不動産鑑定士への転職・未経験からなるには?

不動産鑑定士への転職状況は?

不動産鑑定士試験は非常に難易度が高いため、大学などの在学中に合格し、新卒で不動産鑑定士になる人はどちらかというと少数派です。

実際の合格者を年代別にみても、30代や40代の割合が高く、なかには50代の合格者も一定数います。

そうした合格者のほとんどはすでに仕事を持っている社会人であり、不動産鑑定士は転職する人が非常に多い職業といえるでしょう。

とくに、不動産業界で営業職や事務職として働く人が、業界内のトップ資格にあたる不動産鑑定士を目指して勉強に励み、資格取得後に鑑定事務所に転職するケースが目立ちます。

また、元銀行員や元証券マンなど、金融業界から不動産鑑定士に転職してくるケースも少なくありません。

信託銀行では、不動産鑑定士資格の取得を奨励されることも多いようです。

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不動産鑑定士への転職の志望動機で多いものは?

転職者の志望動機としては、キャリアアップを理由とするものが多いようです。

不動産業界でのステップアップを考えた場合、まずは未経験からスタートして実務経験を積みつつ、やがて宅建資格を取得し、重要事項説明など手掛けられる業務を増やすというコースが一般的です。

そして、宅建資格保有者のなかで、さらに高みを目指したいと考える人が、不動産鑑定士を志望するケースが多く見受けられます。

不動産鑑定士資格まで取得できれば、不動産業界だけでなく、金融機関や監査法人などで活躍することも可能であり、キャリアの選択肢は一気に広がります。

また、不動産鑑定士は独立開業することもできるため、組織から抜け出して、自分の事務所を経営したいと考える人が、資格取得を目指すケースも少なくありません。

不動産鑑定士には「鑑定評価業務」という独占業務があることから、資格さえ取得できれば、脱サラが成功する確率は飛躍的に高まるでしょう。

不動産鑑定士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

未経験・社会人から不動産鑑定士になるには

未経験・社会人から不動産鑑定士になるにあたっては、大きく2つの関門があります。

ひとつめは試験の難易度が非常に高く、合格するためには多大な勉強をこなさなければならないことです。

受験者のなかには、仕事をせず試験勉強だけに打ち込む「専業」の人も数多くおり、仕事と勉強を両立させることは容易ではありません。

働きながら不動産鑑定士を目指すなら、数年間かけて地道に学習を進めつつ、適宜予備校や通信教育なども利用して、専門の講師からの添削指導を受けることが望ましいでしょう。

ふたつめの関門は、資格を登録するためには、試験合格後に「実務修習」を受けなければならないことです。

実務修習生としての採用は、どこも年齢制限が厳しいため、社会人から不動産鑑定士になるためには、できる限り若いうちに試験を突破しなければならないといえます。

さらに、実務修習を終え、資格を登録できるようになるまでには2年ほどかかるケースが一般的ですので、年齢によっては就職先がかなり限定されることも想定しておかなければならないでしょう。

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不動産鑑定士への転職に必要な資格・有利な資格

不動産鑑定士への転職に必要となる資格・スキルは、自身の年齢によって異なります。

20代であれば、柔軟性や将来性が十分にあるとみなされるため、就職先を見つけることはそれほど難しくないでしょう。

勤務先によっては、不動産鑑定士試験を未受験でも、これから勉強する意思さえあれば「補助者」として採用するというところもあります。

また、雇用者の側からすると、年齢的に若いことで、給料を安く抑えられるというのも大きなメリットです。

これに対し、30代になると、たとえ実務経験がなく資格未登録であっても、少なくとも不動産鑑定士試験に合格していることは必要になるでしょう。

加えて、officeソフトの活用など基礎的なPCスキルに習熟していることはもちろん、契約書作成などの実務経験もあると望ましいでしょう。

40代以上になると、試験に合格しており、かつ修習も終えていることは不可欠といえます。

さらに、企業によって、VBAなどのエクセルマクロを取り扱うスキルや、HTMLなどのITスキル、ビジネスレベルの英語力、会計知識など、即戦力として活躍できる経験と知識が求められるでしょう。

不動産鑑定士への転職に役立つ職務経験は?

