不動産会社の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

不動産会社社員の仕事とは

不動産会社とは、土地、戸建住宅、マンション、店舗、事務所、商業施設などのさまざまな不動産について、賃貸や売買の仲介、管理、開発などを手掛ける企業です。

不動産会社社員の仕事内容は、お客さまに物件を案内したり相談に乗ったりする接客業務や、成約時の契約業務、物件の調査業務などです。

ただ、不動産会社の種類や事業規模は非常に幅広く、さまざまな業態があります。

大きな高層ビルを開発する上場企業もあれば、アパートなどを紹介する「街の不動産屋さん」もあります。

共通しているのは、土地や建物に対する知識や、多数の法律に関する知識が求められるということです。

深い知識をもつ不動産の専門家として、お客さまが安心かつ安全に取引を進められるようサポートすることが不動産会社社員の仕事です。

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不動産会社の種類・分類

全国には、大小さまざまに、実に30万社を超える数の不動産会社があります。

その事業内容は企業によってばらばらですが、大きく分けると「仲介会社」「管理会社」「デベロッパー」「販売代理会社」の4種類があります。

仲介会社の種類は、賃貸仲介をメインとする会社と、売買仲介をメインとする会社です。

賃貸仲介を行う会社は、賃貸管理も兼業している場合もあります。

大手不動産会社では、グループ内の子会社も含めて、不動産事業すべてを網羅的に手掛けています。

また、ワンルームマンションばかり扱っている会社もあれば、投資物件専門の会社、「競売」という裁判所の差し押さえ物件のみ扱っている会社もあり、特色もバラエティに富んでいます。

不動産会社を目指すなら、どんな不動産を扱い、どんな仕事を手掛けたいか具体的に考えて、志望企業を絞る必要があるでしょう。

不動産会社社員の業務内容

接客業務

接客業務は、不動産会社社員の中心となる仕事です。

店舗やモデルルームなどに来訪したお客さまを出迎え、ニーズを聴取して条件に合った物件を紹介したり、内覧に付き添ったりします。

不動産の接客業務が一般的な接客業と大きく異なるのは、借りたい人と貸したい人(大家)、買いたい人と売りたい人など、物件を介して相手方が双方に存在するということです。

このため、不動産会社社員には、老若男女、誰とでも話すことのできるコミュニケーション能力に加えて、間に立って双方の希望や条件を調整する交渉能力が求められます。

契約業務

物件説明や内覧の結果、借りたい、買いたいという話が具体的に進展したら、契約業務へと移ります。

賃貸でも売買でも、不動産に関する契約をする際には、事前に不動産に関する大切な情報を取りまとめた「重要事項説明書(重説)」を作成し、面前でお客さまに説明することが法律で義務付けられています。

この重説や、契約書、決済にかかる請求書などの作成と説明、および契約に必要な印鑑証明書や住民票など必要書類一式の案内が、契約業務にかかる不動産会社社員の仕事です。

このうちの「重要事項の説明」については、業務を行うことができるのは「宅地建物取引士」の資格保有者に限られています。

宅建士の仕事

調査業務

調査業務は、不動産オーナーから仲介依頼を受けた物件や、自社で取得を検討している物件について、現在の利用状況、適用される法令などを調べ、資料として取りまとめる仕事です。

情報収集なくしては、お客さまに物件を説明することも、契約書を作成することもできませんし、物件の価値を正確に算定することもできません。

作業自体は非常に地味であり、また根気も必要ですが、調査業務は非常に重要度の高い仕事です。

不動産の関係法令は、建築基準法や都市計画法といったメジャーなものから、各地方自治体が独自に制定している条例まで軽く数十を超え、広範な法律知識が必要とされます。

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不動産会社の役割

不動産は、一般的に非常に高額であり、たとえばマイホームの購入は、ほとんどの人にとって一生に一度の、そして人生最大の買い物です。

しかし、面積、形状、構造、設備など、不動産を構成する要素は非常に多く、たくさんの法令や権利関係も複雑に絡み合います。

一般の人がそのすべてを正確に理解し、価値を判断することはきわめて困難です。

不動産会社社員は、専門的な知識と豊富な経験を駆使して、予備知識をもたないお客さまに対してもわかりやすく説明したり、相手方と交渉するなど、あらゆる面からサポートを行います。

