ビジネス用語職業安定法とは(読了時間:3分8秒)

職業安定法、略して職安法。 あまり耳にしたことがないし、何やら難しそうです。 職業安定法は、多くの人にとって、なじみのないものですが、知っておくと、就職・転職活動する際、ちゃんとした企業かどうかを見極めるのに役立ちます。

職業安定法(職安法)とは

職業安定法とは、主に、求人や「職業紹介」について定めた法律です。

ここで言う「職業紹介」とは、就職・転職希望者と求人中の企業をマッチングさせ、雇用にいたるようにすること。

職業紹介を行っているのは、人材紹介会社や転職エージェントなどの民間の職業紹介事業者や、国が運営する「ハローワーク」(公共職業安定所)などです。

職業安定法は、企業が求人をしたり、職業紹介事業者が職業紹介をしたりする際に公開しなければならない情報や、行ってはいけないことなど、守るべきルールを決めた法律なのです。

職業安定法の主な内容

それでは具体的にどんな求人・職業紹介のルールがあるのか、主なものを紹介してみましょう。

合わせて、就職・転職希望者が押さえておきたい「労働者供給と人材派遣の違い」にも触れていきます。

企業や職業紹介事業者が守らなければならない「求人・職業紹介のルール」

(1):職業紹介事業者は許可、届出の必要あり
職業紹介事業者は、厚生労働大臣の許可を受ける、または届出をする必要があります。

(2):労働条件をはっきり示す
就職・転職希望者に、仕事の内容、労働契約の期間、勤務地、勤務時間、賃金などの労働条件を明確に示さなければなりません。

(3):個人情報は必要なものだけ
就職・転職希望者の個人情報については、業務の目的達成に必要なものに限って、収集・保管・使用が許されています。

(4):就職・転職希望者からの手数料徴収、禁止
特定の職業以外は、就職・転職希望者からの手数料、報酬などの徴収は、禁じられています。

(5):紹介禁止の職業あり
有料で職業紹介を行う事業者は、港湾運送と建設の職業の紹介を禁じられています。

(6):求職・求人の申し込みは、すべて受け付ける
職業紹介を行う者は、企業などからの求人も、就職・転職希望者からの求職も、申し込みがあれば、原則的に全て受け付けなければなりません。

労働者供給と人材派遣の違い

ルールに加え、知っておきたいのが、一部の例外を除いて職業安定法で禁止されている「労働者供給」と人材派遣の違い。

両者を区別するポイントは「雇用主」です。

人材派遣の場合、派遣元(派遣会社)に雇われた派遣社員(労働者)が、派遣先の指示に従って働きます。

一方、労働者供給では、労働者が供給先の指示に従って働く点は派遣と共通していますが、雇用主が供給元とは限らない点が違います。

労働者は供給元に雇われていなかったり、供給元と供給先の両方に雇われていたりするなど、雇用主がはっきりしなことが多くなっています。

雇用主がはっきりしないぶん、事故などが起きた時、誰が責任を取るかがあいまいになり、労働者が困ることになりがちです。

以上が、求人や職業紹介の主なルールです。

これらのルールを頭に入れておくと、求人票や面接で、危ない企業や職業紹介業者を見分けやすくなります。

求人トラブルを避けるためのコツ・お役立ち情報

さて、最後に、職業安定法を踏まえつつ、求人トラブルから身を守るためのコツやお役立ち情報を紹介します。

「ブラック求人」回避策

昨今、求人トラブルで目立つのが、実際とは異なる労働条件で人を集める「ブラック求人」です。

このブラック求人回避策は、以下の通りです。

・はじめに、求人票などの内容を保存しておく
・次に、就職・転職を決める前に、あらためて労働条件を文書で提出してもらう
・最後に、求人票などの内容と文書を比較し、違いがないか、確認する

文書の提出を拒んだり、明確な説明もないまま労働条件が当初の内容と異なっている企業で働くのは見合わせるべきでしょう。

労働条件についての相談先としては、厚生労働省の「労働条件相談ほっとライン」(0120-811-610)があります。

そのほか、面接での不適切な質問など、求人について「おかしい」と感じたら、地域のハローワークなどに相談してみましょう。

職業紹介業者についての情報サイト

一方、職業紹介業者については、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」を見れば、各事業者の許可の有無などがわかります。

→→人材サービス総合サイト

法改正に伴い2018年からは、各事業者の紹介実績なども公開予定なので、事業者の優劣がより分かりやすくなるでしょう。

求人や職業紹介についてのルールを定めた法律「職業安定法(職安法)」。 一度働き始めると、生活のために、キツイ職場でもカンタンに辞められないことがあります。 それだけに、職業安定法と照らし合わせて、企業の良し悪しをしっかり確認してから就職・転職に踏み切るべきでしょう。