陸上自衛隊の訓練

連隊の訓練と中隊の訓練

陸上自衛隊の訓練は、大きく二つに分けることができます。一つは連隊(駐屯地内の同じ職種部隊全て)規模で行われる訓練で、もう一つは自分が所属する中隊(100人程度)の中で行われる訓練です。

中隊内で行われる訓練も、全員が一緒に行うものとそうでないものがあります。

全員で行うものは中隊規模でも結構な人数になりますので、普段は何班かに別れてそれぞれ違った訓練などをします。

たとえば、ある班は射撃の練習をしたり、ある班は救護の練習をしたりといった感じです。

連隊訓練の一例

連隊規模の訓練ですが、これは部隊によって日数や内容がまったく変わってきます。

また規模が大変大きくなるので、回数も年間を通して数回程度です。約1週間程度で終わる訓練もあれば、部隊によっては一ヶ月近くも山にいたりします。

普通科の部隊では、目の前に演習場を持っているので、長くても一週間程度です。

まず初日は30kmから40km程演習場内を歩いて移動します。

そして目的の陣地に到着したら、防御用の陣地構築をして敵からの襲撃に耐えられるようにします。

そこで数日を過ごしてから、最後は攻撃を仕掛けて訓練は終了といった内容です。

訓練も毎日続くわけでもなく、途中で休日のような日もあります。そういった日は駐屯地に戻って浴場に入れたりもします。

また、毎日携行食ばかりというわけではなく、食事も駐屯地から運ばれてきたりもします。

訓練の装備と準備

訓練に持っていく個人の装備ですが、銃や空砲などそれぞれの役割で決められたもの以外は基本的に個人で決めて持っていきます。

替えの服にしても、あまり持っていくとかさばるので、人によっては極力減らしたりします。

たとえば冬の寒さ対策で厚手の装備で行く人もいれば、ポンチョなどで寒さをしのぎ荷物を極力減らす人もいます。

自分で荷物を背負っていかなければいけないので、あまり重くするとたくさんの汗をかき、そのぶん体の熱が奪われてしまうからです。

薄手の装備で、荷物も少しでも軽くしておけば汗もかかず体力も長続きします。

このあたりは個人の体力や経験で各人が決めていきます。

訓練では体力的にも精神的にもきついときがあるので、普段からの体力作りが大切です。

訓練中にへばると周りに迷惑がかかり、仲間からの信頼を失いかねませんので、体力作りを含めた準備は万全にしておく必要があります。

市街地を想定した訓練

最近では、陸上自衛隊でも野外の訓練だけではなく市街地を想定した訓練が行われるようになりました。

しかし、この訓練を行う市街地戦闘の訓練場はそうそうあるものではありません。

訓練場が使えない場合は駐屯地内の隊舎を使って訓練をしたりします。またはグラウンドなどにテープ等で仮想の室内を作って訓練もします。

もし市街地戦闘の訓練場が使える場合はかなり本格的に訓練することができます。

この訓練場内には映画館からマンション、スーパーなど普通の市街地にある建物がそのまま再現されてます。

もちろん建物自体はコンクリートの打ちっぱなしで見た目はどの建物も同じですが、中はそれぞれ違ってます。

また扉も訓練で爆破したりしますので、普段は扉はついていません。

訓練の時だけベニヤ板の様なもので扉を作りセットします。また窓にもガラスはついていません。

戦闘訓練以外にもさまざまな訓練を行う

そしてそれ以外の訓練ですが、これは本当にいろいろあります。

たとえば救護の訓練ですが、仲間が撃たれて動けなくなった場合の搬送方法を練習したりします。

これも慣れると、簡単に人一人とその人の武器を担げるようになります。

他にも絵を描く練習もあります。これは自分が偵察に出たときに周囲の風景を書いて持ち帰れるようにするためです。

この練習では、見晴らしのいい隊舎の屋上から制限時間内でわかりやすく周囲の特徴を捉えた絵を描くことが求められます。