【2023年版】調理師試験の難易度、合格率

調理師資格とは

調理師資格は、専門的な調理技術と食の知識を証明する国家資格です。

調理に関する資格として最も有名なものの一つが「調理師」ですが、実は調理師でなくても飲食店で働いたり、お客さまに料理を提供したりすることは可能です。

しかし、「調理師免許」を持っておくことで「私は調理師です」と名乗ることができるようになります。

また、調理の知識が一通りあるとみなされることで就職時に有利になったり、お客さまからの信頼を集めやすくなったりします。

養成施設に通うことで取得する

調理師資格を取得する方法の一つとして、「学校に通う」ことが挙げられます。

調理師になるための学校として代表的なのは、全国に数ある調理師の専門学校です。

調理の専門学校に1年以上通って学べば、卒業時に調理師免許が自動で交付されます。

また、数は多くありませんが、高校や短大の中には卒業時に調理師免許が取れる「調理科」という専門クラスを持つ学校もあります。

これらの学校では、高卒や短大卒の学歴を得ると同時に調理師免許も取れるため、人気を集めています。

実務経験を経て取得する

調理師は、さほど学歴が問われる仕事ではありません。

たとえ中卒であっても、修行を積んで若くして一流調理人として活躍している人も大勢います。

専門学校などへ通わずに調理師免許を習得したい場合は、実務経験が必要になります。

飲食店で2年以上の実務経験を重ねることで、調理師国家試験の受験資格が得られます。

なお、証明書さえもらえば、複数の店で働いた期間を合算することも可能です。

ただし、調理師試験に合格するためには、栄養学や食品衛生学、食物理論などの知識が必要になります。

そのため、専門学校などに通わない場合、試験対策として通信教育を利用する人も多いようです。

調理師資格の効果

将来、独立して自分の店を持ちたいと思った場合は「食品衛生責任者」という資格が必須となります。

しかし、調理師免許を取得していれば、あらためて食品衛生責任者の資格を得る必要はありません。

調理人としての経験を積む中で調理師資格を得て、独立開業を目指す人もいます。

また、「ふぐ調理師免許」や「専門調理師・調理技能士」といったより高度な資格を受験する際にも調理師免許が必要になります。

調理師以外の食に関する資格

調理師以外にも、食に関する資格はたくさんあります。

たとえば

栄養士管理栄養士
野菜ソムリエ
・食育インストラクター
・食品技術管理専門士
・調理師要請施設助手
・レストランサービス技能士
・フードアナリスト
・製菓衛生師
・介護食士
・調理技能士

など、民間資格・国家資格ともに、さまざまなものがあります。

どの資格も現場で求められることはさほど多くないため、資格取得を第一に考えるよりは、現場でしっかりとした技術や経験を積むことを意識したほうがよいでしょう。

ただし、資格を持っていることで就職の際にややプラスの評価になったり、いざ仕事を始めてから、資格の勉強を通して学んだことが生かせたりする機会もあるでしょう。

調理師になるには・調理師免許とは?

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調理免許の受験資格

調理師免許は1年以上の専門課程を修めれば試験なしで交付されます。

つまり、調理師免許を取るのであれば、調理科のある高校、短大か調理師専門学校を卒業するのが一番の近道といえます。

1年以上のカリキュラムを修了した場合は100%交付されるため、試験を受ける必要はありません。

試験を受ける必要があるのは、専門課程を履修していない人です。

学校などで調理を学んでいない人は、2年以上の実務経験を積めば調理師試験の受験資格が得られます。

なお、2年以上の実務経験はフルタイムで働いていなくても構わないとされています。

バイトやアルバイトの場合、2年間週に4日以上、1日6時間以上、もしくは週に5日以上、1日5時間以上の勤務実績があれば実務経験の基準をクリアします。

中学校を卒業していれば受験に際して年齢制限はありません。

調理師試験の難易度・勉強時間

調理師試験の出題内容と難易度

調理師の国家試験は、以下の7科目から構成されています。

・食文化概論
・衛生法規
・公衆衛生学
・栄養学
・食品学
・食品衛生学
・調理理論

試験は計60問、マークシートの四肢択一解答方式です。

合格の目安は全7科目の合計点が「60%以上」とされており、国家試験の中では比較的合格しやすいといわれています。

ただし、1科目でも平均点以下のものがあると不合格になるため、苦手科目を作らずに、まんべんなく点を取れるようにする必要があります。

なお、科目ごとに問題数の割合が異なる点にも注意が必要です。

飲食業や調理の仕事に関わったことがない人が、まったく対策をとらずに合格するのは難しいでしょう。

調理師試験の勉強時間と勉強のコツ

調理師試験は受験する都道府県によって問題が異なります。

問題作成者によって出題傾向が違うので、受験予定の都道府県の過去問題をチェックすることが必要になります。

なお、過去問題はインターネット上でも閲覧できます。

独学で勉強する際は、各種参考書が出版されていますので、自分に合ったものを探してみましょう。

問題に対する解説が充実しているものを選ぶと良い効果が得られます。

調理師資格の受験者は、毎日1〜2時間の勉強を3か月ほど続けて試験にのぞむ人が多いようです。

なかには1週間という短い勉強時間で合格したという調理師もいます。

独学でも合格できる?

