「ITアーキテクト」の仕事とは

ITアーキテクトの仕事内容

システム開発の上流工程を担う

「アーキテクト」とは「建築家」や「設計者」を意味する英語です。

ITアーキテクトはその名の通り、システム開発においてシステムの設計や企画といった上流工程を任されるITのプロフェッショナルです。

設計の際はただ単に決められたものを企画するのではなく、クライアントの要望を詳しくヒアリングし、必要な要件を満たしつつ無駄のないシステムを構築することが求められます。

設計に携わるシステムは社内システムのインフラやネットワーク、アプリ、ソフトウェアなどさまざまです。

また、ITコンサルタントと似ている部分もありますが、クライアントの問題解決に主眼を置いたITコンサルタントに対しITアーキテクトは新しいシステムの設計に主眼を置いています。

ITアーキテクトの就職先・活躍の場

IT系企業やコンサルで活躍

ITアーキテクトというポジションを持つのは大手のIT企業やITコンサルタントファームなどです。

こうした会社でキャリアアップしていき、ITのスペシャリストとしてクライアントとやりとりするITアーキテクトもいます。

フリーもしくは起業し、ITアーキテクトのような仕事をしている人もいますが、その場合もまずはIT系企業でITアーキテクトやITコンサルタントとして実務を通しスキルとコネクションを得ている場合が多いでしょう。

ITアーキテクト1日

クライアントと密にやり取りする

8:45 出社
メールやスケジュールをチェック。

9:00 社内ミーティング
開発中のシステムの進捗や問題点、新規に構築するシステムの計画などを詰めて話します。

10:00 チームミーティング
機能や品質を満たすソフトウェア等を開発するため開発部隊とともに方法を検討します。

12:00 昼休み

13:00 クライアントと打ち合わせ
新規に受注した案件について、開発計画を詳細なものとするためにクライアントへのヒアリングを重ねます。
ITの専門家として必要な機能を提案します。

15:00 社内ミーティング
クライアントからのヒアリング結果を開発計画にフィードバックします。

18:00 報告書作成など
報告書やパワーポイント、資料作成などで長時間費やされることもあります。

ITアーキテクトになるには

IT企業でスキルアップ

ITの専門家であるITアーキテクトは一朝一夕でなれるものではありません。

エンジニアやコンサルタントとして経験を積んだ後、より責任が重い上流工程にキャリアアップしてたどり着くのがITアーキテクトだといえます。

なので、ファーストキャリアでIT企業やITコンサルティングファームに入社しキャリアアップしていくのが最短ルートですが、その際理系の学部出身でなくとも採用されることは少なくありません。

大学では経営やマネジメントを学び、社会人になってからプログラミングを身に着けても遅くはありません。

ITアーキテクトの学校・学費

理系でなくても可

ITアーキテクトになるにはITの知識とスキル、実務経験が必須であることはすでに述べましたが、一方で理系の学部卒を出ている必要はありません。

むしろ、新卒でIT系企業に入社し実務を通してプログラミングなどを学ぶほうが重要ともいえます。

ただ、情報系の学問を修めていることがその後のキャリアを助けてくれることは間違いないでしょう。

その際、国公立大学の理系学部の在学費用は約500万円、私立だと約800万円となっています。

ITアーキテクトの資格・試験の難易度

IT系の資格試験は多種多様

ITのスキルを証明する資格試験は多くの団体が実施しており、実に多種多様です。

ITアーキテクトを名乗るために必須の資格というものはありませんが、スキル証明に役立つ資格はあります。

なかでも経済産業省が認定する情報処理技術者試験の一つである「システムアーキテクト試験」はITアーキテクトとしてのスキル証明につながります。

情報処理技術者試験には、ITストラテジストやプロダクトマネージャーなど専門的なスキルを認定する資格が他にもあります。

またそれらの前段階となる「応用情報技術者試験」は多くのエンジニアが挑戦しています。

ITアーキテクトの給料・年収

高給が期待できる

ITアーキテクトの待遇は年齢やスキル、関わるプロジェクトや勤める企業によって大きく異なってきます。

ただ、開発の上流工程を担う職種なので平均以上の年収が期待できるでしょう。

大手IT企業のモデルケースでは、20代の若手クラスが400~600万円。

中堅に差し掛かってくる20代後半から30代が600~800万円。

これ以降、マネージャーポジションが見えてくると1000万円に達します。

その後、ITコンサルタントやその企業の管理職にシフトしていくとさらに年収アップが期待できます。

ITアーキテクトのやりがい、楽しさ

開発の上流工程を任される

クライアントの要望を踏まえ開発するシステムの設計を一から任されるというのはとてもやりがいがある仕事です。

自らの責任のもと、スキルと知識を総動員してプロジェクトの全体像を描くことができますし、開発を通してクライアントから感謝されるのは仕事のおおきなやりがいとなります。

