女性の演出家

まだまだ少ないが、活躍の場は常にあり

演出家と聞いてすぐに名前が浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。

男性に比べて、圧倒的に少ないのが現実です。

もちろんゼロではなく、活躍している演出家もいます。

そもそも舞台もテレビも映画も、現場スタッフは男性が占める割合が多く、女性スタッフはヘアメイク、スタイリストのみ、という現場もあります。

舞台やロケは深夜まで及ぶことも多くとてもハード、さらに強いリーダーシップも必要。確かに女性には仕事がしづらい点もあるかもしれませんが、いずれも絶対的な理由ではなく、原因でもありません。

最近では注目を浴びている女性演出家も多く、今後もその数はさらに増えていくでしょう。

また、同じ制作スタッフだと、脚本家のほうが女性の活躍が目立ち、脚本家からその実力が認められて演出家へというケースも多いようです。

そして、女性だろうとなんだろうとひとたび認められてしまえば仕事は尽きることはありません。

才能のある人材に枯渇している業界なのは事実なので、会社所属の演出家もフリーの演出家も、結婚&出産後も活躍の場はいくらでもあるといえるでしょう。

現在活躍中の女性演出家

比較的、女性演出家の活躍が目立つのが映画業界。彼女たちはどのようにして演出家になったのでしょうか?

映画、舞台の世界で注目を浴びるふたりの演出家を例に見てみましょう。

西川美和

松たか子×阿部サダヲのタッグでスマッシュヒットを飛ばした『夢売るふたり』の監督で知られる、女性映画監督。

早稲田大学在学中から、映画製作への道を決意し、多くの映画制作会社に応募。是枝裕和監督に熱意を買われて『ワンダフルライフ』にスタッフとして参加。

以降、さまざまな現場で活躍後、2002年『蛇イチゴ』で監督デビュー。

本谷有希子

今一番注目される女性舞台演出家のひとり。高校時代より演劇部に所属し、卒業後、俳優養成の専門学校「ENBUゼミナール」に入学。

在学中、庵野秀明監督に見いだされ、1998年、アニメ『彼氏彼女の事情』で声優デビュー。もともと、俳優志望で入学したが、脚本・演出家に転身。

卒業後、「劇団、本谷有希子」を創立。劇作家・演出家としてはもちろん、小説家としても活躍する。代表作に『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』など。

女性演出家の強みとは

まだまだ女性の活躍が少ない演出家のお仕事。体力面など、厳しい部分も確かにありますが、女性だからこそ作れる作品の魅力もたくさんあります。

女性が好む世界観、女性の細かな心情など、女性ターゲットの作品においてはやはり同性である監督のほうが表現も自然で、共感も得られやすいのが何よりの強み。

ヘアメイク、衣装など、ビジュアル面でも同様。さらに、同じ女性ということで女優さんのリラックス度も高く、より自然で大胆な演技も引き出しやすくなるという利点もあります。

また、「女性演出家」の作った作品というだけで、話題にあがったり、注目されるのも商業的には利点のひとつともいえます。