ニーズとは(読了時間:4分27秒)

ビジネスシーンでよく使用される「ニーズ」という言葉。

一般的な用語としても使われているため、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

テレビニュースや新聞記事では、「顧客ニーズ」や「消費者ニーズ」などの表現を見かけることもあります。

「ニーズ」は主に欲求などの意味で使われていますが、ニーズの中にも種類があったり、ニーズと同じように使われている別の言葉があったり、日常的に使用する場合には少し曖昧な部分を含む言葉でもあります。

マーケティング用語として定義されている内容を確認し、関連用語も含めて整理しながらニーズの意味を理解していきましょう。

ニーズの意味とは

ニーズは、人のもつ欲求に関するマーケティング用語です。

欲求とは「○○がほしい」「○○がしたい」など、人が何かを求めていたり、必要としていたりすること。

中でもニーズは「必要としているにも関わらず、満たされていない状態」のことを意味します。

「欲求」として捉えられることもありますが、あくまで欲求と現状にギャップがある(=満たされていない)状態であって、明確な欲求に変化する前段階であると理解しておくとよいでしょう。

ニーズはあらゆるところに存在している

ニーズという単語は、テレビや新聞などでも広く使われるようになりましたが、「消費者が求める商品」という意味で捉えてはいないでしょうか。

企業や公共機関の商品・サービス開発における話題などで取り上げられることが多いため、そう理解している方も少なくないようです。

実際には商品やサービスだけでなく、例えば、空腹で何か食べ物がほしい状態は「生理的ニーズ」。

周りから尊敬されることを求めている状態は「社会的ニーズ」と呼び、ほかには個人的ニーズなどもあります。

ニーズは仕事でも日常でもあらゆるところに存在しており、人は精神面にも物理面にもニーズを抱えているのです。

ニーズの中にある「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」

「ニーズ」の意味が、満たされていない状態であることは理解できたと思います。

さらに詳しく解説すると、ニーズには2つの種類があります。

1つはニーズを自覚している状態。

もう1つはその反対で自覚していない状態です。

この2つを区別する場合には、自覚しているニーズのことを「顕在ニーズ」、そうでないニーズのことを「潜在ニーズ」と呼び分けます。

2つのニーズの違いを詳しくみていきましょう。

顕在ニーズ

顕在ニーズは「お菓子が食べたい」や「飲み物がほしい」など、すでに何かを必要としている状態です。

例えば、企業が商品開発などでインタビューを行った際に、「商品に対する不満点を挙げてください」という質問に具体的な回答がある場合は、顕在化したニーズがある状態ということができるでしょう。

潜在ニーズ

潜在ニーズは、ニーズがあることを本人が特に意識していない状態のことです。

「自覚していないのに、ニーズがある」というのは不思議な状況ですが、「必要としていることにまだ気づいていない状態」と理解すると、わかりやすいかもしれません。

潜在ニーズは、満たされて初めてニーズがあったことに気づき、その気づきによって必要だと自覚するようになるのです。

自覚した時点で、それは顕在ニーズへと変化します。

例えば、2006年にゲームメーカー任天堂が発売した体感型ゲーム「Wii」。

当時、任天堂が過去最高益を更新するほど、大ヒットしたゲームです。

Wiiが爆発的な人気を博した背景には、これまでゲームをしなかった人からも支持されたことが大きく影響しています。

本来であれば、ゲームをしない人は顧客ターゲットではありません。

ところが普段ゲームを必要としない(顕在ニーズのない)人にも、「娯楽がほしい」という潜在ニーズがあったということでしょう。

本人も気づいていない潜在的なニーズに対し、これまでのゲームとは異なる楽しみ方を提案したことで、人々の欲求を引き出すことに成功したのです。

「ニーズ」と一緒に使われることが多い「ウォンツ」とは

前述の通り、ニーズは「満たされない状態」を意味するため、ニーズを満たすために行動することまでがセットのように思われがちですが、マーケティングではニーズと実際の行動は別物として考えます。

ニーズから行動に変わる際、「○○がほしい」という具体的な欲求のことを「ウォンツ」といいます。

英語の「Want(s)」からきているマーケティング用語です。

「○○がほしい」の「○○」は具体的な商品やサービスのことで、ニーズがウォンツへと変化することによって購買行動が起こると考えられています。

ニーズとウォンツにどのような違いがあるのかは、具体例で確認していきましょう。

ニーズとウォンツの具体例

例1:「のどが渇いたから、コーラが飲みたい」

ニーズ:のどが渇いた(飲み物がほしい)状態
ウォンツ:コーラが飲みたいという欲求

例2:「キレイになりたいから、エステにいきたい」

ニーズ:キレイになりたいと思っている状態
ウォンツ:エステにいきたいという欲求

2つの違いが理解できたでしょうか。

ニーズとウォンツは混同されやすいですが、ニーズを目的とすると、ウォンツは手段。

態度の変容としては、ニーズ ⇒ ウォンツ ⇒ (購買)行動の流れで変化すると覚えておきましょう。

「ニーズ」の反対側にある「シーズ」とは

ニーズとともに使われる単語は、ウォンツ以外にも存在します。

それが「シーズ」です。

響きがとても似ているため、聞き間違えることがあるかもしれませんが、意味はまったく違います。

シーズは直訳すると「種」のこと。

主に事業開発や商品開発などで使われるマーケティング用語で、企業が自社に保有する技術やノウハウなどを指します。

なぜ、技術やノウハウのことをシーズと呼ぶのでしょうか。

それは自社にある強みが、事業開発や商品開発などにおいて、新しい商品・サービスを世の中に生み出すための種になるという考えから、そう呼ばれているようです。

例えば、シーズをもとに事業領域を拡大している有名な企業のひとつに、富士フイルムが挙げられます。

富士フイルムでは、フィルムの素材であるコラーゲンに関連する技術を活かした化粧品開発やフィルムの現像技術を応用した、ウイルスを早期発見する技術の開発にも成功しています。

このようにシーズをもとに商品やサービスを開発することは「シーズ志向」とも呼ばれます。

シーズもウォンツと同様、ニーズとセットで使われやすい言葉です。

2つの違いは、ニーズが消費者側にあるのに対し、シーズは提供者(社)側に存在している点。

この違いを理解しておけば、混同せずにすむのではないでしょうか。

ニーズは聞きなれた言葉のようではありますが、曖昧な意味で使われているケースが多くみられます。

ニーズとはあくまで「状態」のこと。

欲求と現状との間にギャップが生じて満たされていない状態をニーズと呼びます。

「○○がほしい」という欲求はニーズではなく「ウォンツ」と呼ばれ、ニーズがウォンツに変わることで、購買行動が起きると考えられています。

マーケティングの解説では、ニーズ、ウォンツ、シーズの3つが一緒に使われるケースが多く、頻繁にでてくる用語でもあります。

それぞれの違いをきちんと理解しておけば、事例研究を行う際などにも役立つのではないでしょうか。

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