陸上自衛隊の訓練内容は?

陸上自衛隊の訓練はどんなもの?

自衛隊では、日々さまざまな訓練を行って有事に備えたり、心身を鍛えたりしています。

ここでは、陸上自衛隊の訓練内容の一部を紹介します。

訓練のおおまかな種類

陸上自衛隊の訓練は、大きく2つに分けることができます。

ひとつは「連隊(駐屯地内の同じ職種部隊すべて)」規模で行われる訓練で、もうひとつは自分が所属する「中隊(100人程度)」の中で行われる訓練です。

中隊内で行われる訓練も、全員が一緒に行うものと、そうでないものがあります。

全員で行うものは中隊規模でも結構な人数になりますので、普段は何班かに別れてそれぞれ違った訓練などをします。

たとえば、ある班は射撃の練習をしたり、ある班は救護の練習をしたりといった感じです。

連隊訓練の一例

連隊規模の訓練ですが、これは部隊によって日数や内容がまったく変わってきます。

規模が大きくなるので、実施される回数は年間を通して数回程度です。

約1週間程度で終わる訓練もあれば、部隊によっては1ヵ月近くも山にいることもあります。

普通科の部隊では目の前に演習場を持っているので、長くても1週間程度で終わります。

まず初日は30kmから40kmほど演習場内を歩いて移動します。

そして目的の陣地に到着したら、防御用の陣地構築をして敵からの襲撃に耐えられるようにします。

そこで数日を過ごしてから、最後は攻撃を仕掛けて訓練は終了といった内容です。

訓練は毎日続くわけでなく、途中で休日のような日もあり、そういった日は駐屯地に戻って浴場に入れたりもします。

食事は、携行食で済ませる日もあれば、駐屯地から運ばれてくることもあります。

実践形式の訓練は厳しい

想定上の敵部隊がいる設定で訓練が行われるときには、本当に敵と戦っていることを想定した動きをとります。

そういった戦闘状態のシーンは「状況」と呼ばれており、状況が終わる命令が出るまでは、任務遂行のための指示の下にすべての行動をとります。

警戒任務に就いている場合には夜でも寝ることができませんんし、冬場の山の中で長時間身を潜めながら作戦行動をとらなくてはならないこともあります。

このような過酷な訓練は長期間続くものではありませんが、日常生活とはかけ離れた過ごし方に苦痛を感じてしまう若手隊員もいるようです。

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市街地を想定した戦闘訓練も

最近では、陸上自衛隊でも野外の訓練だけではなく、市街地を想定した訓練が行われるようになりました。

しかし、この訓練を行う市街地戦闘の訓練場はそうそうあるものではありません。

訓練場が使えない場合は駐屯地内の隊舎を使ったり、グラウンドなどにテープ等で仮想の室内を作ったりすることもあります。

もし市街地戦闘の訓練場が使える場合は、かなり本格的に訓練することができます。

この訓練場内には映画館からマンション、スーパーなど普通の市街地にある建物がそのまま再現されてます。

もちろん建物自体はコンクリートの打ちっぱなしで、見た目はどの建物も同じですが、中はそれぞれ違ってます。

扉は訓練で爆破することがあるため普段はついておらず、訓練の時だけベニヤ板の様なもので扉を作り、セットします。

戦闘訓練以外の訓練も多数

戦闘以外の訓練内容もいろいろなものがあります。

たとえば救護の訓練では、仲間が撃たれて動けなくなった場合の搬送方法を練習します。

慣れると、簡単に人一人とその人の武器を担げるようになります。

ほかには、絵を描く練習があります。

これは自分が偵察に出たときに周囲の風景を書いて持ち帰れるようにするためです。

この練習では、見晴らしのいい隊舎の屋上から制限時間内でわかりやすく周囲の特徴を捉えた絵を描くことが求められます。

訓練の装備と準備

訓練の際には装備が必要となります。

銃や空砲など、それぞれの役割で決められたもの以外は、基本的に個人で決めたものを持っていきます。

替えの服はあまり持っていくとかさばるので、人によっては極力減らします。

たとえば冬の寒さ対策で厚手の装備で行く人もいれば、ポンチョなどで寒さをしのぎ荷物を極力減らす人もいます。

自分で荷物を背負っていかなければいけないので、あまり重くするとたくさんの汗をかき、そのぶん体の熱が奪われてしまうからです。

薄手の装備で、荷物を少しでも軽くしておけば汗をかきにくく体力も長続きします。

このあたりは個人の体力や経験で各人が決めていきます。

訓練では体力的にも精神的にもきついときがあるので、普段からの体力作りが大切です。

訓練中にへばると周りに迷惑がかかり、仲間からの信頼を失いかねませんので、体力作りを含めた準備は万全にしておく必要があります。