棟梁の仕事、役割

現場を統率するリーダー

棟梁の役割は、現場を統率するリーダーです。平たく言えば、チーフやマネージャーといった役割です。

特に、建方(骨組みを1〜2日でいっぺんに組み上げる作業)は、綿密な段取りと手際のよい現場さばき、指示が必要とされますので、棟梁デビューしたての頃は緊張するものです。

荷物の入荷や重機の手配、とび職や足場組みなどの段取りもすべて棟梁が付けることになりますので、そのプレッシャーは半端ではありません。

ただ、これが成功して建前(建方が終わって屋根の棟が上がった際に行うお祭り。地域によっては屋根からモチやお菓子をまいたりする。)があると、棟梁が施主(お客さま)にもっとも感謝される存在となりますので、喜びもひとしおでしょう。

建方が終わってからの仕事でも、棟梁の役割は重要となります。

単につくっていればいいのではなく、仕事の段取りや安全管理、仕上がりのチェックや後輩の指導など、その役割は多岐にわたります。

このように、一にも二にも棟梁がいないと現場が回らないのです。

元請業者の現場代理人(現場監督)も常駐することはほとんどないので、棟梁が頼れると現場の周りもスムーズで、仕上がり・品質も良くなる傾向にあります。

それくらい、棟梁の質というのは木造の建物にとって重要となってくるのです。

一人前への登竜門

大工にとって棟梁とは、一人前への登竜門です。これを経ずして一人前の大工にはなれませんし、棟梁の経験を豊富にこなしてはじめて一流の扉が見えてくるものです。

大工は一般的に、未経験や若年の頃は丁稚奉公・見習いのような世界です。これが厳しいと取られることもありますが、人命を守り、生活の基盤となり、一生分の財産となる建物をつくる主となる職種ですから、それくらいの厳しさは必要です。

この厳しい時代を経て、建築現場を統率する役割である棟梁を任せられると、一人前への階段を登れることになるのです。