ベンチャーキャピタルとは(読了時間:4分26秒)

ベンチャー企業が創業から急成長を遂げるには、優れた商品・サービスをいち早く市場に送り出し、新しい市場を作り上げる必要があります。

その実現には戦略を実行する人材や設備の確保、積極的なマーケティング活動を行うための資金が不可欠です。

ベンチャー企業が資金を得る方法はいくつかありますが、最近ではベンチャーキャピタルから投資を受ける企業が増えており、スタートアップの大型資金調達が話題になることもしばしば。

ベンチャー企業へ投資を行うベンチャーキャピタルとは、一体どのような会社なのでしょうか。投資方法や仕組みについて解説します。

ベンチャーキャピタルの意味

ベンチャーキャピタルとは、未上場(株式公開前)のベンチャー企業に対して投資を行う企業のことです。

キャピタル(capital)は日本語で「資本」と訳され、事業のために運用・所有する資産(もしくは金銭)のことを意味します。

ベンチャーキャピタルは、企業への投資と引き換えに公開前の株式を所有します。

ベンチャーキャピタルが投資を行う目的は、上場後に株式を売却するか、M&Aなどによって企業を売却することによって利益を得ること。

そのため、成長や拡大が期待できる将来有望な企業に対して行われることが一般的です。

売却によって得られる利益は「キャピタルゲイン」と呼ばれます。

2つの投資タイプ

ベンチャーキャピタルはベンチャー企業に対して投資を行いますが、その方法には大きく2つの種類があります。

1つ目の「ハンズ・オン型」は資金以外に経営のサポートも行う形式です。

ベンチャーキャピタルから取締役やオブザーバー(決定権はないが、第三者として客観的に経営状況を観察し、意見を述べる立場の人)を企業に派遣し、経営者に対する支援を行います。

もう1つは「ハンズ・オフ型」。

ハンズ・オフ型の場合は、資金のみを提供し、経営に対するサポートや口だしは行いません。

ベンチャーキャピタルの仕組み

ベンチャーキャピタルから提供される資金は、銀行などの金融機関から受ける融資とはまったく性質の異なるものです。

銀行からの融資は、企業の信用や担保が十分でなければ資金を得ることすら難しい場合があります。

また融資を受けられたとしても、利息を含め返済の義務があります。

一方、ベンチャーキャピタルから得た資金の場合は、返済を行う必要がありません。

ベンチャーキャピタルの目的は利息を得ることではなく、上場後の株式売却や企業自体を売却することによって利益を得ることだからです。

そのため企業が投資を受けるためには、経営者のビジョンや自社にある技術力など、事業の将来性が投資家にとっていかに魅力的であるかが重要です。

ベンチャーキャピタルの資金

ベンチャーキャピタルが企業に投資する資金にも種類があります。

(1) 自己資金:ベンチャーキャピタルが保有する資金や金融機関などから借り入れて用意した資金

(2)ファンド(投資事業組合)の資金:ベンチャーキャピタルがファンドを運営し、投資家から募った出資金

企業が資金の種類によって影響を受けることはありませんが、(2)の場合にはベンチャーキャピタル自身も投資家に対して、企業を上場させる責任を負うことになります。

ベンチャーキャピタルとファンドの違い

ファンドとは、機関投資家や個人投資家から資金を集めて運用を行う、投資を事業とする組織のことです。

ベンチャーキャピタルもファンドの一部ですが、ベンチャーキャピタルの場合は、投資対象をベンチャー企業に絞って事業を行っていると考えればよいでしょう。

また資金の種類で解説した通り、ベンチャーキャピタル自身がファンドを運営することもあります。

ベンチャーキャピタルから資金調達をするメリット・デメリット

創業から早い段階で成長を拡大させるためには、人材の確保や設備投資、サービス開発などに必要となる資金の調達が求められます。

近年ではベンチャーキャピタルから資金を調達するベンチャー企業が増えており、創業時からIPO(上場)を目指す企業も珍しくありません。

資金調達はベンチャー企業にとって欠かせない重要課題ですが、ベンチャーキャピタルから投資を受けるとどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

ベンチャーキャピタルのメリット

(1)信用や担保に関係なく投資を受けられる
ベンチャーキャピタルは事業の将来性を見極めて投資を行います。

そのため創業からの年数や実績に関わらず、資金を調達することができます。

(2)返済の義務がない
融資ではなく投資のため、調達した資金を返済する必要がありません。

(3)経営サポートを受けられる
ベンチャーキャピタルも自社の利益を最大化させるために、投資先企業の成長を強く望んでいます。

ハンズ・オン型の場合はベンチャーキャピタルが経営に参画するため、事業を成長させるための支援を受けることができます。

ベンチャーキャピタルのデメリット

(1)思い通りに経営できなくなる可能性がある
出資を受けるとベンチャーキャピタルが筆頭株主になるため、経営の自由度は下がることになります。

また事業の成長が芳しくなければ、最悪の場合には経営者の座から外される可能性もあります。

(2)ゴールするまで責任を全うしなければならない

ベンチャーキャピタルのゴールは、上場もしくは事業売却によって利益を得ることです。

そのため出資を受けると、ゴールするまで走り続ける必要があります。

また想定通りにゴールができない場合、ベンチャーキャピタルは資金回収のために第三者へ株式を売却する可能性もあります。

日本におけるベンチャーキャピタル

日本では1963年、政府系のベンチャーキャピタル3社の設立によって国内におけるベンチャー投資がスタートしました。

その後は、銀行や証券会社など金融機関によるベンチャーキャピタルが設立され、現在では民間企業や大学系のベンチャーキャピタルも存在しています。

同じベンチャーキャピタルでも、出資者によってすみわけがされており、親会社を出資者として運営する事業会社のベンチャーキャピタルは「CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)」。

独自の資金調達によって運営するベンチャーキャピタルを「独立系」と呼んでいます。

業界団体「日本ベンチャーキャピタル協会」

ベンチャーキャピタルの業界団体には「日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)」があります。
JVCAには、ベンチャーキャピタル、CVC、賛助団体など多数の会員企業・団体が所属。

JVCAは日本におけるイノベーションを推進するために、産学連携や海外機関との連携、起業家支援、教育活動などを行っています。

ベンチャーキャピタルの先進国であるアメリカでは、シリコンバレーを中心に多くのスタートアップが投資を受け、創業からわずか数年の間に世界中でイノベーションを起こしています。

「イノベーション」というキーワードが注目を集めるようになって以降、日本においても少しずつ変化が起きているようです。

これまでさまざまな規制や商習慣などを理由に、日本はベンチャー企業が育ちにくい環境といわれていました。

ところが最近では投資家に対してプレゼンテーション行う「ピッチコンテスト」が話題になることが増え、ベンチャー企業に対する投資額も増加しています。

今後日本から世界へと羽ばたく企業を生み出していくためには、スタートアップやベンチャー企業を取り巻くエコシステムのさらなる発展が欠かせないのではないでしょうか。

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