【2023年版】言語聴覚士国家試験の難易度・合格率

言語聴覚士と名乗って仕事をするためには、国家試験に合格する必要があります。

しかし、業務独占でないため、業務を行うだけなら資格は必要でありません。

ただし、採用試験では国家資格の有資格者を前提に募集していることは頭に入れておくべきでしょう。

言語聴覚士の合格率は、平均して65~75%前後を推移しており、同じリハビリテーションの資格と比較すると、やや低い合格率です。

この記事では、言語聴覚士国家試験の難易度・合格率について解説します。

言語聴覚士資格とは

言語聴覚士は国家資格です。

言語聴覚士と名乗って仕事をするためには、国家試験に合格して資格を取得する必要があります

近年では言語聴覚士という職業の認知度が上がってきており、資格の名称からどのような仕事をしているのかイメージしてもらえることが多いでしょう。

言語聴覚士の資格は業務独占でないため、決して資格がなければ言語聴覚士の業務ができないというわけではありません。

しかし、実際の医療機関や福祉施設などでは言語聴覚士としての採用を行う場合には、国家資格の有資格者を前提に募集しているケースがほとんどです。

言語聴覚士になるには・資格は必要?

言語聴覚士の受験資格

言語聴覚士の国家試験を受けるためには、指定された

  • 大学
  • 短大
  • 専門学校

に通い、勉強をする必要があります。

3年間あるいは4年間かけて学校で学び、単位を修めることで国家試験の受験資格が得られます

言語聴覚士の国家試験は、毎年卒業する年の2月下旬頃に実施されるため、在学中に国家試験を受験することになります。

言語聴覚士の難易度・勉強時間

専門性が高く難しい

言語聴覚士の国家試験は決して簡単なものでありません

学校によっては国家試験対策に力を入れていることもありますが、学校にすべて任せるのではなく、自分自身でも勉強をする姿勢がないと合格は難しいでしょう。

過去問題を解いたり模試を受けたりして、自分の実力を確かめながら計画的に勉強を進めていくことが必要です。

とくに言語に関する分野は専門性が高く、直感的に理解しにくい領域であるため、かなりの勉強が必要です。

試験独特の雰囲気に慣れておく

国家試験では、学校とは雰囲気の違う場所で試験に臨むことになり、そのような環境における緊張感が、思わぬ敵になることもあります。

どんな状況でもしっかりと集中をして、平常心で試験に臨めるかどうかがポイントになります。

また1つの試験が終わった後は、しっかりと次の試験のために頭を切り替えることが必要です。

もし途中で少しミスをしたことに気付いた場合、それを引きずってしまうと、いつもなら解ける問題が解けなくなるのは致命傷になる可能性が高いため、冷静に対応することが大切です。

国家試験の時間は長く問題数も比較的多いため、ミスを補っていくことは可能です。

試験独特の雰囲気に慣れ、心を落ち着けることも、国家試験では必要になってくるでしょう。

言語聴覚士の受験者数・合格率

言語聴覚士の合格率は、平均して65~75%前後を推移しています。

同じリハビリテーションの資格である理学療法士作業療法士と比較すると、やや低い合格率となっています。

また、年度によって難易度が大きく変わってくることもあります。

たとえば、一番難しいといわれる年度では、合格率が50パーセントを切ったケースもあるため、合格率だけを見るのではなくしっかりと対策をすることが必要です。

言語聴覚士国家試験受験者数の推移

言語聴覚士国家試験の受験者数は、2,200人から2,500人前後の間を推移しています。令和4年度の受験者数は、前年よりも若干減少し2,515人となりました。

言語聴覚士国家試験受験者数_令4

言語聴覚士国家試験合格率の推移

言語聴覚士国家試験の合格率は、年度によってややばらつきがあります。令和4年度の合格率は67.4%となりました。

言語聴覚士国家試験合格率_令4

令和4年度 言語聴覚士国家試験の概要

試験日 令和5年2月18日(土曜日)
申込書受付 令和4年11月21日(月曜日)から同年12月9日(金曜日)までに公益財団法人医療研修推進財団に提出すること。
試験地 北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県及び福岡県
受験資格 文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した言語聴覚士養成所において、1年以上言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得したもの(令和5年3月15日(水曜日)までに修業し、又は卒業する見込みの者を含む。)など
試験科目 基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥(えん)下障害学及び聴覚障害学
合格率 67.4%(令和4年度)
合格発表 令和5年3月24日(金曜日)午後2時に、厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページ及び公益財団法人医療研修推進財団ホームページに、その受験地及び受験番号を掲載して発表
受験料 34,000円
詳細情報 厚生労働省 言語聴覚士国家試験

「言語聴覚士国家試験の難易度・合格率」のまとめ

言語聴覚士と名乗って仕事をするためには、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。

言語聴覚士の国家試験は決して簡単でなく、とくに言語に関する分野は専門性が高く、直感的に理解しにくい領域であるため、かなりの勉強が必要です。

言語聴覚士の合格率は平均して65~75%前後であり、同じリハビリテーションの資格である理学療法士や作業療法士と比較すると、やや低い合格率となっています。