お笑い芸人になるには

お笑い芸人になるには

お笑い芸人の武器は、人を笑わせることができるスキルです。

漫才でもコントでも歌でもダンスでも手品でも何でもよいので、他の人には真似できないような独自のスキルを身につけなければいけません。

トーク力を磨いたり営業能力を磨いたりすることも大切ですし、パフォーマーとしてのプロ意識が求められます。

それ以外にも、業界関係者や仕事の現場における礼儀作法や身だしなみ、服装などもおろそかにできません。

また、お笑いについての知識も勉強する必要があります。

コメディの歴史やお笑い用語、台本の読み方、さまざまなお笑い論などが考えられるでしょう。

このようなスキルを身につけた人が芸能事務所やプロダクションに所属したり、オーディションに合格したりすることで、お笑い芸人としての仕事の幅を広げていくことができるのです。

それでは、どうすればこのような基本的なスキルを身につけることができるのか。

ここでは具体的な方法をご紹介します。

養成所に入る

まず、代表的な選択肢は、お笑い芸人の養成所に入ることです。

テレビなどで活躍している若手から中堅芸人のほとんどが養成所出身です。

養成所には、芸人を目指す者が集まっています。

学校や私生活で「自分の笑いのセンスには自信がある」と一度は思った人たちばかりです。

同じ志を持ったライバルのなかで、ネタ見せやオーディションをすることで、自分の芸を磨いていくことができます。

また、養成所では相方を見つけることも可能です。

漠然と「お笑いがやりたい」と思っているけれど相方がいない人でも、この養成所に入れば、自分と同じセンスの持ち主や、自分の笑いを作り上げるための相方を見つけることもできるでしょう。

