シェフとコックの違い

シェフとコックの仕事内容の違い

料理人はすべてコック

「シェフ」と「コック」は同一視されがちですが、正確には違う職業です。

飲食業界において、コックは「料理をする人」全員を指す言葉であるのに対して、シェフは「料理長」を意味します。

通常シェフは料理の総指揮官ですから店には一人だけ、それ以外はコックになります。

料理の世界に入ったばかりの新人から、この道30年のベテランまで、料理を職業としていれば、シェフ以外はすべて「コック」といえます。

シェフは厨房責任者

コックの業務は調理全般であるのに対し、シェフは厨房責任者として、全体の指揮・監督・マネジメントの役割を担います。

たとえば、レストランやホテルのシェフは、メニューを開発したり、店の毎日のメニューを考えたりします。

仕入れた材料を使って季節の料理や日替わりメニュー、アラカルトやコース料理を組み立てていく重要な役割を担います。

こうして、できあがったメニューを実際に調理するのは、コックやシェフを補佐する副料理長「スーシェフ」です。

シェフは、コック各々の適性・能力を見極めて厨房内の役割を割り振り、スムーズに調理が進むように調整していく必要があります。

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シェフとコックのなる方法・資格の違い

シェフやコックは、資格や学歴よりも、経験やセンスがものをいう世界です。

コックになるための方法はおもに2つあります。

ひとつは調理師学校で調理の基礎を学び、ホテルやレストランに就職し経験を積む方法、もうひとつは専門学校や養成学校には行かず、高校卒業後または社会人経験を経て飲食店に入り、厨房で経験を積む方法です。

どちらの方法にしても、就職してすぐにシェフになれるわけではありません。

まずは一人前のコックを目指し、長ければ10年にもなる下積みが必要になります。

掃除や食材の手配、下ごしらえ、皿洗い、後片付けなど料理の周りのことから行うのが通例です。

そのあと少しずつ前菜、ソース、魚料理、肉料理など調理にたずさわっていきます。

そのあとスーシェフを経て、ようやくシェフのポジションに昇格するのが一般的です。

シェフとコックの資格・必要なスキルの違い

必要な資格の違い

シェフとコックには、必ず求められる資格はありません。

しかし、レストランやホテルなどによっては国家資格である「調理師免許」を取得していることが応募条件となることもあります。

昇格、昇給の評価の基準とする職場もあるため、技術を身に付けながら資格を取得する人も多いです。

また経験を積み、経営者となるオーナーシェフとして独立・開業を考える人もいるでしょう。

独立・開業に調理師免許は必須ではありませんが、「食品衛生責任者」は欠かすことのできない資格です。

必要なスキルの違い

シェフになるためには、まず一人前のコックになる必要があります。

シェフは自ら調理をすることがなくても、盛り付け、味付けの最終チェック、メニューの開発などを行います。

そのため、シェフにもコックにも包丁さばき、火加減などの調整、味の微調整など調理全般のスキルは必須です。

加えてシェフには、厨房をまとめあげる責任感、リーダーシップ、マネジメントの能力が必要になります。

また、シェフにとってメニュー開発は、他店との差別化をはかり、お客さまの来店動機にもなる大切な業務です。

お客さまの目と舌を楽しませる一皿を生み出すために、発想力や美的センスが求められます。

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シェフとコックの学校・学費の違い

シェフにもコックにも必要な学歴や資格はありません。

中学、または高校卒業後にすぐ料理の世界に飛び込み、現場で調理スキルを磨き、有名なシェフとなった人もいます。

ただし、就職先によっては、求人を高卒以上に限定していたり、調理師専門学校卒業者を優遇したりします。

調理師専門学校の学費は1年制か2年制かで異なりますが、年間150万前後が相場です。

なかには働きながら夜間のコースに通う人もいます。

夜間コースは昼間のコースと比較し、3割程度安くなっていることが多いです。

シェフとコックの給料・待遇の違い

コックもシェフも、勤務先や経験・能力により年収は大きく異なります。

コックの平均年収は330万円~350万円ほどが相場とされますが、コックよりも上の立場となるシェフの平均年収は470万円~550万円ほどと、一般的にコックの年収よりも高い年収です。

シェフは、そのお店にとって唯一の存在であり、お店の顔になる存在です。

有名シェフになれば、シェフ目当てでお客さまが来店したり、雑誌やテレビで特集が組まれたりすることもあります。

そのような人気シェフになれば、年収1000万以上という人もいます。

シェフとコックはどっちがおすすめ?

シェフもコックも、まずは料理が大好きであることが大切です。

そのうえでシェフには、原価管理、厨房マネジメントという経営者に近い能力が求められます。

また、シェフは単にレシピ通りに上手に作るのでは足りず、自分でメニュー開発をしなくてはなりません。

メニュー開発には調理技術だけでなく、発想力、美的センス、時代のトレンドを読む力が必要です。

これらは、もともとの才能もありますが、コックとして経験を積んでいくなかで身につけていくものです。

そのため、まずはコックとして十分に経験を積み、自分が調理オンリーでいきたいのか、シェフになりたいのかを考えていくとよいでしょう。

自分で調理もしながらシェフの仕事もしたい場合は、独立・開業により自分の店をもつことで、夢を叶えられるでしょう。