不動産鑑定士への転職に役立つ職務経験としては、まず宅建士(宅地建物取引士)としてのキャリアが挙げられます。

宅建資格を持っていると、契約書や重要事項説明書を作成するために、土地や建物を調査したり、役所などで公的情報を集めたりする機会が頻繁にあります。

不動産鑑定士の鑑定評価業務ほど詳細に調べるわけではありませんが、そのような業務経験は基礎的スキルとして非常に役立つでしょう。

また、宅建資格を持っていなくても、営業職や事務職などで不動産を取り扱っていた経験があると有利です。

さらに、銀行や信用金庫などの融資担当として、不動産に対する抵当権設定などの実務に従事していた経験も、同じように役立つでしょう。

不動産鑑定士への転職面接で気をつけるべきことは?

不動産鑑定士は、高度な知識が必要となる専門職ですが、あくまでサービス業の一種であり、お客さまあってのビジネスであることに変わりはありません。

実際の業務を行うにあたっては、クライアントから意向を聴取したり、評価結果を説明したりと、コミュニケーション能力も重要になります。

転職者であれば、すでに社会人経験を積んでいる分、新卒者よりもさらに高いレベルの対人スキルが求められるため、話し方や態度、表情には細心の気を配り、対人スキルが高いことをアピールしましょう。

また、不動産鑑定士のなかには、キャリアアップのために転職を繰り返したり、あるいは独立開業する人も珍しくないため、将来のキャリアビジョンについてはまず間違いなく問われます。

働ける年数に限りのある転職者であればなおさら、早期のステップアップを志したくなるものですが、雇用する側からすると短期で離職されてしまうのは大きなリスクです。

転職面接の場においては、少なくとも5年以上は勤める意思があることを示すべきです。

不動産鑑定士に転職可能な年齢は何歳くらいまで?

不動産鑑定士試験に年齢制限はないため、何歳になっても受験すること自体は可能です。

ただし、資格を登録して仕事を請け負うためには試験合格後に2年ほどの実務修習を積まなければなりません。

実務修習生の受け入れは30歳前後を上限とする事務所が大半です。

したがって、まったくの未経験から不動産鑑定士を目指す場合、転職するためには30歳までに試験に合格しておくことがひとつの目安といえるでしょう。

しかし、それ以上の年齢であっても、前職のキャリアや保有スキル次第では、修習生として受け入れてもらえるケースもあるため、可能性はゼロではありません。

試験に合格する前に「補助者」として実務経験を積み、働きながら資格取得を目指す方法も考えられます。

鑑定事務所などに勤めながら長年コツコツと勉強し、40代になってから不動産鑑定士になったという人も大勢います。

未経験から不動産鑑定士に転職する際の志望動機

不動産鑑定士の業務内容は幅広いため、未経験から転職する場合であっても、志望動機を考える際は、不動産鑑定士としてどんな仕事を手掛けたいかをまず具体的にするべきです。

その際「不動産会社で賃貸仲介を手掛けていたから、賃料の評価業務をしたい」「銀行の信託部門にいたのでデューデリジェンスに興味がある」など、前職と関連づけた動機にすると、説得力が生まれます。

まったく違う業界から転職する場合は、不動産投資信託や企業資産の時価評価会計など、近年の不動産鑑定士に増えている業務内容について、あらかじめ入念に調べておくとよいかもしれません。

また、年齢次第では、これから試験勉強を始めるという、まったくの未経験者でも採用するという企業もあります。

その場合の志望動機は、働きながら試験に合格するには相当量の努力が必要になるため、多少粗削りでも、不動産鑑定士に対する熱意が感じられる内容にするとよいでしょう。