大学職員と大学教員の比較

教員はスペシャリスト、職員はジェネラリスト

大学教員と職員について、まずは職務内容を比較してみましょう。

教員は、「教育・研究」という同じ業務を担う集団であり、専門分野が変わることは通常はありません。

これに対し、職員は、大学のさまざまな業務を経験させることにより幅広い視野を持つ職員として育成する目的があり、一定期間を経ると職場を「異動」し、担当業務が変わるのが一般的です。

職員の業務

職員の業務には、大きく分けて以下の3つの分野があります。

総務系

式典や主要な会議の運営、規程等の管理、学長等の秘書的業務の他、他の部署に属さない業務

総務系の業務は学内の役職者や教員が主な対象であり、管理的業務や連絡調整の役割が重視されます。

会計系

学納金の徴収や各種の支払、経費の運用計画や施設の維持管理

会計系は、主に学外の業者等を対象とし管理的業務が主体であり、上位の立場となることが多くなります。

学務系

学籍等の管理、学生の修学や生活の支援、入試業務

学務系は教員に頼る部分が相対的に多く、教員の指示を受けて業務を行うことが中心となります。

このように、大学職員は教員の指示を受ける「従属的立場」と教員の活動を規則に照らしてチェックする「管理的立場」の両面を有することが特徴とされています。

教員と職員の昇進方法の違い

大学職員の昇進

では次に、大学職員の昇進方法について見てみましょう。

国立大学の事務職員の場合、新卒採用者は「1級」、次の「2級」の解禁年齢は28歳、「3級」の解禁年齢は36歳となっています。

全職員の約45%が「3級」であり、定年退職者の約4分の1は、定年時の級が3級のままとなっています。

昇進においては、目標管理、能力評価制度の導入が進められているものの、依然として年功序列色が強くみられます。

大学教員の昇進

一方、教員の場合は、助教の平均年齢が39.3歳、講師43.3歳、准教授44.9歳、教授54.9歳(東京大学・平成21年度)といった統計が出ています。

国立大学の教授は公募制になっているため、同じ大学で助教→准教授→教授に昇進できる保障はありません。

研究実績を上げ、自力で次のポストを探す必要があるのです。

終身雇用制度の上に成り立っている職員と比べて、大学教員のキャリアプランはシビアなものといえるでしょう。

教員と職員の人数の比較

教員と職員、人数はどちらが多いのか、比較してみましょう。

たとえば東北大学の場合は、教員は2,571名で職員は2,400名、職員÷教員の比率は0.93でした。

東京大学では0.85、名古屋大学では0.87、一方、私立の東海大学では教員1,461名に対し職員は2,567名(比率は1.76)と、職員数が教員を上回る結果となりました(いずれも平成15年「グローバル時代における工学系大学院教育」より)。

同調査によると、教職員あたりの学生数(学生人数÷(教員+職員))は、東北大学と東京大学が3.5人、名古屋大学が4.4人、東海大学が7.61人でした。

国立の教職員あたり学生数は、私立よりも少なくなっていますが、これは手厚い指導が必要な大学院生の割合が高いためであるといわれています。

海外の名門大学では教職員あたり学生数が1〜2名前後の大学もあるので、それでも日本の国立大学の教職員数は決して多いとはいえないのです。

実際、海外の大学(TIMES誌と上海交通大学の大学国際ランキングの両者の100位以内に共通する大学)と比較すると、東大は教員あたり学生数で9位、職員あたり学生数では31位という結果になりました。

教育の質や国際的な競争力を維持していくためにも、教員、職員とも今の人数以上に必要とされていると言えるでしょう。