看護専門学校とは(読了時間:14分32秒)

看護師を目指す人たちが多く通っている看護専門学校。

そこで勉強していく内容や、卒業後の進路については、あまり知られていないこともあるかもしれません。

このページでは、看護専門学校で学ぶことやさまざまな特徴について紹介していきます。

看護専門学校とは

看護師になるためには、看護師養成課程のある大学や専門学校などで所定のカリキュラムを修了し、看護師国家試験の受験資格を得たうえで国家試験に合格しなくてはなりません。

看護師養成課程のある学校は、大きく分けると4年制の看護系大学、3年制の看護系短大、そして3年制の看護専門学校の3種類があります。

どのタイプの学校を修了しても看護師国家試験の受験資格を得ることができ、看護師国家資格を取得してから病院などの医療機関に就職することで、看護師として働けるようになります。

看護専門学校に通う人たちは、看護師に必要な基礎的なスキルを磨きながら、国家資格取得に向けて勉強をしていくことになります。

3年制の看護専門学校を卒業した場合、4年制の看護大学よりも1年早く現場に出ることになるのが大きな特徴といえるでしょう。

それだけ実務経験も積むことができますし、給料も早くもらうことができます。

また、看護専門学校では専門技術の習得や、現場で即戦力として活躍できる実践力を高めることに力を入れているところが多いとされますが、看護専門学校は日本全国にいくつもあり、学校によって教育方針やカリキュラムには多少違いがあります。

看護専門学校で勉強すること、授業科目

看護専門学校では、看護師になるために必要な知識・技術を身につけていくための授業が行われています。

授業内容を大きく分けると、座学で受ける「講義」と、実践力を高めるための「演習や実習」があります。

講義については、基礎分野として生物学、心理学、論理学、人間関係論などを学び、専門分野になると生化学、栄養学、人体構造、さらに小児や成人など対象者別の看護についても学びます。

また、看護専門学校での大きな特徴としては、臨地実習の時間が多く設けられていることです。

臨地実習では、実際に病院などの医療機関へ行き、患者さんと向き合いながら学校で学んできたことをどう実践していくかを考え、身につけていきます。

医師など医療スタッフと関わる機会も多く、卒業後に看護師としてどう働いていくべきか考えるきっかけにもなります。

さらに、国家試験対策も行われており、確実に合格できるような集中講義や学習サポート制度などがあります。

看護専門学校から目指せる職業・仕事

看護専門学校の卒業後の進路は、やはり看護師として働く人が大半を占めています。

看護専門学校のカリキュラムを修了して国家試験を受け、無事に国家資格を取得したうえで、病院などの医療機関へ就職して看護師として働き始めるのが一般的なルートです。

ただし、看護専門学校を卒業後、看護師以外の国家資格取得を目指していくこともできます。

具体的な方法としては、「助産師」「保健師」「養護教諭」が挙げられ、助産師と保健師であれば、それぞれの養成学校で1年間学ぶこと、また養護教諭であれば大学で募集する養護教諭特別別科に入学し、1年間「養護に関する科目」と「教職に関する科目」を修了することが必要です。

看護師としてファーストステップを踏み出し、その他の資格まで取得すればキャリアの可能性を広げることができます。

看護専門学校の学費、費用

看護専門学校の学費は、学校によってだいぶ幅があります。

年間の学費は高ければ100万円を超えますが、逆に低いところでは50万円程度というところも見られます。

卒業までに必要な学費は、3年間で150万円~300万円程度がボリュームゾーンとなっているようです。

ちなみに学費には、入学金、授業料、実習費、施設設備費が含まれているのが一般的です。

多くの学校では、それ以外に教科書代・テキスト代、実習衣、研修費などが必要になり、年間で少なくとも20万円~30万円程度は別途かかってくると考えておいたほうがよいでしょう。

なお、看護専門学校はカリキュラムが凝縮しているため、あまり時間に余裕がなく、学校によってはアルバイトは禁止されていることがあるようです。

経済的に不安がある場合には、奨学金制度などの学費サポートを活用して学んでいくこともできます。

看護専門学校の就職先、就職率、卒業後

看護師としてのおもな就職先は、大学病院や総合病院、街の医院やクリニックなどさまざまです。

系列の病院がある看護専門学校を卒業した場合には、系列病院へ就職をする人が多くなっているようです。

看護専門学校ではカリキュラムの中で国家試験対策にも力を入れている学校が多く、国家試験の合格率は、高いところだと毎年100%や、100%にきわめて近い数字を誇っているようです。

