いています。 選手経験があっても、なくても、プロ野球の世界で働くことは可能です。 今回は、プロ野球界の運営に携わり、その人気を支える、さまざまな仕事について紹介します。

プロ野球選手

球団と選手契約を結ぶことでプロ野球選手となることができます。

一番の仕事は、3月末に開幕するレギュラーシーズンでチームの勝利に貢献することです。

1軍の試合に出場するには2軍で実績を残し、首脳陣から認めてもらうことです。そのためには、野球センスの高さに加え、日頃から個人の努力が欠かせません。

活躍すれば年俸1億円以上もらえますが、戦力構想から外れると契約を打ち切られます。

監督

プロ野球の監督は、チームの総責任者という意味合いが強いです。

練習で総指揮をとり、試合ではメンバーを決めて采配を振るいます。

新人選手の獲得やトレードにも関わると同時に、チームの顔としてマスコミに登場する機会も多いです。

監督就任に必要な資格はなく、選手時代の実績や華やかな雰囲気、人望などが重視されます。

過去の指導歴も問われませんが、チームの成績が悪いと辞任は免れません。

コーチ

コーチは、打撃、投手、走塁など専門別に選手を指導するのが仕事です。

野球は投げる、打つ、捕るが基本で、指導は反復練習が中心です。熱心なコーチほど個人練習に付き合うことが多く、労働時間が長くなります。

とくに必要な資格はなく、現役時代にチーム内で人望があって上手にアドバイスもできる選手が、引退後、コーチに抜擢されるのが一般的です。

コーチとして評判が良ければ、長く続けることもできます。

トレーナー

トレーナーは、選手を身体面からサポートするのが仕事です。

シーズンを通して週に5〜6試合をこなすので、強い体を作ると同時に、試合後の身体のケアが欠かせません。

試合前後に行う筋トレのメニューを作ったり、アイシングをしたりします。

また、ヒジや肩、腰に慢性痛を抱えている選手も多く、試合の前後にマッサージをします。

知識が豊富で対応の素早いトレーナーは人気があり、日頃の勉強も欠かせません。

用具スタッフ

選手が試合や練習で使用するユニフォームやスパイク、ボール、バット、グローブなどを管理するのが仕事です。

バットやグローブは個人で管理する選手も少なくないですが、週に1〜2度は遠征先へ搬送します。

選手の大切な道具に傷をつけないように気を配る必要があります。

また、各メーカーから派遣されている担当者と付き合い、選手の要望を伝えたり、バットやスパイクなどの微調整を依頼するのも大切な仕事です。

球団スタッフ

球団スタッフは、チームの運営に携わります。

チームのスケジュールに沿って準備や手配を行うマネジメント部門、チケット販売やイベントの企画・実行、さらには広告を集めたりするプロモーション部門、宣伝やマスコミ対応を行う広報部門に分かれます。

