ディスパッチャーと航空管制官の違い

空港では実にたくさんの人が役割分担をして働いていますが、なかでも「ディスパッチャー」と「航空管制官」は、いずれも安全なフライトを実現するために欠かせない職業です。

ここでは、似ているようで異なる両者の仕事内容や役割の違いについて、紹介していきます。

仕事内容の違い

すべての航空機はただ好き勝手に飛んでいるわけではなく、高度や経路など、事前にしっかりと練られた計画通りに飛んでいます。

ディスパッチャーのおもな仕事は、この天候などの情報を基にした「フライトプラン」を作成し、機長とミーティングを行って、航空機の安全なフライトを計画すること。

また、フライト中には機長と無線で交信し、天候や航空機の状態を確認しながら、目的地まで安全に辿り着けるように誘導していきます。

航空機の運航を管理していくことから、ディスパッチャーは「運航管理者」と呼ばれることもあります。

一方、航空管制官の仕事は、地上から航空機内にいるパイロットに対して離着陸の許可や滑走路への誘導などを行い、空の交通整理をすることです。

空では無数の航空機が飛び交っているため、きちんと交通整理をしなければ衝突してしまったり、予期せぬトラブルに見舞われる可能性もあります。

こうした事態を避けるために、航空管制官は地上からレーダーを使って航空機の位置や状態を把握し、無線を使って指示を出し、航空機の安全なフライトをサポートしています。

航空管制官の仕事

所属の違い

ディスパッチャーと航空管制官の大きな違いの一つは、所属先の違いです。

ディスパッチャーが航空会社や航空会社の関連会社に勤める民間企業の社員であるのに対し、航空管制官は国家公務員です。

航空管制官になるためには、航空管制官採用試験に合格して採用され、航空保安大学校で研修を受けたのち、全国の空港や航空あるいは交通管制部などで訓練を積む必要があります。

一方、ディスパッチャーになるためには、ディスパッチャーを募集する航空会社や運航管理を専門に行う会社の就職試験を受け、社員として採用される必要があります。

ただし、航空会社の中には「総合職」として募集をかけているところもあり、必ずしも運行管理の仕事に携われるとは限りません。

また、ディスパッチャーは国家公務員ではありませんが、ディスパッチャーになるためには就職後、2年間の現場経験を積み、「運航管理者技能検定」を受けて資格を取得しなくてはなりません。

資格取得後はさらなる実務経験を積み、社内審査をパスすることで、ようやく一人前のディスパッチャーとしてデビューすることができます。