不動産営業の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

不動産営業の平均年収・給料の統計データ

不動産営業の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

不動産営業の平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、不動産営業の平均年収は、39.5歳で564万円ほどとなっています。

  • 平均年齢:39.5歳
  • 勤続年数:8.7年
  • 労働時間/月:167時間/月
  • 超過労働:12時間/月
  • 月額給与:379,100円
  • 年間賞与:1,094,300円
  • 平均年収:5,643,500円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
不動産営業の平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

各求人サイトの統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
不動産営業
(求人ボックス)
413万円 派遣社員:時給1400円
アルバイト:時給982円
不動産営業
(indeed)
6,621,671円 時給28,945円
月給468,826円
宅地建物取引士
(転職ステーション)
457万円 -
その他の不動産関連職
(転職会議)
419万円 20代前半:351万円
20代後半:423万円
30代:440万円
40代:451万円

求人サイト各社の年収データをみると、不動産営業の年収はおおよそ400万円~600万円ほどがボリュームゾーンとなっています。

幅がやや広くなっているのは、不動産営業の給料が、営業成績によって支給金額が決まる「歩合給」の割合が高く、個人間のバラつきが大きいためです。

このため、実際の給料はさらに上下ともに幅広く、年収300万円台の人もいれば、年収1000万円を超えている人もいます。

不動産営業の手取りの平均月収・年収・ボーナス

不動産営業は、月々の給料に加えて、ボーナスも「インセンティブ」と呼ばれる成果報酬式となっているケースが一般的で、支給金額は実力しだいで大きく変動します。

あくまでひとつのモデルケースとして、年収を500万円、ボーナスを月給2ヶ月分と仮定すると、月給の額面金額は約36万円、ボーナスは約71万円と試算されます。

そこから所得税や住民税、年金などの社会保険料を差し引くと、独身者の場合で手取りは月々約28万円、ボーナスの手取りは約56万円です。

所得水準は平均的な日本人よりやや上でありますが、不動産営業の月給はかなり不安定なので、必ずしも高額な給料をもらい続けることができるとは限りません。

不動産営業の初任給はどれくらい?

不動産営業の初任給は、およそ22万円~25万円くらいが相場となっています。

基本的に学歴に関係なく同じ初任給ですので、大卒者の場合はごく一般的な水準ですが、高卒や専門学校卒だと、かなり魅力的な金額かもしれません。

また、上記はあくまで固定の基本給だけの金額であり、実際にはこれに営業成績に基づいた歩合給がプラスして支給されます。

実力さえあれば、1年目から高収入を得ることも不可能ではないでしょう。

不動産営業の勤務先の規模別の年収(令和4年度)

不動産営業の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模に勤める不動産営業の平均年収は474万円、100〜999人規模は606万円、1,000人以上規模は641万円、10人以上規模平均は564万円となっています。

不動産営業の年収(規模別)_r4

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

不動産営業の勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

不動産営業の年収を年齢別に見ると、500万円~700万円がボリュームゾーンといえそうです。最も年収が高い世代は、50~54歳の704万円です。

全年代の平均年収は564万円となっています。

不動産営業の年収(年齢別)_r4

不動産営業の福利厚生の特徴は?

不動産営業の福利厚生は、あまり恵まれているとはいえません。

企業が得た利益は福利厚生制度を用いて社員全体に分配されるのではなく、歩合給制度を用いて結果を出した社員にのみ手厚く分配されます。
社会保険制度や通勤手当など、最低限の制度は利用できますが、それ以上はあまり期待できないでしょう。

とくに残業手当については注意が必要であり、支給されないケースも珍しくありません。

なかには、長時間のサービス残業が当たり前になっている職場もあります。

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不動産営業の給料・年収の特徴

実力主義の傾向がきわめて強い

不動産営業の給料は、上述したように、営業成績によって給料が決まる歩合給のウェイトがかなり重くなっているケースが一般的です。

なかには、基本給がゼロで歩合給が100%という、「フルコミッション」と呼ばれる給与体系のところさえあります。

不動産営業の給料は、たとえば公務員などによく見られる年功序列とは対極にあり、年齢もキャリアも学歴も関係ない、「完全実力主義」である点が最大の特徴です。

月々の給料やボーナスだけでなく、昇進スピードについても実力主義となっており、一般企業とは違って、年に数回昇給するタイミングがある企業もよく見られます。

優秀な社員の場合は、入社3年ほどで管理職に抜擢されるケースもあります。

こうしたシステムに夢があるのは間違いありませんが、やはりうまくいかなかったときのデメリットも大きく、非常にハイリスク・ハイリターンといえるでしょう。

賃貸仲介より売買仲介のほうが大金を狙える

不動産営業の歩合給は、一般的に取引成立時に得られる「仲介手数料」を基に計算されます。

その金額は賃貸仲介の場合は家賃のおよそ1ヶ月分、売買仲介の場合は物件価格のおよそ3%ほどが相場です。

つまり、家賃10万円の賃貸物件を契約して得られる手数料は約10万円、価格3000万円の売買物件を契約して得られる手数料は約90万円ということです。

このうちの何割が担当者の懐に入るかは企業によって異なりますが、売買仲介のほうが一度に入る金額が大きいため、一攫千金を狙いやすいといえます。

もしも数億円ほどのビルを仲介できれば、一発でサラリーマンの平均年収ほどの収入を得ることも夢ではありません。

そのかわり、ひとつの契約を取るのに要する手間と時間も売買契約のほうがはるかに上であり、高度な専門知識も要求されます。

長い時間をかけたあげくに途中で頓挫するという可能性もあり、売買仲介は賃貸仲介よりも大きな金額を扱う力のある人に向いているでしょう。

エリア間の格差が大きい

不動産営業は、都市部ほど収入が高く地方ほど収入が低いという「エリア間格差」が大きいことも、特徴のひとつといえます。

少子高齢化の影響により、日本の人口は東京などの大都市圏を除いたほとんどの地域ですでに減少局面に転じています。

そうした地方都市の場合、そもそも不動産を借りたい、買いたいという人の数が限られますので、取引自体があまりありません。

不動産営業としては、仲介手数料を稼ぐチャンスそのものがないため、どうしても収入は低くなる傾向にあります。

お金がすべてではないとはいえ、給料を稼ぎたいのであれば、不動産取引の活発な都市圏で就職先を探す必要があるでしょう。

不動産営業が収入を上げるためには?

不動産営業が収入を上げるには、段階的にいくつかの方法があります。

まずキャリアのできる限り早期のうちにやるべきことは、「宅地建物取引士」、通称「宅建士」の資格を取得することです。

参考:一般財団法人不動産適正取引推進機構 宅建試験

宅建士さえあれば、単独で契約業務を完結することができるようになりますし、月1万円~2万円程度の資格手当が付いて収入もアップします。

資格取得後は、自身の強みを生かせる営業スタイルを見つけることが収入アップのポイントです。

たとえば手際のよさや事務処理能力の早さに自信があるなら、賃貸仲介で数をこなすスタイルが稼げるでしょう。

反対に、じっくりと腰を据えて人間関係を構築していくのが得意なら、数ではなく1回の取引金額で勝負する売買仲介のほうが稼ぎやすいでしょう。

自分のスタイルで経験と実績を積み上げたら、より条件のいいところに転職したり、独立開業することによって、さらに一段上の高収入も狙えるかもしれません。