医学部の実習

代表的な「解剖実習」

医学生の実習は、低学年のときに大学で行う実習と、高学年のときに病院で行う実習に分かれています。

まず、低学年のときに大学で行うなかでも代表的な実習が「解剖実習」です。「解剖実習」はその名のとおり人間の体を解剖する実習のことで、各臓器や器官について実際に触れながら学ぶことを目的としているものです。

亡くなった方の遺体を献体として提供していただき、学生たちがグループに分かれて献体を丁寧に解剖していきます。

この実習は精神的にも肉体的にも負担が大きく、医師をめざす学生がまず突破しなければならない最初のハードルとして知られています。人間の体を解剖するのですから、初めて行う人間にとっては少なからずショックがあります。

一方で、「医学の発展のために」との願いから遺体を提供してくださったご遺族の気持ちを考えると、献体と真摯に向き合い、積極的に学ぶ姿勢を欠かすことはできません。

解剖実習を乗り越えることで、人体の仕組みはもちろんのこと、医学という仕事の尊さがよく理解できるようになるとも言われています。

この解剖実習の他にも、生化学や生理学、薬理学などのさまざまな実習が行われています。

進路を決める「病院実習」

高学年になると、実際に病院に行って医師の仕事を間近で見たり患者さんと接したりする「病院実習」が行われます。

3〜6人の小さなグループに分かれて、1年間かけて各診療科を数週間ずつ回りながら、仕事を覚えていきます。診察、検査、手術などさまざまな現場に立ち会います。

この病院実習の大きな目的は、実際の臨床現場に立ち会うことで、教科書でしか知らなかった知識をより実践的な知識へと進化させることです。

また、もうひとつの目的として、各科を回るなかで自分の興味や適性と向き合い、将来的な進路を考えるきっかけを作るということもあります。