看護師国家試験は全国平均でも90%程度の合格率となっていますが、それ以上の合格率を残している看護専門学校もたくさんあります。

看護専門学校によって進路にも違いが出てくるため、将来、どういった医療機関で働きたいのかをイメージしたうえで、学校選びをしていくとよいでしょう。

看護専門学校の入試、志望動機、面接

看護専門学校の入試は、「推薦入試」と「一般入試」の2種類が行われる学校が多いようです。

入試では面接が重視されることが多いため、将来どのような看護師になりたいのかや、目指す姿についてよくイメージし、これからしっかりと学びたいという意欲を言葉にしていきましょう。

日本全国にたくさんの看護専門学校があるなかで、なぜその学校へ入学したいのかを明確にすることも重要です。

教育方針への共感、学校の雰囲気やカリキュラムの特徴についてなど、自分が良いと思ったポイントを言葉にしてみましょう。

もし系列の病院がある学校の場合には、その病院に対する思いを述べるのでもよいでしょう。

また、看護専門学校の面接では、看護師という仕事や、医療・看護に対する意見を求められることもあるようです。

医療現場における看護師の仕事内容や役割、自分がどのような看護師になりたいかなどは、日頃から考えておくとよいでしょう。

看護専門学校のオープンキャンパス

看護専門学校のオープンキャンパスは、多くの学校で春から夏の時期にかけて行われています。

オープンキャンパスのおもな内容としては、学校施設の見学、授業見学や体験授業、入試説明会、個別進路相談、在校生との歓談、トークイベントなどが挙げられます。

とくに体験授業については、実際に看護専門学校で行われる授業を体験的に受講することができるため、看護の仕事や、看護専門学校での学びについて深く理解するチャンスになるでしょう。

オープンキャンパスへの参加は基本的に任意であるため、参加しなくても看護専門学校を受験することは可能ですが、学校のパンフレットやホームページ上の情報だけではなかなか見えないところまで見ることができるのは、オープンキャンパスに参加する最大のメリットといえます。

夜間・定時制の看護専門学校

看護師になるための専門学校は全国にいくつもありますが、そのなかで夜間で学べる学校は基本的にありません。

看護師のなかでも准看護師になるための学校については、一部で夜間に授業が実施される学校もあったり、准看護師の資格を持つ人が正看護師になるための学校としては夜間部を置く学校もあるようですが、その数は多くありません。

いわゆる一般的な看護師、正看護師になるためには、おもに4年制の看護大学や3年制の看護専門学校に通う必要があり、専門学校についてはは全日制のカリキュラムとなっています。

ただし、数はきわめて少ないものの「昼間定時制」といわれる学科を置く看護専門学校があり、そこでは朝からお昼過ぎまで、あるいは午後から夕方までなど、全日制よりも1日の授業時間や授業科目は少ないカリキュラムで学ぶことができます。

昼間定時制の看護専門学校は、一般的には4年制となっています。

通信の看護専門学校

現在、正看護師を目指す人を対象とした通信課程の看護専門学校はありません。

まったく看護師の資格を持たない人が看護師を目指していくには、看護師養成課程のある学校(大学・短大・専門学校)で所定のカリキュラムを修了し、看護師国家試験の受験資格を得たうえで、国家試験に合格する必要があります。

正看護師養成課程のある学校のなかで、看護師専門学校は「全日制・3年制」となっており、夜間や通信で学べるところはありません。

ただし、通信課程から看護師になる例外の方法として、准看護師の資格を持っている人が、正看護師を目指していく場合が挙げられます。

この場合、2018年度からは「准看護師として7年以上の経験」によって通信課程への進学が可能となっているため、通信課程を利用すれば、仕事などを続けながらでも自分のペースに合わせて看護師資格を得るための勉強をすることができます。

看護専門学校の倍率

看護専門学校は全国にたくさんありますが、とくに人気が高い学校になると、年度によっては入学試験も高倍率になることがあるようです。

その背景には、そもそもの定員が少ない学校が多かったり、長引く不況や少子高齢化社会などの影響もあり、看護師になりたいと考えている若者が増えていることなどが挙げられます。

とくに大学病院附属の看護専門学校や、都道府県が設置する看護専門学校は、規模の大きさや学費の低さなどから人気が高くなる傾向にあり、入試倍率は10倍を超えることもあるようです。

同じ学校でも、入試方法によって倍率は大きく変わることがあるため、志望校の入試情報をよくチェックしておきましょう。

また、看護専門学校では、書類審査や面接のほか、筆記試験や小論文まで実施されることも多く、筆記試験では国語、英語、数学といった高校で学んだ知識を問う幅広い問題が出題されることがあるため、事前に対策をしておくことが大事です。

