業界研究のやり方、方法(読了時間:9分21秒)

業界研究は、就職活動を始めるにあたって欠かせないとよく言われます。しかし、業界研究とは何をすることなのか、まず何から始めればいいのかが見えにくいかもしれません。

業界研究のやり方と、具体的にどのように進めればいいかをまとめました。

業界研究とは?

就職活動を始めるにあたって、自分がどのような仕事に向いているのか整理する意味で、自己分析を行ったほうがよいと言われています。

自己分析は自分のことを知るために行いますが、志望する企業についてはどのぐらい詳しく知っているでしょうか。

世の中には数え切れないほどの職業があります。しかし、具体的にどのような仕事をしているのかよく知らないことも多いのではないでしょうか。

たとえば自動車業界と聞くと、トヨタ自動車や日産自動車、本田技研工業といった企業を連想する人は多いはずです。しかし、自動車産業を支えているのは自動車メーカーだけではありません。

自動車部品の製造や加工には、日産工業やブリヂストンといった企業が関わっています。こうした産業を部品産業といいます。

自動車部品の素材は、新日鐵住金や旭化成、東レといった企業が関わっています。こうした産業を素材産業といいます。

さらに、今後はグーグルやアップルといったIT関連企業が自動車産業に参入し、自動車メーカーと競合するようになる可能性もあるのです。

業界研究では、これまで消費者としての立場からはあまり見えていなかった世の中の仕事についてリサーチし、業界を取り巻く環境や将来性について調べることが目的となります。

こうしたリサーチを重ねることで、社会人として働くことに対するイメージを具体的なものにしていくことができるのです。

なぜ業界研究が必要なの?

就職活動を始めてみると、「世の中にこんな仕事があったこと自体を知らなかった」といった経験をすることがあります。

就職活動の期間は限られていますので、知らないまま見過ごしてしまった業界に、実は自分に向いている仕事があるかもしれません。

業界研究を行う大きな目的として、できるだけ多くの業界について知る機会を持つことが挙げられます。

ただ知らなかったというだけで、挑戦するチャンスを逃してしまわないようにするのです。

さらに業界研究で得た情報は、ゆくゆく企業にエントリーする際に志望動機を書いたり、面接で話したりするときに、自分の言葉で自信を持って話すことにも役立ちます。

このように、「これまで知らなかった業界や会社」の存在を知り、「関心を持った業界について知識を深めていく」ことが業界研究の目的になります。

よって、これまでなじみのなかった業界や、知らなかった会社についても積極的に調べてみることが大切になってきます。

最初はできるだけ幅広くいろいろな業界のことを調べるようにし、特定の業界や有名な企業に偏らないように注意しましょう。

業界研究でまず何を調べればいい?

業界研究を始めるにあたって、まず調べておきたいのは「どのような業界があるか」です。

日本国内にある産業を大きく分けたとき、メーカー、商社、小売、金融、サービス、ソフトウェア・通信、マスコミ、官公庁・公社・団体という8つのグループに分けることができます。

さらに、たとえば「メーカー」の中には食品、建設、鉄鋼、電気機器、自動車などの業界があります。

カテゴリ別に業界を見ていくことによって、世の中にどのような仕事があるのかを大まかにつかむことができます。

このうち3〜5つ程度、関心のある業界をピックアップしておきます。この段階でピックアップした業界がそのまま志望する業界になるわけではありませんので、何となく気になるといった程度でも問題ありません。

次に、業界の規模や景気動向について調べましょう。

たとえば「通信業界 市場規模」といったように「業界+市場規模」で検索すると、インターネットで調べることができます。

業界の将来性や企業ごとの特徴を調べるには?

