大工に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

大工に向いている性格・適性

身体も頭も使える人

大工は、肉体労働が中心となるいわゆる「ガテン系」の職業であることは間違いなく、炎天下のなかで何時間も作業を続けられる体力や、重い建築資材を日に何度も運べる筋力が必要です。

しかし、身体だけ屈強であればいいというわけでもなく、設計図面を読み解いて段取りを組んだり、必要な木材を積算して効率のよい切り出し方を考えたりと、頭も使います。

二次元で書かれた図面を基にして、頭のなかで三次元の立体を思い描くための空間認識能力も必要です。

とくに近年では、「CAD」と呼ばれる設計ソフトを使って自分で図面を引いたり、エクセルで行程管理表を作成して、工事の進捗状況を管理・報告することまで求められるケースが増えています。

大工は、職人の世界であるものの、ほかの業界と同じように、急速な勢いでハイテク化・IT化が進展しています。

身体だけでなく頭も使えるという、バランスの取れた人が大工に向いているでしょう。

柔軟な発想のできる人

建築作業は、基本的には建築士が作成した図面に則って行われますが、実際の工事が何もかも机上で引いた図面通りに進むわけではありません。

現場で実際に組み立ててみると、図面通りにうまく納まらないこともめずらしくなく、とくに階段などの複雑な造作では、図面が合っていても寸法の関係で組み立てられないことがよくあります。

また、現場で作業する前に事務所で図面を見た段階で、なんらかの不具合に気付くこともあります。

そうしたとき、大工は設計者や施主(せしゅ)に対して、問題点を指摘し、代替策を提案しなければなりません。

このため、大工には、図面をそのまま鵜呑みにするのではなく、問題にいち早く気付き、柔軟な思考で代わりのアイディアを思いつくことのできる、頭の柔らかい人が向いています。

あわせて、自身のプランをわかりやすく説明できるプレゼン能力もあると尚よく、有能な大工として活躍できるでしょう。

チームワークが得意な人

建物は、大工一人で建てられるわけではなく、大工が担当するのはすべての工程のうちの一部にすぎません。

内装は左官職人や内装業者が担当しますし、配線工事をするのは電気設備業者の仕事で、足場を組み立てるのは足場職人の役目です。

建築現場では、勤め先も役割も個々に異なる多くの人が出入りすることになり、全員で協力しながら建物の完成を目指します。

そのため、大工には協調性が必要であり、チームワークの得意な人は大工に向いています。

たとえば部活動や地域のスポーツクラブに所属し、球技など団体競技の経験がある人は、大工としての適性があるでしょう。

大工になるには

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大工に必要なスキル・能力

忍耐力

大工は、覚えなければならない知識や身につけなければならない技術が多く、一通りの作業をこなせるようになるには最低3年、一人前と認められるにはおよそ10年かかるといわれています。

しかし、新しく大工の道に入った人のなかには、夏の暑さや冬の寒さ、雑用の多さ、指導の厳しさなどに耐えられず、かなり早期のうちに辞めてしまう人も少なくありません。

とくに若手のうちは、慣れないことばかりでつらい思いをすることも多いかもしれませんので、大工には忍耐力が必要です。

粘り強く食らいついていけば、体力がついて暑さや寒さにも慣れますし、徐々に周囲からも認められるようになります。

統率力

厳しい修業期間を乗り越えて、一人前とみなされるようになると、大工はやがて棟梁として、監督に代わって建築現場全体を指揮する立場になります。

各大工の年齢や性格、技術の上手い下手はさまざまですし、また上述の通り、大工以外の人とも多数関わります。

このため、大工にはコミュニケーションスキルやリーダーシップ、面倒見のよさなども重要であり、視野が広く、統率力のある人ほど多くの人からの信頼を集め、指導者として活躍できるでしょう。

大工に向いていないのはどんな人?

飽きっぽい人

大工としてひとつの技術をモノにするには、長い時間をかけて何度も同じ作業を繰り返し、試行錯誤しながら自分なりのコツを掴んでいくことが必要になります。

まして、他人よりも秀でた技術を身につけようと思えば、気の遠くなるような反復練習を繰り返さなければなりません。

このため、興味の対象がすぐ移りがちで、飽きっぽく、ひとつのことが続かない人は大工には不向きであり、なかなか技術が身につきませんし、大工として大成することも難しいでしょう。

朝が苦手な人

大工は、安全上の問題や騒音などの問題から、現場で作業できるのは日没までの時間帯に限定されます。

終わりがはっきりと決まっているぶん、仕事の始まりがどうしても早くなりやすい傾向にあり、会社員や公務員などよりも、かなり朝早くから働かないといけません。

したがって、朝が苦手な人は大工に向いていないといえます。

低血圧など体質的な問題もあるかもしれませんが、朝早く起きるには、結局のところ前日にきちんと早めに就寝することが大切です。

そういう意味では、ついつい夜更かししてしまう自己管理のできない人も、大工に不向きといえるでしょう。