CVP分析とは

会社の一員になれば、利益の確保に貢献し、個人の評価・業績を上げていかなければなりません。

そのためには、いくら売上を挙げなくてはいけないか、どれくらい経費を抑えなくてはならないかということを把握しておくべきです。

ここではその2つを知るのに必要なCVP分析というのをご紹介していきます。





CVP分析とは

CVP分析とは、損益分岐点分析ともいいます。医療用語にCVP(中心静脈圧)がありますが、ここでいうCVPとは管理会計上の分析手法です。

Cはコスト(cost)、Vは販売量(volume)、Pは利益(profit)の略称となっています。

損益分岐点というのは、企業が限界利益となる「売上-経費=0(利益)」を算出しています。

限界利益というのは、会社が存続していくにあたって、赤字にならない利益のことを指し、損益分岐点よりも売上があれば黒字になり、逆に下がれば赤字になります。

簡単にいえば、CVP分析は利益がゼロになる売上高を調べるのに使用します。

コストにおける変動費と固定費

コストは変動費と固定費に分かれます。まずは変動費をみていきます。

変動費とは

たとえば、ある企業が鉄の部品を製作しているとします。その企業は注文数が増えていくと、当然売上が上がります。

しかし、材料となる鉄は仕入れているので、売上が伸びるということは、それだけ多く鉄を仕入れないと部品が作れませんので、材料にかけるコストも上がっていきます。

このように、毎月の生産量に応じてコストが変化していくのを変動費といいます。

固定費とは

それでは固定費はどうでしょうか。

たとえば、月給制の正規社員が10人いる会社で、毎月の給料が全員分で300万円だとします。

売上が向上しても月給は変動しないので、この場合は300万円が固定費になります。

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CVP分析の一例

CVP分析のおおまかな一例をみていきます。

A社…販売する商品単価3000円、材料費1800円、従業員30人、社員合計月給900万円

このA社ではCVP分析を用いて、どのように損益分岐点を算出するでしょうか。

1.まず、商品単価3000円の6割にあたる材料費の1800円が変動費となり。残りの1200円が限界利益となります。

・商品単価(3,000)-変動費(1,800)=限界利益(1,200)

2.次に固定費となる社員合計月給900万円から限界利益の1200円を割り、給料を支払うのに7500個が必要な販売個数となります。

・固定費(9,000,000)/限界利益(1,200)=必要販売個数(7,500)

3.必要販売個数7500個と商品単価3000円をかけると、給料を支払うのに必要な売上(2250万円)が算出され、この金額が損益分岐点となります。

・必要販売個数(7,500)×商品単価(3,000)=損益分岐点(22,500,000)

これで損益分岐点がわかるようになりました。2250万円以上を売り上げると、黒字になり、それ以下だと赤字になります。

限界利益率の求め方

損益分岐点の別の計算方法として、商品1個当たりの固定費の割合から算出する限界利益率を求める方法もあります。

・限界利益(1,200)/商品単価(3,000)=限界利益率(0.4%)

それに固定費を割ると、損益分岐点が算出されます。

・固定費(9,000,000)/限界利益率(0.4)=損益分岐点(22,500,000)

CVP分析の役割

CVP分岐は、企業全体はもちろん、各部署別や商品単価ごとの売上目標を設定するのに用いられます。

売上が変動していくと、どのくらい利益が出るのかも瞬時に判断できますし、材料費が高騰した場合、どれだけ売上が必要になってくるかというのも調べられます。

CVP分析は、どの分野の企業でも行っていることであり、新規事業の立ち上げなどは適正な損益分岐点を算出して、詳細な目標を設定します。

この記事のまとめ

損益分岐点を算出すると、コストを把握することも可能です。会社や部署単位での必要なコストは残し、削減できそうなコストを調べることもできます。

企業が赤字にならないためにも、損益分岐点をしっかりと把握できるようにしておきましょう。

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