造作大工の仕事

一般的な大工は造作大工でもある

大工というと、一般には木造の建物を骨組みから仕上げる一歩手前までやる「町大工」が一般的ですが、この町大工は「造作大工」も兼ねている人が多いです。

「造作」とはその名のとおり物を作ることをいいますが、建築の場合の造作とは、室内装飾となる仕上げや下地を、材料から組み上げて作るようなことを指します。

つまり、「造作大工」とは室内における形づくりを専門にやる大工ということになります。

ただし、造作大工はこれだけをやっていては勤まりません。

というのは、骨組みから造作の仕込みをするような場合もあったりしますし、そもそも骨組みをしっかり理解することが、造作大工の基本ともいえるからです。

専門でやる方がいるとすれば、ある程度お年を召した大工さんで、体力は落ちたものの技能や経験が抜群にある方などです。

こういう方は、高所作業や力仕事は勇退しながらも、和室などの高度な造作を続けることができます。

大工の醍醐味! 和室の造作

造作大工の活躍の場は、一般的な洋室よりも和室です。和室は、木材をそのまま見せ、その木組みの美しさを楽しむ空間だからです。

たとえば、天井にしても板張りもあれば格天井もありますし、もっと豪華になると船底天井もあります。

壁も柱を見せたうえで、鴨居・長押・落し掛けといった部材を組み合わせて変化を持たせますし、床の間や違い棚といったものまで作れれば、それだけで大工として一流とされます。

このように、たくさんある木の部材をカンナ掛けしてきれいにし、釘や金具を表に見せずに組み上げ、美しく仕上げていくのです。

これぞまさしく大工の醍醐味といえる仕事でしょう。

また、近年では健康志向の高まりもあって、洋室であっても床を無垢材(天然目の床材)にしたり、天井や壁の一部に木の板を貼ってデザイン性も兼ねたり、カウンターに高級天然木を使ったりと、造作が増えているものも多く見受けられます。

このような仕事はどんな大工でもできるというわけではなく、腕のある職人に限られてきます。

その「腕」がある大工を「造作大工」と呼びますので、一般的な町大工さんを「造作大工さん」と呼ぶと悪い顔をしないことがほとんどなのです。