保育士になりたかったわけじゃない(体験談)

私が保育士になった理由は、小さいころから憧れてとか、子どもが好きだから、とか、保育士になっている人が言う理由とはちょっと違います。

親が厳しく、姉も保育士になっていたため、同じように資格を持てという考えから保育科のある学校への進学を余儀なくされ、違う選択は許されませんでした。

ずっと保育士に憧れて保育士になる方には申し訳ないようなエピソードです。

ピアノは小さいころから習っていましたし、保育士養成校での学友にも恵まれました。

実習は少し大変でしたが、それでも楽しく、授業も楽しかったです。初めは親に対しての不満もありましたが、保育士として就職し、やめることなく10年以上が経過しています。

今思うことは、保育士という仕事を続けて来て良かったということです。

子どもと関わり、保護者と話し、職場の先輩や後輩と話したり関わったりする中で、自分が考えることや許容範囲が広くなったと思います。我慢する力も前よりつきました。

子どもたちと接するときに、ゆとりを持って接するように心がけているせいか、普段でもゆとりを持って生活できるようになりました。

泣いたことも、つらいことも、やめたくなることもありましたが、それでもやめずにがんばってきた自分を強くも感じられるようになりました。

やめなかったのは、子どもたちが待っていてくれるからです。信頼してくれているからです。「大好き」と、抱きついてくれるからです。

子どもたちとの信頼関係は絶対です。子どもたちの存在が自分を保育士として育ててくれ、今の自分を作ってくれました。

親に敷かれたレールにただ乗って保育士になった私ですが、保育士という仕事に巡りあえて良かったと、今は心から思っています。