看護専門学校の小論文対策

看護専門学校の入試では、受験科目のひとつとして小論文が実施されることがよくあります。

小論文では、たとえば「あなたの理想の看護師像とは」や「高齢化社会における看護の役割」など、特定のテーマに基づいて自分の考えや意見をまとめていくことが問わるのが一般的です。

ときには、掲げられたテーマに対して、自分が賛成か反対かどちらかの立場に立ったうえで、意見を述べなくてはならないこともあります。

医療福祉や人間関係、時事問題など、さまざまなテーマが出題される可能性があるため、日頃から時事ネタには興味を持っておくとよいでしょう。

小論文の対策は、関連書籍などを利用して独学で行うことも可能ですが、看護専門学校への進学を目指す人向けの予備校の対策講座を受講し、小論文のポイントを効率的に学ぶ方法もあります。

そこでは講師の添削を受けることで、自分の書いた小論文のどこがいけなかったのかを早く理解できるのもメリットといえるでしょう。

看護専門学校への編入

その学校に在籍していなかった人が、別の学校の1学年の途中、または2学年以上の学年に入学することを「編入(編入学)」といいます。

看護専門学校の大半が「全日制」かつ「3年制」の学校となっていますが、そのなかで編入制度を設けている看護専門学校はほとんどないようです。

そのため、これから看護師資格取得に向けて学ぼうとする場合には、看護専門学校に入学して、1年生から3年生まで3年間の時間をかけてじっくりと看護師に必要な知識や技術を身につけていくことになります。

すでに高校を卒業していたり、現在は短大や大学などの学校に通っていて、看護専門学校で学びたいと思った場合には、あらためて看護専門学校を受験し直す必要があるといえます。

こうした人は、多くの看護専門学校において「高校既卒・社会人入学」の試験を行っているため、そちらの試験区分にて受験することになるでしょう。

看護専門学校は忙しい? 大変?

看護専門学校の生活は忙しくて大変だといわれることがあるようです。

たしかに、看護専門学校の入学後は看護師になるための専門的な勉強ばかりの日々になりますし、初めて学ぶことは授業を受けて覚えるだけでも精一杯、さらに、そこに課題やテストなどが入ってくると大変だと感じる人も多いでしょう。

とくに年次が上がると、より専門的な授業科目が増え、演習も応用的な内容のものが増えるため苦労することがあります。

さらに看護専門学校で最も大変だといわれるのが医療機関などでの実習です。

実習期間中は、毎日現場の先輩スタッフや患者さんと対峙しながら、実習報告書や看護計画を作って提出しなくてはならず、自宅に帰ってからも予習や復習などにかなりの時間をとられます。

また、テストや国家試験の勉強なども重なってくるため、忙しいと感じる人が多いかもしれません。

看護専門学校のAO入試

看護専門学校の入学試験は、いくつかの選考方法によって行われるのが一般的です。

代表的なのが「推薦入試」や「一般入試」ですが、なかには「AO入試」という選考方法を実施する看護専門学校もあります。

AO入試は、学力や偏差値をもとに入学選抜を行うのではなく、入学希望者の学習意欲や熱意、人柄、学校でのクラブ活動や生徒会活動の実績、将来に対する考え方などをもとに、多面的に評価するものとなっています。

つまり、志望校に入学したいという強い熱意や意欲があること、また志望校のことをよく理解できているかどうかということが、合格に近づくポイントとなります。

また、AO入試では書類審査や面接によって合否が判断されることが多いため、高校時代に頑張ってきたことや得意なこと、将来の目標などについて、自分の言葉でアピールできるようによく考えておくことも重要です。

看護専門学校から大学への編入

もともとは看護専門学校に入学したものの、その後、何らかの理由で看護大学で学びたいと思うことがあるかもしれません。

その場合には、大学の「3年次編入制度」を利用して、大学の3年次から学生生活をスタートさせることができますが、大学の3年次編入試験では「看護専門学校を卒業し、看護師国家試験を受験して合格し、看護師免許を取得しているか、その見込みがある人」を募集の対象としています。

つまり、3年制の看護専門学校を卒業して、看護師国家試験に合格できる人でなければ、3年次編入は不可能です。

最近では、この3年次編入制度を設けている大学は減少傾向にあるため、事前に最新の募集情報をチェックしておく必要があります。

また、合格の難易度も高いため、場合によっては、あらためて看護大学を受験し直すほうが入りやすいという声も聞かれます。

3年制と4年制の看護専門学校の違い

看護専門学校の多くは「3年制(3年課程)」となっていますが、そのなかでも「3年修業」と「4年修業」の学校に分かれます。

「3年課程4年修業」の看護師専門学校では、120単位以上3,400時間以上のカリキュラムを修了した者に与えられる「高度専門士」という称号が得られます(ただし、学校の教育課程が文部科学大臣に認められている必要があります)。

