プロゴルファーのつらいこと・大変なこと・苦労

プロゴルファーのつらいこと・大変なこと

新人プロは毎年増えるのに、引退するプロは少ない

毎年、男子は約50人、女子は約20人がプロテストに合格します。

これは、プロゴルファーが、毎年、男子は50人、女子は20人ずつ増えているということです。

その一方で、40歳をすぎても、多くの選手が現役でプレーを続けています。

新人プロは増えるのに、引退する選手が少ないということは、年々、競争が激しくなるということです。

現実に、ツアートーナメントに出場できるプロは、現在、男子が2000人以上、女子が600人以上いるといわれています。

賞金だけで生活できるプロはごくひと握り

プロのツアートーナメントは、年間、男子で25試合、女子で37試合あります。

しかし、男子の場合、ツアートーナメントに参加するプロは、大会ごとに100〜150名に限られます。

そのうち、予選を通過して賞金を手にできるのは60人ほどです。

しかも、その60人の大半は、どの大会もほとんど顔ぶれが決まっています。

2019年の国内賞金ランキングをみると、男子で賞金1000万円以上は75人、女子は85人です。

しかし、この賞金が、すべて選手の収入になるわけではありません。

ツアートーナメントに出場すると、会場までの交通費や宿泊費などの経費がかかります。

この経費が、年間で500万円〜600万円といわれます。

1年間の賞金総額が1000万円の選手で、約半分が経費となります。

さらに、税金などを引けば、生活費はもっと低くなります。

プロゴルファーになっても、賞金だけで、生活できるだけの収入を得られる人はごく一握りです。

プロの多くは、ゴルフ場と社員契約をして働いている

予選落ちすると、収入がゼロばかりか、会場までの交通費や宿泊費分が赤字になります。

さらに、キャディーを雇っていれば、その費用も赤字になります。

大会に参戦しても、予選を通過できなければ、赤字ばかりがふくらんでいきます。

プロといっても、現実には、ゴルフ場や練習場の社員になったり、ティーチングプロとして稼いでいる人が多いです。

ゴルフ場の社員になると、給料をもらう代わりに、イベントに参加したり、お客さんに教えたりします。

また、試合会場までの交通費や宿泊費も出してもらえますが、ゴルフの成績が悪いと、会社から厳しく接せられたり、社員契約を打ち切られたりするようです。

プロゴルフ界というのは、安定した実力が華やかですが、全体的には相当厳しい世界です。

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プロゴルファーの悩み・よくある怪我

結果が出ないときの悩みは深い

プロゴルファーとして結果が出ないときほど苦しいものはありません。

有名な選手ほど大会ごとに注目され、強いプレッシャーの中でのプレーを強いられます。

結果のいかんにかかわらず、常に賞賛と批判の対象となります。

こうした中で、これまで築き上げてきた自分のプレーが崩れたり、プライベートも含め、これまで通りとはいかない状況が生まれます。

たとえば、若いころから注目を浴び続けてきた石川遼選手は、2019年に優勝するまで3年間優勝できず苦しい日々を過ごしました。

結果が出ない時期にスイングに悩みを抱えはじめ、その克服に5年もの歳月がかかりました。

2019年に全英女子オープンを制し一気に注目を浴びた、渋野日向子選手は優勝して以降の大会では、これまで以上のギャラリーと報道陣の中でプレーをすることになりました。

ファンサービスとしてハイタッチをしていた渋野選手に、ファンが殺到するようになり、子供に限定する「規制」を敷かざるを得ない状況までフィーバーが過熱しました。

肩、膝、首などの故障が多い

プロゴルファーはプロになるまでも、なって以降も、想像を絶する数をスイングします。

練習日に1000スイングを超える練習をすることもあり、現役時代は試合と練習の繰り返しでゴルフ漬けの毎日を送っています。

スイングする動作でひねったり、回したり、動きを制御したりすると負荷がかかるため肩、膝、首などの関節部分に故障を抱える選手は多くいます。

世界的名選手であるタイガー・ウッズも腰痛に苦しんで思うような結果が残せないシーズンが続き、復活までにかなりの時間を要しました。

プロゴルファーを辞める理由で多いものは

怪我以上に怖い、モチベーションの低下

怪我によってそれ以上ゴルフを続けられなくなる選手もいますが、それ以上にプロゴルファーを苦しめ、辞める決断をする理由は、精神的な部分が大きいです。

プロテストに合格し、華々しいキャリアのスタートを切る選手は多くいますが、その成績を維持することは、ライバルの多いプロゴルファーの世界では非常に難しいことです。

思うような結果が残せなくなり、理想とのギャップに悩み20代・30代で引退を決断する選手も多くいます。

イップスに悩まされ、決断をする選手も

強いプレッシャーのなかで自分の体を上手く動かせなくなるイップスに悩まされることもあります。

ショットやアプローチなど、特定のショットに強い苦手意識を抱いてイップスを発症してしまうケースがあります。

とくに深刻なのが、パットです。

平成の女子ゴルフを代表する選手の一人だった宮里藍選手は、パットのイップスが引退の理由とされています。

宮里藍選手はパットの名手と称されるほど、グリーン上で勝負強さを発揮してきた選手ですが、現役中はパットのイップスに悩まされ、克服してはまたイップスになるという苦しい日々と戦っていました。

メンタルトレーニングなどでうまくイップスと付き合っていくことで現役を続けることも可能ですが、そんな状況に苦しみ、引退を決断する選手もいます。