大学職員の役割

魅力あるカリキュラムを自分たちで作る

小学校から高校までは、文部科学省の指導要領があり、勉強する教科はどの学校に行っても同じです。

内容も、進み方の差がある程度で、中身はほぼ共通です。教科書も、定められたものの中から選ぶことになっています。

ところが、大学はこれらすべてがそれぞれの大学の「自由」です。

そこで、各大学の特色や時代に合ったカリキュラムをめざして、大学が独自に企画をしますが、その企画を中心になって引っ張っていくのが大学職員の大きな役割です。

学科が新設されるような場合は、大学職員の力量の見せどころです。学生の「入学〜卒業」までのシナリオをつくるのは、大学職員だからです。

どんな学生を集めたいのか、そのためにはどんな選考をするのか、入学後、何を学ばせるのか、どのように単位を認定するのか、留学やインターンシップはどう認めるのか、そして、卒業時の進路は…など、考えなければならないことは数多くあります。

もちろん、理事会が方針を立て、教授陣は意見を出しますが、具体的な取組を考え、実務をし、新しい学科を世に出していくのは大学職員の役割なのです。

「営業」のような役割も

既存の学科についても、ずっと同じカリキュラムというわけには行かず、絶えず見直しを行い、良い学科にしていくことが大学職員の役割です。

学生にとっては楽に卒業できるのが良い学科かもしれませんが、職員にとっては「学生がたくさん集まること」「卒業生の就職率が高いこと」が良い学科の条件です。

大学において、学生募集に責任を持つのが大学職員で、各学科が定員割れしないようにすることはもちろん、大学をPRし、たくさんの受験者を集め、優秀な学生を入学させることができるかどうかが、大学を発展させていくカギとなるのです。

これは会社において売上に責任をもつ「営業」と同じような役割といえるかもしれません。

大学改革で、旧態依然の組織に切り込むことも

大学のカリキュラムは全部、教授が作っていると思っていた人もいるかもしれません。

ところが、実態としては、改革に協力的な教授陣もいれば、残念ながら、保守的な組織で、あまり関心を持っていないような方もいます。

よく、医大を舞台にしたようなドラマで、硬直した組織に挑む若手の主人公が描かれることがあったりしますが、現実では大学職員がその役割を担います。

7年ほど前から政府が大学改革の義務化を打ち出したこともあり、現在ほとんどの大学で授業改革が進められています。

たとえば、予備校の人気講師の授業に慣れた学生たちの、もっと講義を面白くしてほしいといった要望に対して、教育効果の高い少人数のゼミやプレゼンテーションの授業を取り入れるといった対応を行います。

ただし、授業改革に対しては大学によって温度差があり、教員相互に「授業参観」をしましょうという取組をとっても、権威ある先生に話をするのは難しいという場合もあります。

一方で、職員がITを駆使して授業の理解度テストや満足度調査を統計的に行っている大学もあります。

また、ユニークなものでは講義の映像を学生側を映して撮影し、学生がきちんと教員に視線を向けているか、寝ていないか、学生が笑った回数などから面白い授業ができているかを画像解析によって研究する、などという取組もあったほどです。

大学職員に学生に近い新鮮な発想と熱意、ITなど新しいテクノロジーを取り入れる能力があれば、きっと多くの学生が受けたくなる授業、行きたくなる大学が実現できることでしょう。