高度専門士を得ることで、国内の大学院の受験資格を得ることもできます。

また、「統合カリキュラム」といって、保健師や助産師の教育課程を盛り込んだカリキュラムの授業が受けられる4年制看護専門学校も存在しています。

一方、3年修業の看護専門学校では、4年制の人よりも早く現場に出て看護師として働き始めることができます。

専門学校の数が多いため、さまざまな学校を比較しながら自分に合った学校を選びやすいというのもメリットですが、4年制に比べると授業や実習がみっちりと入ってくるため、学生生活は忙しくなりがちです。

看護専門学校で取れる資格(助産師・保健師)

看護専門学校で学べば、「助産師」や「保健師」の国家資格取得も目指せるようになります。

ただし、これには条件があり、3年制の看護専門学校では、卒業後、助産師や保健師の養成学校(1年課程)へ進学することによって、助産師や保健師の国家試験受験資格が得られます。

4年制看護大学で学んだ人のように、看護師になるのと同時に助産師や保健師になることはできません。

なお、助産師の養成学校も保健師の養成学校も数があまり多くなく、さらに一つの学校あたりの定員数も少ないため、倍率は高くなりがちです。

そのため、看護師専門学校を出たからといって、簡単に助産師や保健師になれるわけではないという点は知っておいたほうがよいでしょう。

看護専門学校の留年、退学

あるデータによれば、看護専門学校の留年率や退学率は10%を超え、学校によっては20%以上になることもあるとされています。

多種多様な専門学校があるなかでも、この数字は高いほうだといえるでしょう。

看護専門学校が厳しいとされる理由として、必修科目が多いことが挙げられます。

医療や看護に関する専門的なことを一から学び、きちんと理解していくのは簡単ではありませんし、看護専門学校は3年制のところがほとんどであるため、4年制の看護大学に比べてカリキュラムがみっちり詰まっており、忙しい日々を送ることになりがちです。

日々の予習復習、課題、レポート提出に追われ、留年となってしまう人が毎年一定数いるようです。

また、勉強についていけない、人間関係がうまくいかないなどの理由で、自主的に退学してしまう人もいます。

看護専門学校を卒業するには、本人の「学び続ける」という強い意志が求められます。

看護専門学校の受験科目

看護専門学校の受験科目は、書類審査、筆記試験、面接、小論文などで構成されることが多いようです。

書類審査では、入学願書や高校の成績証明書、卒業証明書などの各種書類の内容がチェックされます。

丁寧な文字で読みやすく書き、もし志望動機や自己PRなどを記入する欄があれば、きちんと内容を考えておきましょう。

筆記試験は国語が中心で、感じの読み書きや読解力を問う問題が多くなりますが、志望校の出題傾向を把握しておくことが重要です。

また、合否を大きく左右するのが面接です。

そこでは志望動機や自己PRができることはもちろんですが、「看護」という人の命に関わる仕事を目指す以上、誠実であり、周囲への気遣いや心配りもできる人がプラスに評価されることが多いようです。

小論文が行われる場合には、看護や医療に関するテーマが掲げられ、それに関する自分の考えや意見をまとめるような問いが目立ちます。

基本的な小論文の書き方を勉強しておくと同時に、日頃からニュースをチェックしておいたり、とくに看護や医療については自分なりの考えをまとめておく練習をしておくとよいでしょう。

看護専門学校と看護大学の違い

看護師になるための学校としては、大きく分けると看護専門学校と看護大学の2種類が挙げられます。

どちらを卒業しても、国家試験に合格して病院などへ就職すれば、その後の看護師としての仕事内容にはほとんど違いがありません。

看護専門学校では、看護専門学校では専門技術の習得や、現場で即戦力として活躍できる実践力を高めることに力を入れている学校が多く、3年制の専門学校を卒業した場合、4年制の看護大学よりも1年早く現場に出ることになるのが大きな特徴といえます。

一方、看護大学では一般教養科目があり、教養や人間性を深めるための科目も多く学んでいくことが特徴です。

実践力を育むことに力を入れる専門学校よりも、探究心を持って患者さんや疾患を分析することを一層深く学ぶのも特徴といえます。

また、看護大学によっては卒業と同時に、保健師や助産師の国家試験受験資格を得ることができます。

看護専門学校は根強い人気があり、なかには入試倍率が5倍や10倍というような高倍率になる学校もあるようです。

たとえ同じ看護師になるための勉強をする学校であっても、自分に合う学校選びをすることは、卒業までモチベーションを保ちながら学び続けていくうえでとても大事だといえます。

看護専門学校によって実習内容や雰囲気も異なるため、さまざまな学校を比較してみながら、安心して通い続けられる学校選びをしてください。