不動産鑑定士に必要なこと

鑑定評価基準の深い理解

不動産鑑定士が行う不動産の鑑定評価は、不動産鑑定評価基準に基づいて行われます。鑑定評価基準とは、不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行うに当たってのバイブルです。

ですが、不動産にはさまざまな種類があるうえに、鑑定評価の諸条件も多様であり、また、時代や社会情勢などの変化によって、不動産自体に対する考え方や使われ方も変わるものですので、鑑定評価基準の文言ですべてのケースをあらわすことは、現実的に不可能です。

そのため、文言として書かれていないことを推察する場面が出てきます。

そこで、不動産鑑定士は鑑定評価基準にある趣旨を読み取り、判断する必要があります。それを行うには鑑定評価基準の深い理解がなければならないのです。

論理的な思考力

不動産の鑑定評価には、論理的な思考力が必要とされます。

というのは、複雑な不動産鑑定評価をしっかりとした手順で行い、クライアントに説明するためには論理的に仕事を進めなればなりませんし、先に書いた通り鑑定評価基準に書かれていないことを推察する場合にも、論理的な思考の上に行わなければ、どこかで矛盾が生じたりする可能性が高いからです。

不動産鑑定士になるために行われる論文試験でも、特にこの論理的思考力は加減点要素として見られます。いくら高度な知識があっても、設問に対して論理的に結論を導き出せないような文章ですと、不合格になることさえあります。

これは、不動産鑑定士の実務で論理的な思考力が必要とされる証拠に他ならないのです。

適確な表現力

不動産鑑定士の仕事はクライアントから鑑定評価の依頼を受けて鑑定評価を行い、鑑定評価報告書というものを作成した後、鑑定評価書という形でクライアントに提出されますが、この鑑定評価書の基となるのは鑑定評価報告書です。

そのため、この報告書はクライアントに出しても良いレベルに仕上げなければならず、「分かる人にしか分からない」ものではいけないのです。先ほど書いた論理的な流れに加えて、それを見やすくわかりやすく表現できるようでなければなりません。

この表現力は、以前よりも重要視されるようになってきています。特に、説明責任という点での要求を満たすためには必須のものですので、重要視されるようになってきたのは必然と言えるのです。

そのため、文章にしてもグラフにしても、適確な表現力が不動産鑑定士には必要とされます。