ファッションデザイナーとコンテスト

コンテストは名前を出すチャンス

ファッション業界では毎年さまざまなコンテストやコンクールが開催されており、こうしたコンテストやコンクールで受賞することはファッションデザイナーにとっての登竜門ともいえます。

たとえば、芸能人の場合、テレビに出ることによって知名度は一気にあがります。

全国放送でのレギュラー番組を持つようになれば、さらに多くの人がその人の名前と顔を知ることになります。

その点、ファッションデザイナーは、一部の有名なデザイナーはともかく、第一線で活躍するデザイナーであってもなかなか名前が出ることはありません。

一般の人がファッションデザイナーの名前と顔が一致させることができるのは希でしょう。

そうした普段は名前が出ることがないファッションデザイナーの名前が大きく取り上げられるのがコンテストやコンクールです。

コンテストやコンクールで受賞してデザインと名前が出ることによって、大きなチャンスをつかむことができる場合があります。

副賞もビッグチャンス

コンテストやコンクールで受賞した場合、名前が出るというメリットがありますが、コンテストやコンクールの副賞もまたビッグチャンスです。

コンテストやコンクールによっては、賞金以外に海外留学が副賞に付けられているものがあります。

ファッションデザイナーの海外留学で最も人気があるのはヨーロッパですが、ヨーロッパで生活するには、日本での1.5倍程度の費用がかかります。

それだけでなく渡航費用もかかりますから、海外留学をしようと思ったときには大きな費用を用意しなくてはなりません。

コンテストやコンクールで受賞して副賞を獲得することによってその悩みが解消され、海外で貴重な経験をすることができるのです。

教官や仲間との絆が強まることも

服飾系の専門学校の学生を主な対象にしたコンテストの場合は、このコンテストに向けてひとつの作品を作る過程で教官や仲間との絆が強まることも多いようです。

デザイン画を何百枚も書いては担当の教官に指導をしてもらったり、パターンや縫製を作るのをクラスメイトに手伝ってもらったりすることで、普段はなかなか得られないような刺激を受けることもできます。

また、デザインというのは普段は他人と比べにくいものなので、自分の実力を客観的に見つめ直すという意味でも貴重な経験になります。

コンテストそのものには入賞できなかったとしても、自分の実力をフルに発揮してモノづくりをする機会ができることや、周囲の人の力を借りながら努力をすることを学べるという意味では、コンテストは大きな意義のあるものといえるでしょう。

現在ファッションデザイナーとして活躍している人のなかにも、コンテストやコンクールに参加したときの経験を糧にして成長した人は少なくないのです。

コンテストやコンクールに問題も…

毎年さまざまなコンテストやコンクールが開催されていますが、近年では「このコンテストやコンクールに入賞すれば実力が認められて世に出られる」といった権威あるコンテストやコンクールが少なくなってきています。

たとえば、以前は「装苑賞」という賞が新人デザイナーの登竜門になっていました。

この装苑賞を受賞すると、雑誌の「装苑」に作品が掲載され、そこからキャリアをスタートできたからです。

それというのも、雑誌「装苑」がファッションデザイナーたちに絶大な人気のある雑誌であったからですが、最近では必ずしもそうではなくなってしまっているのです。

しかし、コンテストやコンクールが一種の登竜門であることは変わりなく、受賞をめざすファッションデザイナーは、今もなお多くいます。