担保のための鑑定評価

お金を貸すにはそれなりの担保が必要

金融機関が住宅ローンや事業資金などを貸す場合には、通常、対象となる建物や土地に抵当権や根抵当権という担保をつけます。

これは、住宅ローンを貸した金融機関が、借手の返済が滞った場合にも、その抵当権を実行(土地・建物を裁判所経由の競売で売る)して回収できるようにするためのものです。

そのため、土地や建物の価値に見合う分しかお金を貸したくないのが貸主としての考えになります。

基本的には金融機関による大量評価だが・・・

これらの担保評価は、基本的には金融機関による統一的な基準による評価です。この評価の仕方は不動産鑑定士による鑑定評価に比べればかなり大ざっぱなものといえますが、さまざまな問題が生じることがあります。

その中でも一番多くて一番大きな問題が、貸し付けたお金をまったく回収できなくなるようなケースです。

たとえば、大量評価によってなされた不動産の評価が実は市場価格よりも大きく上回ってしまっており、貸したお金が返ってこなくて競売をおこなってもそのほんの一部しか回収できないといったようなケースです。

1990年台はこのようなことが横行していたことから、銀行の不良債権が問題となったともいえるのです。

またこの逆の現象として、本来もっと価値のある不動産に対して適切な評価がなされないために借入額が制限され、経済面でマイナスとなるといった影響もあるのです。

適切な担保評価こそ不動産鑑定士の役目

そこで必要になるのが土地や建物のきちんとした市場価値の把握ですが、そのためには不動産鑑定士による鑑定評価をすべきといえます。

現在においても不動産鑑定士に担保評価をおこなわせている銀行は多くはないのですが、大手銀行などはグループ会社に不動産鑑定士を雇ったり、外注したりと適正な担保評価に努めているところもあります。

また、不動産鑑定士による担保評価をデータベース化やシステム化してより迅速で的確な評価ができるような取り組みもあるようですし、前々からあるお仕事でありながらも伸び代のある分野ともいえるのです。