女性の調香師

意外にも男性社会

現在、国内の企業で活躍する調香師はほとんどが理系出身の男性です。理系学生の男女比は圧倒的に男性が多いため、この結果は当然であるといえます。

現在では、女性の職業選択の幅が広がり、女性の調香師も増えてきています。

調香専門の専門学校の出身者も数多く活躍するようになったことも一つの要因であると考えられるでしょう。

化粧品や食品、生活用品など、香りが果たす役割が大きい商品の購買層は圧倒的に女性が多いため、消費者の立場により近い女性調香師の活躍が今後ますます期待されることが予想されます。

家庭との両立が難しい側面も

調香師は研究職であるため、進捗状況によっては残業することもあり、定時ちょうどに仕事を終えられることまれです。

家庭との両立を目指す女性にとっては厳しい労働環境であるといえるかもしれません。

しかし時代の流れから女性の職場での立場も向上してきており、企業全体でも「NO残業デー」を設置するなどの工夫もみられるため、自身の研究への熱意と上手く折り合いをつけながら奮闘する女性調香師も増えてきています。

中には、昼休みを削って働いたり、書き仕事を持ち帰ったりするなどして、効率良く勤務時間を使い、家庭にも仕事にも支障が出ないように工夫している様子もみられます。

また、女性はホルモンバランスの変化によって嗅覚への影響を受けやすいという面で、男性調香師にはない苦労があります。

自身のコンディションを考えながら、仕事のやり方を考えていく姿勢が要求されることも理解しておきましょう。

欧米は女性の調香師が多い

日本の調香師は男性が多数を占めているのに対して、欧米の調香師はほとんどが女性です。

そもそも調香師は香粧品香料を扱うパヒューマーと食品香料を扱うフレーバリストとに分かれます。

欧米の調香師の割合がパヒューマーとフレーバリストとの割合が半々であるのに対して、日本では1対5の割合でほとんどの調香師がフレーバリストです。

つまり、日本は香粧品香料を扱う調香師が欧米圏に比べて圧倒的に少ないことが分かります。

毎日入浴する習慣のない欧米圏では香水の需要がかなり高く、これこそパヒューマーが発展した大きな要因です。

香粧品を求めるのはほとんどが女性であるため、パヒューマーを務めるのも自然と女性が多かったと考えられます。

まだまだ欧米に遅れをとっているパヒューマーの業界では女性調香師がその感性を大いに生かして活躍しています。

パヒューマーの人口が増えていくにつれ、女性調香師の全体に占める割合も高くなっていくと考えることができるでしょう。

需要がなくなることはない

他社製品との差別化を図るためにも香料の果たす役割はとても大きなものであるため、食品や化粧品業界において調香師の需要がなくなることはこの先も決してありえません。

一人前として認められるためにはおよそ10年の期間を要しますが、一度知識と技術を身につければ、長く安定して働ける職業ではあります。

定年まで働き続ける女性が増えてきている現代社会において、女性が目指す職業として適しているといえるでしょう。