中学校教師の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

中学校教師を目指すきっかけで多いものは?

中学校教師になりたいと思ったきっかけとしてよく聞かれるのは、「中学校時代に素晴らしい先生に出会い、その先生のような教員になりたいから」といったものです。

理想・目標とする存在がいて、自分もそんな人になりたいと思うのは自然な流れかもしれません。

皆さんも学生時代を振り返ってみると、印象に残る先生が一人や二人はいることでしょう。

「いつも優しく笑顔で接してくれた」「教え方が上手で勉強が好きになった」「一緒に部活動の時間をたくさん過ごして大会で優勝できた」など、先生との深い思い出を持っている人もいるはずです。

このような思い出がきっかけとなって、中学校教師になりたいと考える人が多いようです。

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中学校教師の志望動機の考え方

具体的にイメージすることが重要

中学校教師を目指すときに受験する教員採用試験では、受験の際に提出する書類(エントリーシート)や作文・面接試験で志望動機を尋ねられます。

もし自分の理想や目標の先生がいるのであれば、その先生の素晴らしいところや、見習うべき点を挙げていくと、自分がイメージする中学校教員が明確になるでしょう。

このとき、重要なのは「具体的に」表現するということです。

ただ「優しい先生だった」「楽しい先生だった」だけではなく、どのような場面で、その先生はどんな指導や支援を実践されたのでしょうか。

また、なぜその言動が自分の心に響いたのでしょうか。

書き出してみると、あなたがなぜ中学校教師になりたいと思っているかが見えてくるはずです。

中学校教師に必要な資質とは?

では、採用する側にとってはどうでしょう。どのような受験者を採用したいでしょうか?

「教育者としての使命感」は言うまでもなく、生徒に対する「教育的愛情」生徒の「成長・発達についての深い理解」は、3年間で目ざましい成長を遂げる中学生と接する際に、欠くことのできない資質でしょう。

また、義務教育が完了する3年間ですから、「教科等に関する専門的知識」「豊かな教養」をもってして、社会に出て困らないような基礎学力やマナーを生徒たちに教授しなければなりません。

そして、そのような資質を基に生徒たちに積極的に関わることのできる「実践的指導力」が求められています。

採用試験を実施する自治体では、「どのような教員を採用したいのか」という指針を出しているところもありますので、採用試験実施要綱や都道府県市町村のホームページなどを事前に調べてみることをおすすめします。

自分の経験とも照らし合わせ、どのように中学生を教え導くことのできる教師を目指しているのかを考えてみましょう。

なぜ「中学校」なのかを考える

教員を目指しているのであれば、小学校でも高校でも「教員」として働くことができます。

しかし、なぜ「中学校」で教員になりたいのか、そのこだわりを説明できるように準備しておきましょう。

教員志望の人が多く挙げる「子どもが好きだから」という動機も、子どもと接する仕事であれば、「保育士」でも「幼稚園教諭」でも「塾講師」でもよいはずです。

このように、世の中には子どもと関わる職業がたくさんあるのに、あえて多感で難しい時期にある中学生と関わる教師の道を選ぶには必ず理由があるはずです。

中学校教師の面接では、中学校に対して、また中学生に対して、どのような思い入れ(こだわり)があるのかを問われることがありますので、自信を持って答えられるようにしておくことが大事です。

中学校教師の志望動機の例文

例文その1

「私が中学校教師を目指した理由は、子どもたちの可能性を信じ、一人ひとりの子が持つ個性や能力を伸ばしてあげたいと思っているからです。

私は中学生になったばかりの頃、勉強があまり得意ではなく、またどちらかというと消極的なタイプで、なかなか自分に自信を持てずにいました。

しかし、1年生のときの担任の先生は、私が言葉にしなくても「絵を描くことが好き」という私の特徴に気付いてくれ、あるとき学級新聞のイラストを描くように優しく勧めてくれました。

その後も私が元気なさそうにしていると、すぐに声をかけてくれたり心配してくれたりして、私はその先生に少しずつ心を開くようになりました。

後から考えると、その先生は他の生徒に対しても、一人ひとりの個性を見極めて前向きな言葉をたくさんかけてくれていたように思います。

現代社会では、子どもの非行やいじめなどの数々の問題が取り上げられるケースが増えていますが、私は自分の体験から、ただ一人の先生との出会いでも、その子の性格や人生が変わることもあると実感しています。

だからこそ、子どもたちの良いところをどんどん見つけ、引き出せる教師になりたいと強く考え、中学校教師になることを決意いたしました。」

例文その2

「私は大学時代の塾講師のアルバイト経験を通じ、「教える」ことにやりがいと面白さを感じるようになりました。

自分の指導によって、それまでできなかったことができるようになる。

子どもたちのそんな姿を目の当たりにすると、私はいつでも心が躍るような気持ちに包まれます。

一方、私自身が適切な教え方ができていなければ、子どもたちは容赦なくつまらなさそうな顔をしたり、途中で投げ出してしまったりすることもたくさん経験しました。

こうした出来事から、私は指導の難しさと奥深さを強く感じ、教育現場で働きたいという思いが強くなりました。

さまざまな教育職があるなかでも、中学校教師を志望する一番の理由は、多感で思春期の難しい世代といわれる子どもたちにこそ、勉強を好きになってもらいたいからです。

中学生時代に勉強が好きになれば、その子はその後の人生でも、きっと勉強に前向きに取り組むことができ、素晴らしい人生が歩めると信じています。

子どもたちが勉強を好きになるにはどうすればよいのか、それを考え続け、自分自身が歩みを止めない教師でありたいと思います。」

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中学校教師の面接で聞かれること・注意点

個人面接と集団面接がある

教員採用試験では一般的に、個人面接と集団面接の両方が行なわれます。

まず個人面接ですが、「自己PR」や「理想とする教師像」、「教師を目指したきっかけ」といった、受験生の人柄・性格・思考傾向などを直接的に知るための質問がなされます。