調理師試験には、職歴と学歴の受験資格があります。

職歴に関しては、飲食店等において調理業務に従事した「満2年以上」の実務経験が求められます。

学歴に関しては、新制中学校を卒業しているか、これと同等以上の学力を持っていることが必要です。

これらの条件を満たせば、年齢などは関係なく誰でも受験することが可能です。

調理師試験に関する参考書や問題集はたくさん出ていますし、インターネットを使って、過去問題はいくらでも調べることができます。

調理師試験の問題は「正しいものを1つ選べ」あるいは「間違っているものを1つ選べ」で構成されているため、そこまで難易度が高いわけではありません。

やる気を出して集中して勉強すれば、そこまで長期間時間をかけず、独学で合格することも十分に可能だといえます。

なお、一人きりで本を使って勉強するのが難しい場合は、自治体の調理師会が主催する「事前講習会」に参加して試験のポイント解説を受けたり、通信講座を利用して効率的に勉強したりする方法もあります。

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調理師試験の合格率はどれくらい?

料理人として働く際に、必ずしも調理師の免許が必要というわけではありません。しかし、調理師免許を持っていることが応募の条件となっている場合があります。

調理師試験の合格率は一般的に60%〜70%ぐらいです。

年々難しくなりつつあるといわれています。

調理師試験の試験は食文化論、衛生法規、公衆衛生学、栄養学、食品学、食品衛生学、調理理論の中から出題されます。

試験自体の難易度はそれほど高くなく、数ヶ月ほど勉強をすれば合格できるといわれています。

調理師試験合格率の推移

調理師試験の合格率は、60〜70%の間を推移しています。令和3年度試験の合格率は65.6%でした。

調理師試験合格率_令3

調理師試験合格率 都道府県別

調理師試験は各都道府県で実施されています。平成15年から令和3年までの平均合格率は下記のとおりです。

北海道 63.5%
青森 58.9%
岩手 60.8%
宮城 62.6%
秋田 70.5%
山形 65.0%
福島 74.3%
茨城 62.9%
栃木 74.6%
群馬 69.3%
埼玉 64.1%
千葉 59.6%
東京 60.5%
神奈川 68.1%
新潟 61.3%
富山 67.2%
石川 65.4%
福井 59.2%
山梨 66.5%
長野 68.9%
岐阜 64.5%
静岡 66.1%
愛知 61.2%
三重 70.9%
滋賀 64.6%
京都 62.2%
大阪 61.4%
兵庫 63.9%
奈良 65.1%
和歌山 70.3%
鳥取 62.5%
島根 66.8%
岡山 66.4%
広島 60.5%
山口 74.3%
徳島 61.5%
香川 59.1%
愛媛 62.3%
高知 57.5%
福岡 60.3%
佐賀 57.5%
長崎 52.6%
熊本 59.8%
大分 62.3%
宮崎 64.1%
鹿児島 59.2%
沖縄 53.7%

全国平均 63.1%

令和5年度 調理師試験の概要

試験日 令和5年10月28日(土) 13時30分 ~ 15時30分(実施都道府県によって変わります。)
書類提出 令和5年5月8日(月) ~ 6月2日(金) ※当日消印有効
試験地 各都道府県
受験資格 学歴及び職歴の条件を満たしている必要があります。

学歴

中学校卒業以上の者

職歴

上記の学歴修了後、調理師法施行規則第4条に定める下記施設で2年以上調理業務に従事した者
●飲食店営業
※旅館、簡易宿泊所を含む
※喫茶店営業を除く
●魚介類販売業
※販売のみで調理工程を認められていないものは除く
●そうざい製造業
※煮物(つくだ煮を含む)、焼物(炒め物を含む)、揚物、蒸し物、酢の物又は和え物を製造する営業
●学校、病院、寮などの給食施設
※継続して1回20食以上、又は1日50食以上調理している施設

職歴に関する注意事項

・パート・アルバイトで調理業務に従事している場合は、原則週4日以上かつ1日6時間以上の勤務が必要です。
・従事期間については、調理業務従事証明書の証明日現在で2年以上が必要です。
ただし、勤務先で1ヶ月以上の長期休暇などがある場合は、その期間を除いて2年以上の従事期間が必要となります。
・なお、従事期間については複数の勤務先(過去分)の合算が可能です。

試験科目 公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論
試験方法 全60問、マークシートによる四肢択一方式
合格基準 原則として全科目の総得点が満点の6割以上であるものを合格とします。
ただし、1科目でも得点が当該科目の平均点を著しく下回る場合は不合格とします。
合格率 65.6%(令和3年度全国平均)
合格発表 令和5年12月15日(金) 10時
詳細情報 社団法人 調理技術技能センター