不動産鑑定士の1日

不動産鑑定士のタイムスケジュールの一例を紹介しましょう。

9:00

出社して本日の予定を確認します。本日は、先日依頼された土地を売却するための鑑定評価を行うため、各種調査を主に行います。

こちらの土地は、借地権が設定されていて第三者の住宅用地となっているため、売却に際しての評価が簡単ではありません。クライアントもそれを承知していて、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼してきました。

9:30

まずは役所関係の調査として、法務局に出向きます。法務局では土地の登記簿の内容確認を主に行います。

現在ではインターネットで登記次項を確認できますが、過去に遡っての調査(地歴調査といいます。特に土壌汚染の有無などを調べるため必要です。)は、インターネットで見ることができない場合も多く、結局は法務局で調べた方が手っ取り早かったりします。

10:30

次の役所関係の調査は、行政関係の調査になります。

まず、その土地が都市計画法や建築基準法などの規制がどのような形態になっているか確認しに行きます。出向く先は、市区町村役場の都市計画課や建築指導課といったところがほとんどです。

続いて、当該地にどのようなライフラインが引き込まれているか、上下水道やガスなどの管理者(市区町村の組織だったり、企業形態を取っていたりさまざまです。)のほか、電力会社や通信会社に照会に伺います。

さらに、前面道路について道路管理者(市道なら市役所、県道なら県の建設事務所や地域振興局等)の下で幅員や系統を確認します。

また、対象の土地が埋蔵文化財の包蔵地指定がないか市区町村の教育委員会に確認するほか、土壌汚染が疑われる場合には都道府県の機関や市区町村役場の環境政策課などでその有無を確認します。

12:00

昼食を取ります。

13:00

対象となる土地の現地確認です。

土地は登記されている内容が必ずしも正しいとは限らず、現地にて確認しなければ分からないこともあります。特に今回は、借地権がついた土地の鑑定評価ですので、実際にその土地を使っている方が住宅所有者(借地権者)かどうかなど、見る点は多いといえます。

また、対象となる土地のみを見るのではなく、周辺を歩いてみたり少し車を走らせて見たりして、地域自体の環境や状況の確認を行います。

特に、駅からの距離、交通施設や公共施設の配置状況、騒音や環境汚染の可能性のある施設の有無などはしっかりと確認します。場合によっては、近所の方にお声掛けしてヒアリングを行うこともあります。

15:30

事務所に戻ってきました。

本日収集した資料や、状況確認したメモをきちんとまとめます。これが、最終的にクライアントに提出する鑑定評価書の大本となりますので、このまとめは漏れなくダブりなく的確に行う必要があります。

18:00

クライアントとの打ち合わせです。本日調査した内容を元に出た疑問点などを確認します。また、借地権の契約状況やその内容(契約期間・賃料・条件・制限等)を詳細に確認し、契約書があればコピーをいただきます。

今回については借地権者=土地所有者で通常の借地権でしたが、その相手は親戚で周辺よりも安めに賃料が設定してあることが判明しました。

しかも、契約書もないとのことで、クライアントの証言のみが鑑定評価の前提を作るような形になってしまいますので、正確に漏れなく聞き取っておく必要があります。

19:30

クライアントとの打ち合わせ内容をまとめておきます。これをしっかりと取っておかないと、トラブルになった際に真っ当な主張ができません。

特に今回は親戚相手の借地権が設定されているという事情があり、契約書もないためにこの証言を元に鑑定評価を行うため、しっかりと記録をとっておく必要があります。

20:00

1日の仕事が終わりましたので、退社します。