大工の見習い・弟子入り・修行

修行は長期間にわたることを覚悟せよ

大工に限らず、職人と呼ばれるすべての職業は一人前として認められるまでかなり長い期間を要するのが常識です。

具体的な数字としては個人差はありますが、10年位を覚悟しておくべきでしょう。

はじめの2年程度は清掃や物品の運搬などの雑務、道具の手入れなどが中心になります。

いわゆる大工仕事に携われないことから、中にはこの段階で心が折れ、離職を考える人も少なくありません。

しかし、この期間は実は兄弟子や親方の技術を見て学ぶ貴重な期間であるということができます。

数十種類に及ぶ道具の名称や用途、作業工程はこの時期に先輩の背中から学ぶつもりで作業に従事しましょう。もちろんメモは必須です。

この期間の動きは親方や兄弟子に見られており、今後の修行の進捗にも影響を及ぼすことになります。

請け負う案件によって修行内容もまちまち

言うまでもなく工務店は学校とは異なります。ゆえに必ずしも教科書通りに修行が進むとは限りません。

工務店によっては新築よりも修理等を中心に請け負っていることもあるため、そういったところに就職した場合、更地から建造物を建築する機会に恵まれず、その技術を学ぶことができないという事態に陥ることもあります。

大工の仕事は木造建造物の建築・修理という極めて広い範囲に及びます。

大工として未経験でこの業界に飛び込む場合、自身が今後手がけていきたい案件を考えた上で、就職先を決定することが望ましいといえます。

収入面で苦労する可能性も

大工の給料は日給換算である場合がほとんどであり、見習いの場合は7000円前後が主流になります。

縁故等で就職した場合はこれを下回ることも少なくありません。また天候や工期によっては月に休工日が重なることもあるため、見習い期間中は収入が安定しないことを覚悟しておきましょう。

この期間はまさに修行だと心得、娯楽等は最低限にとどめた生活を送る必要があります。

実際、技術の向上のために休日も出勤したり、各種講習会に出向いたりすることが多くなってくるはずです。

また大工の朝は早いため、次の日のことを考えて早々に帰宅し就寝するといった生活サイクルになる人がほとんどなのです。

また、工務店の多くは寮を完備しており、見習いは優先的に入寮できるため、光熱費の心配もないといえます。中には食事付きのところもあるようです。

収入が少ない一方で支出も低く抑えられるのが大工の修行生活であるという見方もできます。

怪我に気をつける

修行中の大工に親方や兄弟子が一番望むこと、それは「怪我をしないこと」です。

怪我をしないということは仕事に穴を空けないということにもつながります。結果、修行の進みが良くなるだけでなく、周囲からの信頼を得ることにもつながります。

また、安全な現場を維持するために努力している会社全体の輪も乱さずに済みます。

怪我をしないことは当たり前のことでありながら、最も重要なことでもあるため、修行中の立場であっても十分に注意しながら作業に当たることが必要不可欠であるといえるでしょう。

現場が学びの場

今はベテランと呼ばれる大工であってもかつては修行をしていたわけです。

すべての大工が現場で先輩から技術を学んできました。大工にとっての学びの場は他でもない現場なのです。

最近では若年者の大工離れが深刻化しており、次世代を担う職人の減少が懸念されています。この事態を受けて、大工業界全体が若手の育成に力を入れています。

大工の求人を見ると「未経験者歓迎」「見習い募集」「ゼロから丁寧に指導します」等の文言を多く目にすることができるでしょう。

これから大工を志す若者にとっては就職活動がしやすく、やる気次第で多くを学べる環境が整った時代であるといえます。