売上規模や労働者数といった市場規模を調べ始めると、どうしても規模が大きな業界に注目してしまいがちです。

しかし、いまこの瞬間に規模が大きな業界が、今後もずっと好調であり続けるという保証はありませんし、いまは小さな業界でも、大きな可能性を秘めていることもあります。

そこで重要になってくるのが「将来性」という観点です。

現状厳しいと言われている市場動向に対して、何かしらの策を講じて将来に備えている業界かどうか、今後伸びていきそうな分野に関わっている業界かどうか、といったことを調べてみましょう。

この段階まで来たら、いよいよ業界を構成する具体的な企業について調べていきます。それぞれの業界にはどのような企業があるのか、具体的な企業名や各社の特徴を調べましょう。

それぞれの企業のホームページを見ると、「企業情報」などのページで経営理念、社風、主力商品、資本金、株式公開、売上、営業利益、従業員数、会社沿革などを調べることができます。

また、採用情報のページを見ると、その企業が求めている人物像や、入社後のキャリアパスに対する会社の考え方を知ることができます。

もちろん、入社してみないと詳しいことは分からない場合もありますが、事前に集められる情報はできるだけ集めておきましょう。

業界研究はいつから始める?

業界研究をいつから始めるかについては、就職活動全体のスケジュールと大きく関わってきます。

ポイントとなるのはエントリーシートの提出締切の時期です。多くの企業が3月下旬から4月下旬にかけて、エントリーシートの締切を設定しています。

すると、エントリーするためには3月までに業界分析や自己分析を終えておく必要がありますので、ここを基準にスケジュールを組み、業界分析を始める時期を逆算していくのです。

現実的には、1月〜2月に集中的に業界研究を行い、エントリーする予定の企業をピックアップするところまで終えておくといいでしょう。

もっと早く始めておくほうが余裕のあるスケジュールで進められますが、あまりに時期が早いと就職活動への実感がわきにくく、漠然としたリサーチ結果になってしまう可能性もあります。

もし早い時期から業界研究に着手したいのであれば、夏休みや冬休みによく行われるインターンシップに参加するといいでしょう。

インターンシップでは、就職活動をひかえている同世代の学生を交流できたり、実務に近い経験ができたりしますので、就職活動への実感を高めやすいからです。

インターンシップに参加している企業がどのような業界に属しているのか、関連のある業界や近隣の業界にはどのようなものがあるのか、といったことを、少しずつ調べていくのです。

ただし、夏休みの段階であれば、業界研究を本格的に始める必要はありません。あくまで「少しずつ進めておくのがベター」といった程度です。

移動時間や空き時間を利用して、スマートフォンで「業界研究」などのキーワードで検索するなど、少しずつでも就職活動を意識できているかどうかは、後にエントリーシートを作成する段階で大きな差となって表れてくるかもしれないのです。

業界研究にかける時間は?

業界研究には「〇時間かければよい」といった目安はありません。

ただし、さまざまな業界についてほぼ全く知らない状態から、具体的に志望する業界を決め、できればエントリーする企業がおおよそ決まる段階まで進めるということですから、どんなに短くても半月程度は必要になるでしょう。

インターンシップに参加した人の場合、参加した企業や業界へのエントリーを考えるケースが多いため、インターンシップでの体験をもとにある程度の志望理由を考えたうえで、より知識を深めたり正確な情報を得たりするために業界研究を行うこともあるでしょう。

このようなケースでは比較的短期間で業界研究を終えられることも考えられますが、関連業界や近隣業界にも広げてリサーチする時間を考えれば、やはり半月は確保したいところです。

注意しておきたいのは、業界研究を集中的に進める1月〜2月の時期は大学の試験が実施されるため、試験勉強やレポートの準備に追われて業界研究のための時間が取れない、といった事態に陥らないようにすることです。

業界研究はどのようなことをするのか、どの程度の時間がかかるのか、といったことを大まかでいいので知っておき、意識して時間を確保できるように予定を立てておくことが重要です。

業界研究セミナーとは

業界研究の一助として、業界研究セミナーに参加してみるのもいいかもしれません。セミナーには大学主催の学内セミナーや自治体主催のセミナー、企業主催のセミナーといった種類があります。

大学主催のセミナーには、OBやOGから直接仕事内容などを説明してもらえたり、直接質問したりできるというメリットがあります。

自治体主催のセミナーには地元の有力企業が参加しますので、Uターン就職したい人にとっては参加のメリットが大きいでしょう。

企業主催のセミナーは主催企業や参加企業について詳しく知ることができるので、希望する業界や企業が定まっている人が参加する傾向があります。

志望する業界が決まっていない人は、幅広くいろいろな業界の話を聞くことでイメージが具体化しやすくなりますので、大学や自治体主催のセミナーに参加してみるといいでしょう。