IT業界で長く働き、スキルを磨き続けてきた技術者にとっては開発の上流工程に携わるのは一つの到達点でもあります。

また、待遇も魅力の一つです。

ITアーキテクトのつらいこと、大変なこと

求められる能力が幅広い

ITアーキテクトには非常に幅広い領域で高い能力が求められます。

システムの設計はもちろんのこと、開発部隊を率いるプロジェクトマネジメントであったり、クライアントの要望を聞き出すコンサルティング的な能力もそうです。

人によって苦手分野はあるものですが、ITアーキテクトとして開発の上流工程に責任を持つからにはそうした業務にも取り組まなくてはいけません。

また、日々のテクノロジーの進歩に追いつくためには常に勉強し続ける必要があります。

ITアーキテクトに向いている人・適性

テクノロジーの理解と対話能力

システム開発を主導するからには幅広いITの分野で高度な知識が必要となります。

具体的にはプログラミングやネットワーク、データベース、セキュリティといった領域が想定されるのですが、これらを理解する素養は求められます。

同時に、開発部隊のマネジメントではリーダーシップが、クライアントとのヒアリングではコミュニケーションやプレゼンの能力が大切です。

さらに、クライアントに必要なシステムを提案するにはクライアントのビジネスを理解できる能力も必要です。

ITアーキテクト志望動機・目指すきっかけ

開発の上流へ

プログラマーやエンジニアとしてIT業界に入り、開発の下流工程を担うエンジニアとしてキャリアを始めた人にとっては、開発全体に関わるITアーキテクトは一つの到達点ともいえます。

エンジニアとして順調なキャリアアップを図るならITアーキテクトは有力な選択肢の一つです。

スキルを伸ばし実績を積めばさらに大きな案件にも関わることができるようになるので、より大きくやりがいのあるプロジェクトに携わりたいという人にも向いています。

ITアーキテクトの雇用形態・働き方

正社員が多い

開発の下流工程に携わるエンジニアは派遣社員も少なくないですが、ITアーキテクトとなるとIT系の企業やコンサルティングファームで正社員として働いている場合が多いです。

その場合、IT業界は人手不足が続いているので、転職でキャリアアップする人も珍しくありません。

もちろん一つの会社に勤め続けキャリアアップし、生え抜きのITアーキテクトとして活躍する人もいます。

独立したりフリーのコンサルタントのようにして働いている場合はこの限りではありません。

ITアーキテクトの勤務時間・休日・生活

労働時間は長くなりがち

ITアーキテクトの業務範囲は実に広く、さまざまなタスクがあるため、労働時間は長くなりがちです。

特に開発の納期が終盤に差し掛かってきているとその傾向は強まります。

ただ、大手企業ほど働き方改革を進めているので、長時間労働を是正する動きには期待できます。

休日は開発計画に大きなトラブルなどがなければ通常通りありますが、資格獲得や転職でのキャリアアップを狙うならそうしたことの準備に時間を充てるのもいいでしょう。

ITアーキテクトの求人・就職状況・需要

需要は高い

人手不足が続いているIT業界において、開発の上流工程を任せることができるITアーキテクトの需要は高いです。

新卒でいきなりITアーキテクトとして採用されることはなくとも、大手SIerなどでプログラミングなどを学び、開発に携わることでITアーキテクトにキャリアアップすることもできます。

その場合は理系の学部を出ていることは必ずしも求められないので、門戸は広いといえます。

ただしその場合入社してからかなりの努力が求められます。

ITアーキテクトの転職状況・未経験採用

未経験採用はほぼない

専門的なITスキルと知識、マネジメント能力などが求められるのがITアーキテクトです。

未経験から転職しITアーキテクトとして採用されることはほぼないでしょう。

ただ、プログラマーとして開発に携わった経験などがあれば、ITアーキテクトとして転職するというキャリアパスを描くことも不可能ではありません。

その場合、開発チームを率いて計画の進捗を管理するプロジェクトマネージャーとしての経験があれば採用の可能性はさらに高まるでしょう。

ITアーキテクトの現状と将来性・今後の見通し

今後も需要は続く

IT人材の需要は今後も高く推移すると思われますが、その中で幅広いITの知識とスキル、マネジメント能力を備えたITアーキテクトは引く手あまたの人材となるでしょう。

実績を積むこととスキルアップのための努力を続ければ、さまざまな企業で活躍することができます。

ただし、ITの世界はテクノロジーの進歩によって求められる能力が急速に変化することもありますので、新しいテクノロジーにキャッチアップする努力を常に続けることが大切です。