保健師になるために学校で勉強すること

保健師の国家試験を受けるためには、まず保健師養成課程のある所定の学校で学ぶ必要があります。

保健師を目指す学生が学校で勉強する目的は、幅広い年齢層の人々の健康の増進と、病気の予防を図るための正しい知識を得ることです。

学ぶ内容は「保健福祉行政論」「保険統計学」「疫学」「公衆衛生看護学」などがあり、保健福祉行政論と公衆看護学に関しては「実習」も行われます。

保健福祉行政論

保健福祉行政論は、人々の健康を維持増進するための活動を、行政の立場から計画、実施するための機能や仕組み、保健師としての地域づくりの取り組み方を学ぶ科目です。

保健師は医療従事者であるとともに、地方自治体の一員として地域づくりに携わる仕事をすることが多いため、行政の仕組みを理解することはとても重要です。

このなかでは、母子、青少年、成人、高齢者、障害者のほか、感染や難病に対する保健師としての活動についても、多くの事例を基に学びます。

保健統計学

保健統計学は、医療、疾病、保健に関する様々なデータから考えられる問題点、推移、予想される出来事、対処すべきことなどを読み取っていく科目です。

「データを読む力」を備えることは、保健師にとってとても大切です。

統計は多岐に渡り、たとえば年齢別や地域別に見た患者数や、がん検診受診率、国民医療費の推移などがあります。

このような保健に関する統計は、地域や国の健康に関するあらゆることが「数字」として表れることで、保健師の仕事の指針となります。

疫学

疫学は、集団における病気や怪我の発生率や原因、現象を探る科目です。

疫学を学ぶ目的は、その原因や頻度を知ることで、病気に対する管理の必要性や優先度を決めることができます。

公衆衛生看護学

公衆衛生は、世界保健機関によると「組織された地域社会の努力を通じて、疾病を予防し、生命を延長し、身体的、精神的機能の増進をはかる科学であり技術である」と定義されています。

つまり、地域全体で行う「健康」への取り組みのことをいい、保健衛生看護学では、そのために看護師や保健師が何を行うべきかを学びます。

公衆衛生看護学は「地域看護学」とも言われ、地域における看護のあり方についてがテーマになります。ひとことで「地域看護」といっても、母子、学校、高齢者、心身障害者など対象とする人は幅広く、さまざまな保健活動について考えます。

また、行政保健師だけでなく、産業保健師の保健活動や災害時の保健活動についても公衆衛生看護学として学習します。

実習について

保健師養成課程における実習では、実際に保健所や保健センターなどの施設で、住民と接する機会が設けられます。

すでに保健師として活躍中の先輩保健師の下で業務を経験しながら、保健師の仕事について学びます。住民の家庭訪問などを経験するうちに、座学では何となくしかわかっていなかったことも、より深く理解できるようになるでしょう。

実習は、保健師になるモチベーションを高めるきっかけにもなります。

このように、保健師の学校では専門的な科目をたくさん勉強します。「難しそう」と感じるかもしれませんが、「地域」という広い範囲の人々の健康をつかさどるために、学校で身につける幅広い見識が資格を取った後に生かされます。

仕事体験談