失語症の方へのリハビリ

失語症のリハビリテーションとは

けして簡単なことではありませんが、言語聴覚士は、失語症の方の回復を手助けすることができます。

よく誤解されますが、「外国語を勉強するように、再び言葉を覚えていく」ことが失語症のリハビリではありません。

失語症は、脳卒中などで脳の言語中枢が損なわれることによって、言葉を作り出すことや言葉を理解する能力が低下する病気です。

脳の神経細胞は再生しません。

しかし、別の場所の神経細胞のネットワークが、代わりをつとめるようになることもわかってきています。

失語症のリハビリテーションは、訓練によって刺激を与え、言語機能のネットワークが再形成するのを助けることだと考えられています。

長い期間の積極的な訓練によって、失語症により失った言語の機能を大幅に回復させる可能性があるとわかってきました。

失語症の検査

言語訓練によって脳に適切な刺激を与えるために、患者さんが持っている・失っている能力が何かを知らなくてはなりません。

脳神経外科などで失語症と診断された後に、「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」という観点から26項目にわたって残っている機能をはかる検査をします。

「聴く」検査では、たとえば、「リンゴ」という単語を聞いてリンゴの絵を指させるか、「ハサミを灰皿の上に置いてください」という文を聞いてその動作が理解できるかどうか、などをテストします。

リハビリの段階

リハビリテーションは発症してからできるだけ早く開始することが望ましいとされ、救急病院などに言語療法士が配置されることが増えてきました。

全身状態が落ち着いてから、検査などをはじめます。

発症してすぐは大変症状が重いことが多いですが、自然な経過である程度の回復がみられます。

その後、リハビリ体制がある病院に転院し、改めて検査をしてからカリキュラムを組み、本格的なリハビリを開始します。

その際、できることから訓練を始める方が良いとされています。

たとえば、ひらがな・カタカナより漢字の方が読みやすい場合は、漢字を介してコミュニケーションをとります。

発症してから数ヶ月はリハビリによる回復がみられます。

その後、回復の傾向は緩やかになるため、言語だけでなく生活に適応する訓練などを行い、総合的なコミュニケーション能力の向上・維持を目指します。

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