公的価格算出のための鑑定評価

もっともポピュラーな公共の仕事

不動産鑑定士のお仕事といえば、国が毎年公表する地価公示や都道府県が毎年公表する地価調査のもととなる評価をおこなうことと想像する方も多いことと思います。

これらはいずれも、土地の売買をおこなうに当たって指標とするために公表されているものです。

というのは、不動産(特に土地)については、売主と買主との間で相対で取引されるものであり、定価がある製品や株式のような市場・指標がないためです。

つまり、地価公示価格や地価調査による基準地価といった指標のようなものがないと、その土地の価格が適正かどうかだれも分からなくなってしまうのです。

このように地価公示や地価調査は、不動産取引の円滑化と公正化に資するためにある、不動産取引にとってはとても大切な指標なのです。

どのように進めるか

地価公示は国土交通省がおこない、基準地価は都道府県がおこなっています。

地価公示をおこなう不動産鑑定士は「地価公示鑑定評価員」と呼ばれます。これは公募によって国土交通省にある土地鑑定委員会から選出されるものです。

お仕事の進め方は、各地域における毎年1月1日時点の標準地1㎡あたりの価格を、2名以上の地価公示鑑定評価員におこなわせ、必要な調整をおこなって公表されるものです。

地価調査は都道府県知事がおこないます。

お仕事の進め方は、各地域において知事が指定した基準地における毎年7月1日時点の1㎡あたりの価格を、不動産鑑定士に評価をおこなわせて必要な調整をおこなったうえで公表されるものです。

年々競争が激しくなっている一方で…

地価公示や地価調査は毎年お役所から発注される仕事ですし、実績がある者に優先して発注する傾向がありますので、不動産鑑定士のお仕事の中でも安定的で魅力的といえます。

不動産鑑定士はそのほとんどが独立開業して個人でおこなっているため、定年がない人が多勢を占めます。

そのため、古参者が地価公示鑑定評価員や都道府県地価調査を長きにわたってやっている場合が多く、そのため新参者がなかなか入れないといった状態にあるようです。

その一方で、地方ではそれまで独占的におこなっていた不動産鑑定士が店じまいをしてしまって依頼する人がいなくて困る場合もあるようです。

そのような地域に入っていければ、これらの魅力的な仕事を受注できる可能性もあるのです。