新任の中学校教師

初任者研修

一般企業でも「新人研修」として、その職場において知っておくべき、また身につけておくべき事柄を先輩社員からレクチャーしてもらう機会があります。

教育現場においても「実践的指導力と使命感を養うとともに幅広い知見を得させるため行われる」研修が設けられています。

この研修は「初任者研修」と呼ばれ、教諭(正規採用の教員)になって初めて職務に当たる先生=「初任者」が、採用された日(多くはその年度の4月1日)から一年間、受けることになります。

ちなみに、正規採用前に臨時講師として勤務した経験のある先生も、この初任者研修を受けます。

具体的には、教員として必要な素養などについて説明を聴いたり、先輩教員の示範授業を見学したりする他、自身が研究授業を行なって参観した先輩教員から指導や助言を受けることも。

このように、学校内で行なう「校内研修」は、平成23(2011)年度、中学校の初任者では一週間当たり9.3時間(事前準備等を含めた時間数)にも上ります。

また、最寄の教育センターなどに集まって事例発表・討論をしたり、企業や福祉施設などで体験させてもらったりする「校外研修」も年間25日程度、受けることになります。

校内の役割

平成23年度、中学校の初任者のうち学級担任を受け持っている先生は58.8%で、半数以上の教員が初任者研修を受けながら、クラスの指導をしています。

当然、教科指導や部活動の指導、「校務分掌」(校内での役割分担)は初任者全員が担当します。

講師経験のある先生も含め、初任者はその学校の「フレッシュマン」「若手」ですから、元気な挨拶ややる気あふれる指導で学校全体の雰囲気を盛り上げるよう、年上の先生方から期待されます。

生徒たちにとって、比較的年齢の近い初任者は、心理的距離の近い先生でもあるようで、親しみやすい「お兄さん」「お姉さん」的存在だと思われることも。

理想と現実

初任者はまず、授業や行事など初めて臨む事柄が続きますから、緊張している時間(期間)が長くなります。

それに加えて、周囲の先生方や生徒・保護者との人間関係も一から築いていかなければならないので、気を遣います。

さらに、「初任者研修」で研究授業をしたり、レポート等の提出を求められたりもします。

校外研修で出張することになると、自習課題を作成し、自習監督を他の先生にお願いし、帰着してから研修内容について報告書をまとめなければならないのです。

このように、初任者としての一年間はとても忙しく、気を張って過ごす日々になります。

「こういう先生になりたい」という理想も、初めのうちは失敗や後悔が多くて叶えられないことでしょう。

しかし、先輩教員にもみんな初任者だった頃があり、幾多の失敗を経て現在の指導スタイルを確立したわけです。

初めの一年間、中学校教師としての「現実」は「理想」とはかけ離れているかもしれませんが、それを徐々に近づけていく努力を続けるうちに「初任者」とは呼ばれなくなり、いつしか自分も尊敬する先輩教員の仲間入りをしていることに気づくでしょう。

仕事体験談