メセナとは(読了時間:2分38秒)

「弊社では、メセナに積極的に取り組んでいます」

特に、大企業のホームページなどで、こんな文章をよく目にします。

メセナは、企業にとって重要なことのようです。

面接で「当社のメセナについて、意見を述べてください」と質問されても慌てないよう、メセナの意味を知っておきましょう。

メセナとは

メセナとは、企業による芸術・文化への支援活動のことで、社会貢献の一つとして行われます。

芸術・文化といっても、その範囲は幅広く、音楽、美術、文学、科学技術など多様な分野にわたります。

また、支援スタイルは2つに大別されます。

企業が直に支援を行う場合と、企業が設立した財団や基金を通じて間接的に行う場合があります。

具体的な支援内容は、まず直接的なものとしては、コンサートや展覧会など、各種文化活動の主催、美術館やコンサートホールなどの文化施設の運営といったものがあります。

一方、間接的なものとしては、アーティストや文化活動を行うNPOなどへの資金、人手、倉庫や施設などのスペースなどの提供が考えられます。

また、コンテストの実施なども活動の一つです。

このように支援内容は多岐にわたります。

メセナの由来

そもそも日本語の「メセナ」は、芸術や文化の支援を意味するフランス語の「mécénat(メセナ)」からきています。

「mécénat」は、古代ローマの政治家で、芸術や文化の擁護者として知られたガイウス・マエケナスに由来するものです。

マエケナス(Maecenas)のフランス語読みが「メセーヌ」であることから、メセナという言葉になりました。

日本におけるメセナの歴史

欧米では、1950年代から80年代にかけて、メセナを進める組織が多数、誕生し、メセナが積極的に行われるようになりました。

日本でも、1990年に公益社団法人「企業メセナ協議会」が発足、ちょうど当時はバブル景気だったこともあり、企業のメセナが活発になりました。

「メセナ」という言葉も次第に広まっていったようです。

ここから、90年は日本の「メセナ元年」と呼ばれることもあります。

90年代初め、企業1社当たりのメセナ事業費は高額でしたが、バブル経済崩壊後は大幅に縮小しました。

その後、震災や不況の影響はあるものの、ここ数年は増加傾向にあります。

メセナの現状と今後

さて、今や、メセナ元年から約30年。

メセナの現状と今後について見てみましょう。

広がるメセナ

現在、メセナは全国的な広がりを見せています。

まだまだメセナに取り組むのは東京の企業が多いのですが、東京以外の企業でも熱心に取り組む企業が登場してきています。

また、大企業だけでなく、地道に活動を続ける中小企業も少なくありません。

強まる主体性と独自性

最近のメセナは、文化関連団体などへの資金提供といった間接的支援より、企業自ら独自のプログラムを企画・運営する支援が増加傾向にあります。

若手アーティストの育成・支援から、地域の文化振興や教育支援、東日本大震災などの災害被災地支援、事業進出を果たした外国での日本文化紹介など、支援内容も多様化しています。

また、メセナ活動への社員の参加を促す工夫、取り組んだメセナ活動についての評価の実施など、企業活動の一つとして積極的に取り組もうとする姿勢も見られます。

メセナ活況の背景と今後

メセナ活況の背景には、企業の意識変化があると言われます。

多くの企業が、「人々の雇用や商品・サービス提供による社会貢献」だけでなく、社会の文化的側面を支えることも、企業の社会的責任であり、社会貢献の一つととらえるようになってきたのです。

メセナを続けてきた企業の中から、

「第一線で活躍するアーティストを発掘できた」
「地域住民に喜ばれる活動により、住民との信頼関係を築けた」

など、メセナ評価の声も多く聞かれます。

こうしたことから、今後も、メセナは安定的に拡大していくものと考えられます。

メセナとは、企業が行う芸術・文化支援活動を指します。

企業に、社会の一員としての役割や責任が問われる今、企業のメセナへの取り組みは、人々の注目を集めています。

本業の業績には直接関係なくとも、企業の社会的評価や好感度を左右するため、メセナは重要なものと言えます。