合同企業イベントとは

大規模な会場に30社から多いときは100社もの企業が集結して行われるものを、合同企業イベントといいます。

人気企業や有名企業が多数参加するイベントでは、多くの学生が殺到してブースに入りきれないこともあるほどです。

合同企業イベントに参加する最大のメリットは、多くの企業の話をまとめて聞けることでしょう。

参加企業側もできるだけ多くの学生に自社について知ってもらいたいと思っています。

合同企業イベントはあくまで採用選考とは切り離された場ですので、選考とは切り離して自社の説明と質問への回答に徹してもらえます。

ただし、こうしたイベントは気軽に参加しやすいとはいえ、相手は企業の採用担当者や先輩社員ですので、服装や言葉づかいには十分注意しましょう。

服装自由と書かれていたとしても、やはり当日はスーツを着ていくほうが無難です。

説明を受ける際にも社会人への第一歩を踏み出す自覚を持ち、誠実な態度でのぞむようにしましょう。

業界研究ノートの作り方と作るメリット

就職活動における業界研究では、興味を持った企業以外の業界にも視野を広げて調べていくことが大切です。

ところが、このようなリサーチの広げ方をしていくと、情報量はすぐに膨大な量になってしまいます。

調べたはずのことを忘れてしまったり、どの業界のどの企業のことだったのか混乱してしまったりということでは、業界研究に時間を費やした意味が薄れてしまうかもしれません。

業界研究で調べたことは、あとから付け足しや入れかえがしやすいルーズリーフに書いて業界研究ノートを作っていきましょう。

業界研究ノートはあらかじめテンプレートを作り、調べる項目を決めておくといいでしょう。

たとえば、業界、企業名、事業内容、代表者名、本社所在地、資本金、経営理念といったように、基本情報を書き込む欄を作っておきます。

ノートは業界ごとにカテゴリ分けしておき、新たな情報を得るたびに書き加えていきます。

そして、興味のある業界が決まってきた段階からは、その業界の企業についてより深掘りするための企業研究ノートとなります。

エントリー後は、採用選考の進み具合や日時を企業別に書き込んでいくと、就職活動のスケジュール管理にも使えるはずです。

このように、業界研究や企業研究、さらにはスケジュール管理を1冊のノートでこなすことができるメリットがあるのです。

業界研究ノートを作るときの注意点

業界研究ノートを作るときの注意点としては、「完璧を目指さないこと」と「まとめただけで満足しないこと」があります。

「完璧を目指さない」ほうがいいのは、時間がかかりすぎるからです。

業界研究ノートを作り始めると、業界ごとに事細かに調べたくなってきたり、必要以上にきれいにまとめてみたくなったりする人がいます。

就職活動の中で、業界研究に割くことができる時間は限られています。業界研究ノートは自分が見るために書くものですので、作成そのものにあまり時間をかけすぎないようにしましょう。

「まとめただけで満足しない」ほうがいいのは、情報を深掘りし、随時更新していくことに業界研究ノート作成の意味があるからです。

最初はスカスカの状態のノートを用意しておき、調べた情報を少しずつ書き加えていくのです。

最初にひと通りの情報を集めてまとめた段階で満足してしまい、それ以上情報の深掘りをしないということがないようにしましょう。

なお、最近ではスマホで調べた情報をメモアプリにコピペしたり、スクリーンショットで保存しておく人も多いかもしれません。

スマホで調べた情報をわざわざノートへ書き写すことを面倒だと感じる人もいることでしょう。

ただし、業界研究ノートに関しては、あえて紙のノートで作成することをおすすめします。

あとから情報を追加したり、全体を確認したりするためには、紙のノートのほうが使い勝手がよい場合が多いのです。

業界研究で得た知識は、エントリーシートに志望動機を書いたり、面接で話したりする際にも役立ちます。

さらに、入社後に関連する業界や近隣の業界について知るうえで、基礎的な知識としても役立つことがあるのです。

これまで知らなかった業界の情報に触れることで、自分の新たな適性を知ることにつながったり、自分の可能性を広げたりすることにつながるかもしれません。

ぜひ、未知の業界や仕事と出会うための宝探しのように、業界研究を楽しんでみてください。

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