回答者:ジンさん(男性/43歳)

職業名:法務 / 現在の状態:経験者 / 経験年数:3年

仕事内容
正社員数が300名規模の株式上場企業の法務部に配属されていました。 勤務地は、本社のある東京都でした。 仕事内容は、取引先との契約書作成や契約書の内容について、自分の会社に不利な内容となっていないかをチェックすることがメインとなっていました。 他に商標登録や特許出願、債権回収も行いました。 法務部でのポジションは、マネージャー職で、法務系の業務の実務はマネージャーの私が取り仕切っており、顧問弁護士とのやりとりや、営業部門とのやりとりを一手に引き受けていました。 私が法務職を希望した理由は、管理部門のなかで法務や経理など主要業務を次々と経験し、将来は管理本部長といった枢要のポジションにつきたいと考えたからでした。
仕事のやりがい
法務部での仕事のやりがいは、会社のリスクを軽減することに成功したときです。 具体的には、同業他社と事業提携契約を締結し、新たなソフトウェア開発を行い、積極的な販売促進活動を行う話が持ち上がりました。 しかし、提携相手が作成してきた事業提携契約書の内容を読むと、新たに開発するソフトウェアの主要部分の著作権を、提携相手が100%の持ち分で所有すると明記されていました。 そこで、私がこの100%持ち分という部分を、せめて50%ずつ著作権を共同所有する形にしないと将来的にソフトウェアのライセンス収入の金額が大きく異なってしまうと主張しました。 私の主張は双方の経営陣に取り入れてもらうことができ、この事業提携案件で、私は自分の会社の社長から大いに評価していただいたきました。
覚悟しておいた方がいいこと
法務部の仕事は、法律を知っていれば万事仕事がうまくいくわけではありません。 ときには取引先との交渉の場に出ることもあります。また、製品を販売した相手方がお金をいつまでたっても入金してくれないときは、債権回収業務に乗り出さなくてはなりません。 もっとも覚悟をする必要があるケースは、債権回収業務のとき、相手が開き直ってお金を支払おうとしないケースです。 最悪の場合は、相手方が失踪してしまい連絡が取れなくなってしまいます。 このため、回収不能となった債権については、特別損失として計上することになります。 この場合は、与信管理の担当もしている法務部も連帯責任を背負いますので、経営陣から非難を浴びることになります。 この点が辛いです。 製品を販売する前に、お客様について与信調査をしても、財務情報をいっさい入手できないケースも多々あります。 そのときは法務部としては「販売を推奨できない」という意見をつけて営業部に調査結果を提出します。 その結果、債権を回収できなかった場合には、法務部も非難されるのですから辛いものがあります。
給料・待遇
社員数が300名規模の上場企業の35歳の法務部マネージャーで、年収が700万円でした。 勤続年数は5年で、法務部マネージャーとしては3年経験していました。 月収は、約40万円で手取り収入は約33万円となっていました。 マネージャーですから、交際費や会議費などの権限は与えられていませんでした。
この職業の恋愛・結婚事情
法務部には女性の一般社員が1名いました。 法務部の社員ですので、几帳面で法律的な思考をする女性でした。 私より年下で、付き合っている男性がいるようでしたが、真面目な真剣交際をしているようで、結婚を考えているとのことでした。 私が別の部署に異動してから、実際にその交際相手と結婚しましたし、結婚してからも法務部の正社員として働き続けていました。 ちなみにお相手の男性は、学生時代から付き合っていて、現在は他社の法務部で社内弁護士をしている男性とのことでした。 法律上も、会社の規則上も、結婚したからといって退職する必然性はまったくありませんので、自分が定年退職するまで働き続けることは当然の権利と考えているようでした。
この職業を目指す人へのメッセージ
法務部は、会社のリスクをできるだけ軽減するために存在しています。 このため法務部の社員は、日ごろから民法や民事訴訟法、会社法といった基本的な法律の知識を身につけておくことは当然です。 そして、国会では新たな法律の制定や改正が常に審議され、裁判所では新たな判例が出されます。 このため、法律関係の月刊誌を購読して、法令の制定動向や、裁判所の最新判例の動向を常に把握しておくことは、必ずやっておかなければなりません。 そのうえで、常に先手を打って会社の規則の改正作業を主導したり、契約書の条文チェックを綿密に行うことによって、会社のリスクを軽減することに貢献できるのです。

仕事体験談