売買の参考としての鑑定評価

依頼があるのは官公庁や企業がほとんど

一般の方(個人)が不動産を買ったり売ったりするのに、不動産鑑定士による鑑定評価を用いることはほとんどありません。

鑑定評価をして納得をするという手もありますが、費用がかかることから、あまり活用されていないのが実情です。

そこでほとんどの場合、売買の参考としての鑑定評価の依頼は売買価格に妥当性を求める官公庁や企業から依頼されることになります。

とくに、公共用地(道路や河川、公園など)の土地の取得に当たっては、地主や地権者に対しての説得材料として活用されています。

マンション売買では簡易評価も活用され始めている

中古マンション市場における売買については、厳密な鑑定評価まではいかなくても簡易的な鑑定評価が活用されはじめています。

エリアは首都圏や主要都市などに限られてきますが、マンションの価格は立地や建物のグレードばかりでなく、どの階に物件があるのか、どの方角に対して位置しているのかといったことで、かなり差が出てくるものです。

そのため、一般の不動産業者がやるような簡単な査定での判断では、精度がいまいちな場合もあるのです。

そこで、エリアを決めてマンション取引価格を収集してデータベース化しておき、ある程度簡素化したうえでの簡易評価が活用されています。

利用者にとっては、安価に不動産鑑定士による専門的知見が織り込まれた精度の高い価格を知ることができ、大変便利であるといえるのです。

借地権売買や底地売買の参考にも

土地は所有している人が使うばかりでなく、貸したり借りたりして使うこともできます。この土地を借りて建物を所有する権利を「借地権」といい、借地権の付いた土地の所有権を「底地」といいます。

いずれも権利という概念があり、契約の内容によってその価格が大きく変動するため、一般の不動産業者には手におえないものです。

そこで不動産鑑定士が活躍するのですが、不動産鑑定士の中でも借地権や底地をしっかりと鑑定評価できる方は限られてきます。

なお、不動産鑑定士試験においても、借地権や底地に関する論点や演習問題は難易度が高いのです。