外交官は危険?

赴任国によって違う危険度

外務省に入省して外交官になれば、辞令に従いどんな国にでも赴任しなければなりません。日本と国交がある国の中には、治安の良くない国も含まれます。

外交官には総合職、外務省専門職、一般職がありますが、どの職種でも世界各国に派遣されます。

ただ、例えばアラビア語を専門とする人を中国に派遣するのは適材適所とはいえません。ある程度当人の専門地域や言語に適った国に派遣されるのが自然な流れです。

そのため、アラビア語やペルシア語を専門とする外交官は、中東に派遣される可能性が高いでしょう。

中東は長年に渡り政情が不安定な地域ですので、欧米圏に派遣されるよりは危険度は高いといえます。

専門とする言語によっては安全な地域に行けるのか?

この表題の答えは、イエスでありノーでもあります。

英語を専門にすれば英語圏に派遣されるかといえば、そうでもありません。というのも、マイナー言語が公用語の国では、業務を英語でこなすことが前提となるため、広い範囲でニーズがあるためです。

フランス語やスペイン語にも同様のことがいえます。フランス語であれば政情不安定なアフリカの国、スペイン語であれば一般的に治安の悪い中米の国でのニーズがあるでしょう。

しかし、特定の国でしか話されない言語、例えばトルコ語やポーランド語に長けているとなれば、比較的政情が安定しているそれらの国に派遣される可能性は高くなります。

外交特権によって守られてはいるが…

外交官には国際法によって定められた外交特権というものがあります。

そのうち身体の安全を保障しているのが、

・外交官の身体の不可侵(抑留・拘禁の禁止)
・住居の不可侵権
・接受国による保護義務

です。

しかしこれはあくまで接受国(受入国)が他国外交官の公人としての身分と安全を保障しているものです。

そのため、たとえばプライベートの外出で強盗に遭う、テロに巻き込まれるといった、予測不可能な事態を想定したものではありません。

専用車や警護などである程度の安全は確保できるでしょうが、とくに政情や治安の不安定な地域では、100%安全とは言えないのが現実でしょう。

実際に外交官が事件に巻き込まれるケースはあります。

外務省経験者採用の募集要項にも、求める人材として「途上国の過酷な環境でも勤務できるたくましさ、国際社会の多様な価値観を理解し受け入れることができる柔軟性とバランス感覚を兼ね備えている者」という一文があります。

外交官になるには、多少の危険は覚悟しておく必要があるかもしれません。