不動産会社のおかげで、私たちは安全・安心に、不動産を借りたり買ったりすることができます。

世の中の不動産を、トラブルなく適正かつスムーズに流通させることが、不動産会社の社会的役割です。

不動産会社の職種

不動産会社の職種としては、以下が挙げられます。

営業系の職種

不動産会社の職種のなかで最もオーソドックスといえるのは、営業系の職種です。

営業の基本的な仕事は、店舗で来店されたお客さまに接客し、物件を紹介したり内覧に付き添ったりします。

物件をお客様が気に入れば、大家さんや売主との契約締結の「仲介」をします。

ただし、不動産仲介の種類はかなり幅広く、たとえば物件を貸す「賃貸仲介」か、物件を売る「販売仲介」かによって、仕事内容は大きく変わります。

賃貸仲介の会社が扱う物件はを大きく分けると、マンションやアパートなどの「居住用物件」、事務所や店舗などの「事業用物件」です。

仕事内容によって必要な知識やノウハウが異なるので、不動産会社では、店舗ごと、あるいは部署ごとに役割分担しているケースもよく見られます。

管理系の職種

マンションやビルなどの入居者や来訪者が、気持ちよくその建物を利用できるよう、環境を維持するためのさまざまな作業を行うのが管理系の職種です。

具体的には、共用部分の清掃、消防設備や電気設備、貯水槽などの定期点検、警備、植栽の維持管理、大規模修繕計画の策定などがあります。

ただし、これらの実際の作業については、清掃は清掃業者、警備は警備会社といったように、外部の専門業者に委託するケースが一般的です。

不動産会社社員は、これらの作業実績を取りまとめ、組合やオーナーに報告したり、改善点を提案したり、トラブルやクレーム発生時の処理を行うことなどがおもな仕事になります。

また、入居希望者の案内や、テナントを誘致することもあります。

企画・開発系の職種

ある程度まとまった大きさの土地を取得し、マンションやオフィスビル、商業施設など、大掛かりな不動産販売プロジェクトを取りまとめるのが企画・開発系の職種です。

企画・開発の不動産会社社員は、まず不動産情報を全国から収集し、めぼしい土地をピックアップします。

そして、周辺人口や環境、エリアの土地相場、将来の動向など、詳細なマーケティングを行わなければなりません。

調査結果に基づいて、どのような建物をつくるのかを企画し、用地の取得から設計、建設、広告、販売、引き渡しまで、一連の作業に携わります。

このような仕事を手掛ける不動産会社は、一般的に「デベロッパー」と呼ばれます。

なかには、数百件規模の建売住宅と商業施設、駅の再開発などを複合的に手掛けて、ひとつの「街」そのものをつくる「総合デベロッパー」という不動産会社もあります。

事務系の職種

不動産会社では、営業職などの社員をサポートするために、事務職として勤務している人も大勢います。

事務職の仕事は、不動産会社の事業内容によって異なります。

仲介会社の場合、物件の空き状況など、お客さまからの問い合わせ対応、広告資料の作成、物件情報の登録と修正などがあります。

営業職の社員が不在の場合は、代わりに接客をしたり、物件を案内したりすることもあります。

管理会社の場合は、家賃の入金管理と督促、外部業者への支払と請求、備品の管理、入居者への配布資料の作成などがおもな仕事です。

どちらの業種でも、膨大なデータを管理するので、WordやExcelなどのスキルについては、少なくとも基礎的なレベルに達しているのが望ましいでしょう。

なお、大手不動産会社では、このような事務職の社員は、正社員ではなく派遣社員を中心に雇用しているところも少なくありません。

ただし、仕事ぶりによっては、正社員に登用されることもあります。

一般的な職種

不動産会社では、上記の職種のほか、経理、財務、広報総務、人事など、ほかの企業でみられる一般的な職種もあります。

デベロッパーなどの大手不動産会社では、これらの部署で働く人も少なくなく、組織による役割分担がなされています。

その一方、不動産会社の大半を占める中小以下の企業では、役割分担はそこまで明確ではありません。

これらの仕事を営業職や事務職などが兼務しているケースもよくあり、一人で何役もこなしている社員もいます。

自分が手掛けたい仕事を良く考えて、不動産会社の業務全般を経験するか、1つの業務に専念するか選ぶと良いでしょう。

不動産会社の有名な企業

不動産会社の有名な企業としては、まず三井不動産や三菱商事、住友不動産といった、旧財閥系の上場企業が挙げられます。

これらの不動産会社は、街ごと再開発する「総合デベロッパー」と呼ばれています。

古い業歴と圧倒的な資金力、強固な事業基盤をもつ日本有数の大企業です。

三井、三菱、住友に続くのは、東急不動産、野村不動産など、マンション開発を主軸とする不動産会社です。

不動産仲介会社としては、東急不動産グループの東急リバブル、三井不動産傘下の三井不動産リアルティ(三井のリハウス)、メガバンク傘下の三菱UFJ不動産販売、みずほ不動産販売などが大手です。

不動産会社の仕事の流れ

不動産会社の賃貸仲介について仕事の流れを見ると、まず大家さんから仲介依頼を受け付けるところから始まります。

大家さんと交渉して「媒介契約」を締結したあと、実際に物件に出向いて、空き部屋や設備の状況、周辺環境などの調査を行い、資料にまとめ、広告を作成します。

部屋を探しているお客さまが来店したら、家賃や間取りなどの希望条件を聞き出し、それに合致した物件を提案します。

お客さまが気に入った物件があれば、実際に部屋まで案内して、必要があれば、家賃の減額やクロスの張替え、エアコンの更新、入居時期など、大家さんとの条件交渉を行います。

両者が合意に達したら、賃貸契約書や重要事項説明書による物件等の説明をしなければなりません。

また、重要事項説明書だけでなく賃貸契約書を大家さんの代わりに、入居者と取り交わします。

その後、初月家賃や敷金、仲介手数料などを受領してカギを引き渡すと、一連の仕事が完了します。