クレドとは(読了時間:2分30秒)

入社した時に手渡された小さなカード。

先輩からは

「クレドは、ちゃんと覚えろよ。クレドが分かれば、うちの経営理念も分かるから」

と言われました。

さて、クレドって何のことでしょう。

渡されたカードのことでしょうか。

経営理念とも関わってくるようです。

クレドとは

クレドとは、仕事を進める上で社員の判断や行動の指針となる価値観や行動規範を簡潔にまとめたもの、もしくは、これを記載したカードなどのツールをいいます。

このカードは、「クレドカード」と言われることもあります。

企業によっては、クレドを「バリュー」「コア・バリュー」「イズム」「イデア」などと呼んでいるところもあります。

「経営理念・社是(しゃぜ)・社訓」との違い

どんな企業にも「経営理念」、つまり企業としての「社会的使命を果たすための主義・思想」があります。

しかし、多くの場合、経営理念は抽象的で分かりにくいため、なかなか社員に伝わらないと言います。

そこで登場するのがクレドです。

クレドは、この経営理念を社内に浸透させるために、(経営理念を)具体的で分かりやすい行動指針や考え方として言い表したものなのです。

ただし、中には、クレドを経営理念として扱っている企業もあります。

一方、企業の理念や社会的使命、基本方針を示した「社是」、企業の行動基準である「社訓」は、社員にとって判断や行動の物差しになる点で、クレドと似通っているといえます。

ただし、いずれも、クレドと比べて、経営理念と同じく抽象的で分かりにくいといわれます。

加えて、多くの企業では、経営理念・社是・社訓は経営者がつくりますが、クレドは社員たち自身がつくったり、改訂したりします。

しかも、クレドは、これを社員一人一人に落とし込むための仕組みと合わせて考案されます。

経営理念・社是・社訓は、それぞれの指し示す内容についてはクレドと重なる点が多いのですが、「分かりやすさ・社員中心に作成・仕組みとセットで考案」という3点でクレドとは異なるわけです。

クレドの浸透方法と効果

一般に、企業では、クレドが社内に行き渡るよう、ことあるごとに目を通すための「クレドカード」の携行を社員に義務づけたり、朝礼などで唱和したりしています。

そして、クレドについてのアンケートや集会などを定期的に実施、クレドの浸透度や改善の必要性などをチェックして、その企業や時代にあったクレドの共有を進めます。

こうしてクレドが社員に浸透した企業では、社員はクレドに従って自律的に判断し、行動するため、経営理念に則った経営が実現できます。

また、自らの決断や行動が周囲から評価される結果、社員の誇りとやる気が高まり、自ずと業績拡大や、企業に求められる社会的責任への配慮、法令順守の徹底にもつながっていくといいます。

クレドの語源と歴史

クレドは、ラテン語の「Credo」から来た言葉です。

「Credo」は「神との契約」「信仰宣言」を指す言葉で、「信条」「約束」などと訳されます。

語源からしても、クレドとして記された価値観や行動規範が、企業にとって確固としたゆるぎないものを表すと分かります。

ビジネスに初めてクレドを取り入れたのは、米国の医薬品・健康関連用品大手企業「ジョンソン・エンド・ジョンソン」。

1943年に同社はクレドを考案したのです。

1982年に同社製品への毒物混入事件「タイレノール事件」が起きた際、従業員がクレドに沿って迅速・かつ的確に対応し、社会的信頼を守り抜きました。

このことから、クレドに基づく経営効果が広く認められました。

ちょうど当時は、企業の社会的責任、法令順守が厳しく問われていた頃でもあり、これらを実現する手法の一つとして、多くの企業がクレドを取り入れ始めたようです。

クレドとは、経営判断や行動基準となる、短くまとめた考え方や基本指針を言います。

これを記した(クレド)カードもクレドと呼ぶ場合があります。

クレドを取り入れたクレド経営は、経営理念の実現に効果的だと評価する声が多くなっています。