保健師のやりがい (体験談)

保健師の仕事のやりがいは、一言でいえば、人々が健康な日常生活を送れるようなサポートができることです。

保健所で働く保健師なら住民、企業で働く保健師なら社員がその対象となります。

病気の人のお世話や治療の補助をする看護師は、患者さんが健康になるために携わったという「実感」がありますが、保健師の場合は、「予防の成果」がハッキリと目に見えず、住民や社員が健康でいるために、果たして自分が関わっているのか?という疑問がわくこともあります。

では、具体的な保健師のやりがいの例をいくつか挙げてみましょう。

人々の健康に対する意識が高まったと感じるとき

いくら予防しても病気になってしまうことはあるので、人々が病気になった=保健師として力不足だった ということではありません。

それよりも、病気に対する知識が行き届いていなかったり、予防しようという意識が低いことに保健師としての役割を感じます。

ですから、健康相談や指導を通じて、人々の健康に対する意識が高まったと感じる時には、保健師としてのやりがいや充実感を感じます。

例えばそれは、インフルエンザにかかった人が少なかった、健康診断を通じて病院で治療を開始した人が増えたなど、数字に表れるものもあります。

しかしそれ以外に、「うがい」や「手洗い」のような小さなことでも、病気の感染予防の心がけが、人々の間に浸透している様子を見ることも、保健師の地道な活動の成果だと感じます。

人々の生活や育児、健康に関する不安を軽減することができたと感じるとき

保健師の仕事で大切なことのひとつは「話を聞く」ということです。

たとえば、自宅で高齢者の介護をしている家族から相談を受けるとき、専門的な立場から適切なアドバイスをすることも必要ですが、「不安」や「苦悩」を聞いてもらいたいと思っている家族も多くいます。

これは、子どもを生んだばかりのお母さんも同じです。育児相談では、子育てに関する助言を行うと同時に、育児の大変さを理解してくれる人として保健師は期待されています。

とくに、核家族化が進む現代では「話をする相手」が求められ、保健師は単に話を聞くのではなく、介護や育児に対する知識と幅広い認識、そして地域や医療への窓口にもなる頼れる存在といえるでしょう。

人々の訴えに耳を傾け、話をした後で、相談者の負担や不安を軽減できたと感じるときや、しばらくして以前よりも生き生きと生活している様子を見ると、少しは力になれたと嬉しく感じるものです。

人の一生に関われること。

看護師の仕事は、人の一生のある時間に深く関わり、健康状態をよい方向に導きます。

一方で保健師の仕事は、乳幼児健診、予防接種、母子指導、健康診断、健康指導を通じ、人の一生における「健康」に関わる仕事です。

赤ちゃんの時に、母子健康相談で見た子どもが元気に小学校に通っている姿、成人検診でお世話した人が快適な老後を送っている様子など、人々の日々の営みの中に、保健師は微力ながら関わっているという「自負」があります。

看護師が病気の後の笑顔を作る仕事だとしたら、保健師は病気の前の笑顔の時間を長くする仕事だと思います。

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