絵本作家の需要・現状と将来性

近年、出版不況と言われ、出版業界は厳しい状況にあります。

しかし、児童書は新たな可能性を広げています。

この記事では、絵本作家の現状や需要を交えて、将来性や活躍の場について解説します。

絵本作家の現状・需要の増加

近年、出版不況と言われ、書籍の売り上げが著しく下がっており、日販の『出版物販売額の実態2016』によると10年前に比べて30%前後も売上が減少しています。

もちろん、絵本を含む児童書などの子ども向けの出版物も影響は受けていますが、同時に新たな需要も生まれています。

需要が増加する理由
  • ブックスタートによる事業拡大
  • 子ども向けのインターネットコンテンツが少ない
  • 小さいうちはスマートフォンやタブレット端末・ゲーム機よりも本を与えたいという親や祖父母世代の意向

ブックスタートとは赤ちゃんとその親に絵本や子育て情報などが入ったブックスタート・パックを渡し、絵本を介して心ふれあうきっかけをつくる活動のことを指します。

市の赤ちゃん検診などで配るところもあり、需要が高まっています。

また、子ども向けのインターネットコンテンツがまだ少なく、一般の書籍ほど影響を受けていません。

小さいうちは、スマートフォンやタブレット端末・ゲーム機よりも本を与えたいという親や祖父母世代の意向もあり、絵本に対する消費はこの不況にありながら、新しい需要を広げています。

人気の作家に注目が集まり仕事も集中する傾向にはありますが、絵本の需要を踏まえ出版社も力を入れるところが増えてきているため、絵本作家として活躍するチャンスはあるといえるでしょう。

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絵本作家の将来性

絵本は出版業界において、もっとも一度の発行部数が少ない書籍のひとつです。

絵本の需要は大きいとはいえ、ヒットを飛ばしているのは何年も売れ続け、定番化された作品に限られます。

絵本作家という職業だけで生活が成り立っている人は、ごく一部の人気作家のみで、イラストや挿絵の仕事を兼業しています。

将来的になくなることはないですが、絵本作家を本業として生活するにはまだまだ難しいのが現状です。

絵本作家として期待される活躍の場

絵本の種類
  • 大人向け絵本
  • 育児グッズとしての絵本

大人向け絵本

近年は子どもだけでなく大人向けの絵本にも大きな需要があります。

文字がなく絵から読み取る絵本、子育て世代に寄り添った内容の絵本、ブラックユーモアに富んだ絵本など内容はさまざまですが、美しいイラストやシンプルな内容が受けているようです。

子ども向け絵本が好調な中、こうした大人向けの絵本の需要は今後も拡大していくと考えられており、アートのジャンルとしても発達していくと予想されます。

育児グッズとしての絵本

これまで絵本と言えば、大人が子どもに読み聞かせ内容やコミュニケーションを、一緒に楽しむエンターテイメント的要素が強いものとして考えられてきました。

近年は、育児をするのに便利な「育児グッズ」「育児ツール」としての需要が増えてきています。

『おやすみ、ロジャー』という本は心理学的な効果を取り入れ、たった10分で子どもが寝るという寝かしつけのツールとして大ヒットしました。

また、『絵本 地獄』は千葉の旧安房郡延命寺にある秘蔵地獄絵巻をもとにした本格的な内容でありながらも、漫画家の東村アキコさんが描いた育児漫画で「うちの子はこの本のおかげで悪さをしなくなりました」と紹介されたことから「しつけに最適」と一大ブームとなりました。

このように読み手となる大人が欲しい・使いたいと思う絵本はこれからも増えていくと考えられ、大人が育児のための便利なツールとして絵本を使う場面も増えてくるでしょう。

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「絵本作家の需要・現状と将来性」のまとめ

絵本の需要は高く、子どもが読むだけのものから、親が育児に取り入れていくツールへと広げていることがわかりました。

求められていく絵本は、今までよりもさらに幅広い内容が求められるでしょう。

こうした現状を認識していくことは、デビューするためには必要なことであり、絵本作家デビューへの道が近づきます。