試合中にアナウンスするウグイス嬢も球団スタッフの一人です。

毎年、採用しているわけではありませんが、退職などで空きがでると公募されることがあります。

通訳

外国人選手の通訳がメインの仕事です。

アメリカ出身の選手が多いので英語の通訳が中心ですが、最近は中南米の選手も増え、スペイン語の通訳も活躍しています。

野球に関する知識はもちろん、練習相手を務めることもあり、野球経験者が優遇されます。

選手が日本での生活に慣れるまでは、日常や家族の通訳も頼まれます。

韓国語と台湾語の場合は、在日の韓国、台湾出身者が採用されるケースが多いです。

スカウト

スカウトは、アマチュア選手の中からプロ向きの選手を発掘するのが仕事です。各球団10名前後います。

週末は公式戦や練習試合を見て、平日は各チームを訪ね、注目選手の練習ぶりを見たり、指導者からも話を聞きます。

ドラフト会議に出席し、指名選手と入団交渉します。

入団後、相談に乗ったり、励ましたりするのも大切な仕事です。

スカウトには元選手が多いですが、高校の指導者や教師などから誘われて転身した人もいます。

審判

審判は、野球規則に従って試合をスムーズに進め、終了させるのが仕事です。

プロ野球は球審と3人の塁審で行われ、予備の審判も含めて5人で1カード(2〜3試合)を担当します。

審判になるには「NPBアンパイア・スクール」を受講し、採用されることです。2軍の試合で認められれば、1軍の試合に出場できます。

1軍の担当になれば年収は750万円以上となり、手当などを合わせて年収1000万円を超える人もいます。

プロ野球運営スタッフ

プロ野球のレギュラーシーズンは、セ、パ両リーグの運営部、審判部、記録部によって運営されています。

また、プロ野球全体を統括するのは「日本プロ野球機構(NPB)」で、日本シリーズやオールスター戦などを運営します。

スタッフの主な仕事は営業やマーケッティング、スポンサーとの交渉です。

新規採用の公募はあまり行われませんが、欠員が出ると公募されたり、アルバイトから正式採用されることもあります。

グラウンドキーパー

グラウンドキーパーは、球場の天然芝と黒土の管理を行っています。天気予報とにらめっこしながらグラウンド状態を維持します。

雨の降った後やチームの遠征中に大がかりな作業を行うことが多いです。

球場によっては球団スタッフが担当するところもあれば、球場から委託を受けた業者の社員が担当するところもあります。

毎年のように新入社員を採用する業者でも、必ずしも球場の担当になれるとは限らないようです。

スポーツカメラマン

スポーツカメラマンは、試合や練習でプレー写真を撮影するのが仕事です。

投球は時速140キロ以上、打球はそれ以上のスピードで飛んで行きます。

一瞬のシャッターチェンスを逃がさない集中力が必要です。

重い機材を抱えて移動を繰り返すので体力や日頃のケアも重要です。

新聞社や雑誌社に所属する「社員カメラマン」と「フリーランス」に分かれ、フリーランスは雑誌社や写真エージェントからの依頼で仕事をします。

スポーツライター

スポーツライターは、試合や練習を取材して記事を書くのが仕事です。

新聞社の球団担当記者のようにチームに帯同しながら記事を書く人と、雑誌やインターネットなどの企画に応じて取材し、記事を書く人に分かれます。

プレー経験はなくても構いませんが、技術と戦術、球史に関する最低限の知識は必要です。

また、中学生にも理解しやすい文章力と、他人と親しく接しられるコミュニケーション能力が求められます。

整体師

整体師は、主にマッサージによって肩やヒジ、腰などの慢性痛や疲れをやわらげるのが仕事です。

選手たちは子どもの頃から野球をしており、プロ入り前の段階ですでに肩や肘を酷使している選手がいます。

そのため、日常的に整体院に通ってケアをする選手が少なくありません。

球団によってはかかりつけの整体院もあります。

整体師になるのに国家資格は必要ありませんが、民間の資格を取得するのが一般的です。

理学療法士

プロ野球選手でも、特に投手は肩やヒジを故障することがあります。また、最近は肩やヒジの手術をする人も増えています。

故障や手術をすると、復帰するまで理学療法士の指導でリハビリを行うことが多いです。

故障者は、元通りに投げられるまでのリハビリ期間は理学療法士に頼るしかなく、復帰した時には恩人の一人になります。

理学療法士になるには国家資格が必要で、勤務先は病院やリハビリセンターなどが中心です。

プロ野球のシーズン中は、試合と移動の繰り返しで休日がほとんどない状態です。 毎日、誰かが働いているわけで、選手はもちろん、裏方のスタッフまで、さまざまな職業によって支えられています。 野球が好きで、野球に関わる仕事がしたいなら、きっと自分にピッタリの職業が見つかるはずです。 じっくり探して、なるために必要な資格や資質を調べてみましょう。