大工の独立・開業

志願者のほとんどが独立希望

工務店の入社面接では将来的に独立を考えているかどうか尋ねられるのが一般的です。

その際、独立希望を考えている面接者はほぼ100%に近く、若年者においてとくにその傾向が顕著であるといわれています。

もちろん、一人前として認められた暁には独立するチャンスが得られるという点は大工の大きな魅力の一つです。

しかし、せっかく独立し個人事業主となっても経営が思うようにいかず、結局廃業し、雇われに戻るというケースが後を絶ちません。

この原因の一つに明確なビジョンなく独立してしまうことが挙げられます。

ただ収入を上げたいというだけの安易な発想からの独立はほぼ失敗に終わると考えていいでしょう。

自身の武器は何なのか、直接客から施工依頼を受けたいのか、または工務店やハウスメーカーの下請けを中心に行うのか、どのくらいの規模の案件を請け負うのか…。

独立前にはっきりとさせておきたい条件は多岐にわたっています。

無駄な資金や手間をかけないためにも独立には熟考が必要です。

技術力と人脈が大事

大工の仕事を続けていく上で取得していく資格はいくつもあります。

もちろん、資格はないよりはあった方がよいですが、ないからといって独立の弊害になることはありません。

常に資格の看板を掲げて仕事をするわけではないので当然のことです。

ただ、このタイミングで資格を一つも持っていないということはありえないため、必然的にある程度の資格を所持して独立を決意することになるでしょう。

それより必要なのは技術力と人脈でしょう。この二つが一定水準を越えれば独立の時機であると判断してもよいかもしれません。

一人親方と工務店の開業とは違う

一人親方と工務店の開業、どちらも事業主であることに変わりはありませんが、両者似て非なるものです。

一人親方というのは呼び名の通り、一人で作業すること大工のことをいいます。

したがって、人を雇う必要はありません。仮に新築の施工依頼を受けた場合、棟上等の一人ではできない作業の際は応援という形で一時的に職人を使います。

もちろん日当の支払いは生じますが常時の雇用ではないので、給料計算や源泉徴収などの手続きが不要です。先方からの請求書通りに支払えばいいわけです。

一方、工務店を開業するとなると、500万円以上の工事を請け負う場合は建設業の許可を取得しなければなりません。その取得に約20~30万円ほどかかります。

しかし工務店を開業したからといってすぐに職人を常時雇用する必要はありません。

はじめのうちは小規模工事から手がけていき、徐々に会社の規模を大きくしていくことになるでしょう。

はじめから大規模工事を手がけるあてがあり、職人を雇う場合などは開業資金として国民金融公庫を利用する場合が多いようです。

前述のように独立に対するはっきりとしたビジョンを持っておけば自身がどちらの方向に進んでいくのかも自ずと明確になるでしょう。