弟子入りする

笑いの世界へ入るために、弟子入りするという方法もあります。

劇場やテレビで活躍している芸人を師匠とし、そこに弟子入りするのです。

落語家や噺家など、弟子入りの仕方は、各師匠によってさまざまな方法がありますが、基本的には直談判です。

出待ちや入り待ち、あるいは、落語家の場合は自宅に訪問し、「弟子にして下さい」と文字通り弟子入り志願するのです。

弟子入り後は、師匠に張り付いた生活が続きます。

鞄持ちから車の運転、衣装の片付けまで、師匠の身の回りの世話をしながら、ネタ・生き様までをも勉強していくのです。

私生活はほぼなくなると考えたほうがよいでしょう。

ですので、弟子入りをする場合は、「誰に弟子入りするか?」をよく考えなければなりません。

むしろ、「この師匠じゃなきゃ弟子入りしたくない!」ぐらいの師匠への強い思いがないとダメでしょう。

独学

お笑い芸人で生計を立てている人は、24時間ずっと面白いことを考えている、といっても過言ではないでしょう。

面白いことにアンテナを張っているのです。

そうして周りの人々の一挙手一投足を逃さずに、「芸に取り入れてやる」という思いでいると、自分の芸は磨かれていくはずです。

舞台や映画、テレビ番組など、さまざまなエンタテイメントに触れることも貴重な経験となるでしょう。

もちろん、最初のうちは、自分の芸が認められることは少ないかもしれません。

しかしながら、そこでくじけず、諦めず、それでも笑いを貪欲に追求していける人間が、笑いで生計を立てられ、職業としての「お笑い芸人」を名乗ることができるのです。

事務所に所属する

さまざまな方法で芸を身につけた芸人は、それぞれ芸能事務所に所属することになります。

事務所に入ってからもまだまだ学ぶことはあります。

一般的に、その事務所に所属しているのは、お笑い芸人・俳優・女優・グラビアアイドル歌手・文化人などさまざまな芸能人です。

各事務所によって、規則・ルールなどは違いますが、ここではまず、お笑い芸人のルールを紹介します。

第一に、芸人の世界は、年功序列が通用する世界ではありません。

芸能界に一日でも先に入った者が先輩になります。

したがって、年上の後輩や、年下の先輩がいます。

また、同じ事務所の先輩後輩にだけ通用するしきたりなどもあります。

たとえば、食事に行った際、先輩が後輩の分も支払うといったものです。

このように一般社会では聞き慣れない、芸能界や各事務所独特の決まり・しきたりがたくさんあります。

そこは、「郷に入れば郷に従え」です。

お笑い芸人として、活躍したいのならば、その世界のルールや伝統を受け入れる必要があります。

お笑い芸人になるまでのルート

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お笑い芸人の資格・難易度

お笑い芸人になるのは実は、非常に簡単です。

資格や免許が必要なわけではありませんし、専門学校を卒業しなければいけないわけでもありません。

「私は、お笑い芸人です」と名乗ったその日から、誰でもいつでもどこでも、お笑い芸人になることができるのです。

しかしながら、テレビやラジオ・映画・雑誌などメディア、劇場やライブハウスなどの寄席・ライブで活躍する芸人、つまり、「お笑い」で生計を立てている職業としての「芸人」になるにはそう簡単にはいきません。

「芸人」と名乗ったとしても、笑いという技術を学んだり、身につけなければ、お客さんに笑いを提供することはできないですし、仕事のオファーもなかなか来ないからです。

お笑い芸人の肩書を名乗っていてもお笑いの仕事だけで生きていくことができるのはほんの一握りの人間だけ、というのが現実です。

お笑い芸人になるための学校の種類

お笑い芸人になるために必ず通わなければいけない学校はありません。

面白いネタを作って多くの人を笑わせることができれば芸人になるチャンスはあります。

しかし、最近では芸人の養成所を卒業して活躍するお笑い芸人も増えています。

特に、大手の芸能事務所である吉本興業の養成所である「NSC」や、ワタナベエンターテイメントの「ワタナベコメディスクール」、ホリプロの「目黒笑売塾」などは有名です。

このような芸能事務所が運営する養成所やスクールでは、実際に活躍している先輩芸人や放送作家などから、お笑いの基本やネタの作り方、発声練習を学びます。

学費は1年間で30万円〜100万円程度のところが多いようです。

決して安い金額ではありませんが、養成所を通して身につくスキルはたくさんあるので、行ってみる価値は十分にあるでしょう。

お笑い芸人の養成所ではどんなことを学ぶ?

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お笑い芸人に向いている人

お笑い芸人に向いているのは、心の底からお笑いを愛している人です。

この業界は売れるかどうかもわからない不確かな状況の中で仕事を続けていかなければいけませんし、渾身のネタを披露したにもかかわらず周囲から「面白くない」とか「芸人に向いていない」という辛辣な評価をされることもあります。

お笑いへの強い思いがなければ続けていけません。

また、お笑いを愛しているのはもちろんのこと、「いつかは絶対に成功してやる」「自分のレギュラー番組を持ってやる」「もっと芸を磨きたい」というハングリー精神も大切です。

舞台に出たり生放送に出演したりすることも多いので、観客や共演者の反応を読みながら場を盛り上げていける判断力も必要でしょう。

お笑い芸人に向いている人、適性

お笑い芸人のキャリアプラン・キャリアパス

オーディションからスタート

若手芸人が、まず挑むことになるのがオーディションです。

テレビ番組のモノマネなどの一発芸や、ライブ出演を懸けた漫才など、さまざまなジャンルのオーディションがあります。

日々の芸人生活で培った芸、ギャグや漫才のネタなどをそのオーディションで披露し、番組制作者やライブ主催者に「おもしろい」と思わせ、合格をもらえて、やっと世間にそのネタを披露できる場が獲得できます。

