企業会計のための鑑定評価

会計基準の大きな変更で重要な役割を持つように

企業を取り巻く環境は時々刻々と変化しており、平成に入ってからはその状況が劇的に変わっていきました。

とくに、金融ビッグバンと呼ばれる平成8年から起こった金融制度の大改革にともなって企業会計も大きく変更されております。

それによって、企業会計における不動産の評価なども見直され、不動産鑑定士が重要な役割をになう場面が増えてきました。

代表的なものは減損処理の会計処理

先に書いた企業会計における不動産鑑定士の重要な役割を果たす場面としては、現時点では「減損処理」と「賃貸等不動産」にかかわる会計処理があります。

減損処理とは、土地などの固定資産に関する会計処理の一つです。

資産の市場価格の低下や資産から生み出される収益の低下があり、その資産に対して行った投資の回収が見込めなくなった場合に、その分を損失として計上して帳簿価額を切り下げることをいいます。

とくに土地は減価償却がないため、この制度ができるまでは評価額が下がっても帳簿価額を下げる術がなかったのですが、これによって帳簿価額を下げて適正な企業価値をあらわすことに資することができるのです。

この際の、土地の現在の評価額を算定する際に、不動産鑑定士の評価が役立つのです。

このほかにも、賃貸等不動産の時価注記があります。これは、ある一定の不動産について、その時価を財務諸表に注記しなければならないのですが、その性質上、不動産業でない一般企業においても該当する可能性が高いものです。

例をあげると、工場跡地で再開発を期待して持っている遊休地や、一時的に借主のいなくなった建物などが該当します。その際の時価の算定について、不動産鑑定士の役割が期待されているのです。

国際会計基準(IFRS)との関連でさらに重要な役割を担う?

企業会計を取り巻く環境はさらに変化していますが、その代表的なものが国際会計基準(IFRS)の導入です。

現時点では完全導入される予定は延期されたものの、先に書いた減損処理や賃貸等不動産はIFRSの導入を見据えて部分的に導入されたものなのです。

このような流れの中、不動産鑑定士が企業会計において活躍する場面は、増えることはあっても減ることはないといわれているのです。