また、「休み時間に一人ぼっちでいる生徒にどのような対応をするか」や「あなたの専門教科に興味を持たせるにはどのような工夫をするか」というような、具体的な場面を指定しての質問もあります。

それに対して集団面接では、他の受験者と話し合いをする姿から間接的にあなた自身を評価されます。

たとえば、グループ内で話し合いを牽引していくリーダータイプなのか、リーダーを補佐する役割が得意なのか、あるいは発言数は少なくても場の雰囲気や話の流れを決定づける意見を言う存在なのか、それともうまく主張できない受験者を優しくフォローしながら場の空気を和ませるムードメーカーなのかなど。

話し合いに集中していればいるほど、飾らないありのままの姿が表れるもので、個人面接では見られない「素」の部分を評価されます。

それぞれの面接を受ける前に、受験する自治体の過去問題、あるいは他の自治体での質問例などを必ず調べておいてください。

そして、それぞれの質問について、自分なりに答えをノートなどに書き出しましょう。

どんなに講師経験が豊富な人でも、面接当日はかなり緊張しますので、あらかじめ教員を目指す友人同士で練習したり、大学の就職課で催される面接対策講座を受けてみたりするなど、面接で自分がどのように振る舞うのかをイメージしてから臨むことをおすすめします。

模擬授業がある場合も

最近では二次面接の代わりに、テーマを設定して短い模擬授業を課する自治体も増えてきました。

英語科であれば、進行形を教える際の導入部分を模擬授業として面接官を相手にやってみせるとか、国語科であれば『平家物語』の冒頭が課題文として与えられ、導入部を15分間だけ行なうなど、教科指導に対する熱意や指導方法、教材研究の深度を評価されます。

また、中学校では専門教科以外の指導をする機会もあるため、道徳や性教育などをLHR(学級活動)で教えると仮定して、模擬授業を展開しなければならないこともあります。

こちらも、受験する都道府県の過去問題をチェックし、それまで面接形式だった自治体でも今年から模擬授業形式に変わる可能性もあると考えて、十分に準備をしておくとよいでしょう。

合格のポイントは?

採用する側は、公正かつ客観的な評価によって合否を決めているのですが、面接試験・模擬授業には「正解」がありません。

つまり、機械とは違って人間のすることですから、ちょっとした所作が面接官に良い印象を与える場合もあれば、反対に好ましくない人物だと印象づけてしまうこともあるのです。

面接官との「相性」による不公平を完全に排除することはできません。

しかし、前向きで明るく、周囲の人を思いやる気持ちを持っていることは、何気ない仕草や些細な一言におのずと表れるものです。

何人もの受験者を見ている面接官に、あなたの真心が届くように努力することが合格を引き寄せる唯一の方法だと思ってください。

なお、教員には誠実さや責任感などが強く求められてきますので、服装・髪型などの身だしなみには十分に注意し、相手に不快な印象を与えないように気を付けましょう。

中学校教師の自己PRのポイント

自己PRは、自分が何をしてきたのか、どんな強みを持っているのかなどを伝える絶好のチャンスです。

自己PRは「願書などの用紙に記入する場合」と「面接など口頭で伝える場合」がありますが、もし用紙に記入する場合は、記入欄や記入用紙の形式によってはレイアウトを工夫し、適切に余白をとりながら読みやすいものに仕上げましょう。

口頭で伝える場合は、話を簡潔にまとめつつ、自信を持ってハキハキと話すことも大事です。

「自己PRできることなんてない」と思う人もいるかもしれませんが、これまでの人生、自分なりに一生懸命に取り組んできたことは何かしらあるはずです。

勉強やスポーツ、部活動や委員会活動、アルバイト、ボランティア活動…あるいは趣味の活動でも、そこから感じたこと、自分が成長できたと思うことなどをどんどん洗い出してみましょう。

そして、「自分が中学校教師になればこんな強みを発揮できる」というポイントを頭に置いて、自己PRを考えていくとよいでしょう。

中学校教師の履歴書で気をつけるべきことは?

教員採用試験を受ける際には、願書を出す必要があります。

多くの都道府県において、そこでは志望動機や自己PRなどを書く欄が設けられていて、「教員になってしたいこと」や「求める教師像に沿う人物であること」などについて、アピールする必要があります。

民間企業の就職活動と同じように、最初に出すエントリーシート(ES)は合否を左右する決め手になることもありますから、まずは丁寧に、充実した内容のものを作り上げようという心構えが大切です。

教員採用試験は多くの人が受験するため、願書で自分の考えや強みをしっかりと伝えられるように準備し、周囲の人に添削をお願いしましょう。

また、願書の内容が面接時の質問材料になることもありますので、自分がどんなことを書いたのかは確実に把握し、話を広げられるようにしておくことも大事です。