人気のお笑い芸人になるためには、オーディションに合格するか否かがすべてといってもよいでしょう。

ここで、大事なのはどのオーディションにどんなネタをぶつけていくか、ということです。

いくら自信があるネタでも、闇雲にオーディションにかけてしまっては、なかなか合格することはできません。

「このオーディションは、何の番組のオーディションなのか?」ということをきちんと考えて、受ける必要があります。

たとえば、番組がゴールデンタイムの放送か、深夜帯での放送かで、合格するネタは変わってきます。

子ども向けのなのか、大人向けなのか、きちんと判断した上で、オーディションにかけるネタを作らないといけません。

しっかりと照準を定めてからネタを作ると、よい結果が届くかもしれません。

レギュラー番組の獲得へ

オーディションに合格した芸人は、テレビ番組やラジオ番組から出演のオファーが届くようになります。

バラエティー番組やコント番組などはもちろんのこと、ときには子ども向け番組や情報番組に出演できることもあります。

最初は単発での出演になりますが、スタッフや共演者から高く評価されたり、お茶の間の反応がよかったりすると、だんだん出演のオファーが増えてくるようになります。

やがて「新番組のMCをしてほしい」「あなたたちのコンビで冠番組を作りたい」というように、レギュラー番組のお誘いも来るようになるかもしれません。

ここまでたどり着ければ、世間からの知名度も一気にアップしますし、収入も安定するようになります。

無事に人気芸人への仲間入りを果たしたといってもよいでしょう。

成功には運も重要

オーディションに合格したり、レギュラー番組を獲得したりすることは、お笑い芸人にとって成功のひとつです。

しかしながら、いつまでもその状態が続くわけではありません。

世間ではどんどん新たな流行や笑いを求める傾向があり、一度ブレイクした芸人でもその人気を維持するのは決して簡単なことではないからです。

芸人として第一線で活躍し続けるためには、努力はもちろんのこと、運も大切になるでしょう。

自分を面白いと認めてくれて、番組にキャスティングをしてくれるテレビ関係者や、ライブにブッキングをしてくれる事務所の先輩など、いつも人間関係を大切にしながら運を引き寄せ続けましょう。

コツコツ真面目にやっていれば、思いがけないところから仕事のオファーが生まれて、長く活躍し続けるきっかけになるかもしれません。

お笑い芸人を目指せる年齢は?

お笑い芸人を目指す年齢には、制限はありません。

10代のうちからお笑い芸人を目指している人の場合、高校卒業後に芸人養成所に入って芸能界を目指すことは珍しくないようです。

その一方で、サラリーマンやOLとして働きながらも「お笑い芸人になりたい」という夢を捨てきれずに、20代や30代でこの業界に挑戦する人も決して少なくはありません。

たとえば、人気芸人である「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんや「トレンディエンジェル」の斎藤司さん、ものまねタレントのホリさんも、元サラリーマンの経歴があります。

お笑い業界は実力さえあれば何歳からでも人気が出るので、年齢にこだらわず目指してみるとよいでしょう。

お笑い芸人は高卒から目指せる?

お笑い芸人として活動するうえで学歴は関係あるのでしょうか。

これに関しては、ほとんど関係ないといってよいでしょう。

実際に今、日本で活躍している芸人さんたちがどんな高校や大学を出ているのかを知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。

学歴よりも本人のキャラクターやネタが何よりも重視されるのがお笑い業界。

やったもん勝ち、笑わせたもん勝ち、という実力主義の世界なのです。

ただし、一部のお笑い芸人は、難関大学出身の高学歴であることを生かしてクイズ番組で活躍しています。

自分の特技や持ち味を生かすことが何よりも大切です。

お笑い芸人は女性でもなれる?

昔のお笑い業界は、男性が中心の業界でした。

漫才師や落語家も男性の仕事というイメージが圧倒的に強く、この職業を目指す女性は非常に少なかったのです。

しかし最近では、お笑いを生業にする女性が増えてきました。

友近さんや森三中さん、くわばたりえさんや近藤春菜さん、渡辺直美さんなど、テレビを見ているとたくさんの女性芸人を目にする機会があるのではないでしょうか。

漫才やコント、落語、モノマネなど、さまざまな分野で女性が活躍する時代になっているので、女性でも男性でも自分の個性や芸を存分に発揮できる業界といってよいでしょう。