地方初級公務員の仕事内容

「初級」とは何か?

試験のレベルの目安

地方公務員試験について調べていくと、しばしば「初級」「中級」「上級」といった表記を目にすることがあります。

これらの違いを簡単に説明すると、各試験のレベルの目安を示しています。

初級は高卒程度、中級は短大卒程度、上級は大卒程度です。

注意したいのは、この「初級」「中級」「上級」といった区分は、決して学歴要件を示しているわけではないということです。

年齢などの応募条件を満たしていれば、たとえば上級を高卒者が受けることも可能です。

ただし、自治体によっては学歴制限を設けており、たとえば初級と中級は大卒者が受けられないようにしているなどのケースもしばしば見受けられます。

これについては自治体によって状況が異なるため、応募要項をよく確認してください。

自治体によって呼び方が異なることも

「初級」「中級」「上級」の呼び方は、必ずしもすべての自治体で共通しているわけではありません。

たとえば、東京都においては大卒程度レベルは「1類B」、短大卒程度は「2類」、高卒程度は「3類」といった区分で試験を行っています。

このほか、高卒程度の試験のことを「高卒者」「高卒程度」「3種」といった呼び方で地方公務員を行う自治体もあります。

なお、政令指定都市における試験は「政令指定都市職員試験」といったように表記されることもあります。

市役所の試験は別途行われており、これもレベルの目安ごとに「市役所初級」「市役所中級」「市役所上級」と分けられています。

全体として、市役所の試験より都道府県の試験のほうが難易度が高いとされています。

地方初級公務員の仕事内容

配属先によっても異なりますが、初級で事務職に就く場合、一般事務学校事務などの事務処理、窓口対応が中心となります。

出先機関に配属されることが多く、定型的な作業を繰り返す現場での仕事が中心で、大きく出世して幹部を目指すのは難しいとされています。

基本的にはルーティンの日常業務を任されることが多いので、事務など特定の分野でのスペシャリストを目指すことは可能です。

また、地方初級公務員は窓口などで市民と直接コミュニケーションをとる機会が多く、自治体の「顔」として重要な役割を担います。

地方初級公務員の給料とキャリアパス

地方公務員初級として採用された人は、上級や中級の人に比べると初任給が低めに設定されています。

たとえば、平成31年度の東京都行政職の初任給は、1類A(大卒レベル)では240,240円なのに対し、3類(高卒レベル)では174,720円となっています。

また、昇進・昇任スピードに差が出る場合もあります。

ただし、これは自治体の規模によっても異なり、大都市のように幹部を目指してどんどん出世するのは上級のみとされている自治体もあれば、小さな自治体では学歴問わず昇任試験を受けて、上級とあまり変わらず出世できるチャンスが得られることもあるようです。