チアリーダーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「チアリーダー」とは

チアリーダーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

スポーツの試合会場で、ダンスや応援のパフォーマンスをし、場の雰囲気を盛り上げる。

チアリーダーは、スポーツの試合会場でダンスや応援などのパフォーマンスを行い、会場の雰囲気を盛り上げたり、ファンを楽しませたりする仕事です。

プロのチアリーダーは、主にプロ野球球団やJリーグなどの「サポートチーム」に所属して活躍しています。

特別な学歴や資格は必要ありませんが、各チームのチアリーダー採用試験ではオーディションが行われることが多いため、ダンスの練習をはじめ、自己アピールができるよう準備が必要です。

若い女性に人気のある職業ですが、見た目の華やかさとは裏腹に体力が求められ、厳しいトレーニングや練習を乗り越える「心の強さ」も欠かせません。

一般的に、チアリーダーは10代後半から20代前半の若い女性が活躍しているため、早くかららセカンドキャリアを考えておくことも大切です。

「チアリーダー」の仕事紹介

チアリーダーの仕事内容

スポーツの試合会場でダンスや応援をし、場を盛り上げる

チアリーダーとは、スポーツの試合会場でダンスや応援などのパフォーマンスを行い、率先して会場の雰囲気を盛り上げる人たちのことです。

「チア(cheer)」には「元気づける、応援する」という意味が、「リーダー(leader)」には「導く人」という意味があります。

チアリーダーはアメリカ発祥ですが、現代では日本でも野球やサッカー、バスケットボールなど、さまざまな競技でチアリーダーの応援が行われています。

また、単なる応援だけではなく、ひとつの競技、表現のスポーツとしてチアリーディングを行う人たちもいます。

競技会に出場して上位入賞を目指す人たちもいる

チアリーダーには、さまざまな独自の技があります。

たとえば、特殊な形のジャンプや、「スタンツ」と呼ばれる組体操のような動き、あるいは「チア・サイドライン」という掛け声など、多様な技を習得しなくてはなりません。

チームを組んで競技会に出場するチアリーダーたちは、こうした技を磨き、上位入賞することも大きな目標としています。

チアリーディングだけで食べていくのは非常に大変ですが、若い子にチアリーディングを指導する講師やインストラクターとなって収入を得ている人もいます。

チアリーダーになるには

チアリーダーとしてどのように活躍したいかを考える

チアリーダーになるまでのルート

チアリーダーになるために、特別な学歴や資格は必要ありません。

子どもの頃から地域のチアリーディングチームに所属、あるいは学校のチアリーディング部に入って、練習やトレーニングを続けて競技会に出場する人たちは増えています。

しかし、日本ではチアリーダーが「職業」としてしっかりと確立されているとは言い難く、この仕事だけで食べていける人はわずかです。

チアリーディングができる場所自体はさまざまあるため、まずはどのようにチアリーディングと関わっていきたいかを考えましょう。

なかには一般企業に就職したうえで、社会人チア競技チームに所属し、休日メインでチアリーディングを続けていく人もいます。

プロスポーツチームのチアリーダーになる

チアリーダーとしてお金を得る方法のひとつが、スポーツチームのチアリーダーになることです。

プロ野球球団のチアリーダーの場合、競技というよりは「ダンスパフォーマンス」がメインになります。

メンバーはダンスや面接などの「オーディション」で選ばれます。

野球以外にも、サッカーJ1・J2チーム、バスケットボールB.LEAGUEのチアリーディングチームなどで、オーディションが行われているので、興味がある人は調べてみてください。

チアリーダーの学校・学費

チアリーディング部を置く学校はたくさんある

チアリーディングの人気向上にともなって、チアリーディング部を設置する学校(中学校、高校、大学など)は増えています。

学校によって、チアダンスに特化した活動を行うところもあれば、アクロバティックな技まで積極的に挑戦するところもあります。

学生向けチアリーディング選手権の出場・入賞実績が豊富な「強豪校」にもなれば、野球やサッカーのようなスポーツ部に負けないほど、ハードな練習を行っているところも少なくありません。

高校で初めてチアリーディングに出会い、そのまま大学、さらに社会人になってもチアリーディングを続ける人もいます。

チアリーダーの給料・年収

プロ野球のチアリーダーでも収入は低め

プロ野球のチアリーダーの収入は、正式にはほとんど公表されていません。

収入が見て取れる例として、読売巨人軍の「チームヴィーナス」の募集要項には「日給1万5000円」とあります。

巨人の本拠地である東京ドームで試合のある日、12時から22時頃まで働き、交通費と食費込みの値段です。

約70日勤務するとして、1年間で約100万円ですから、この仕事だけで食べていくのは厳しいでしょう。

なお、これだけもらえる球団は珍しいほうで、時給にして900円ほどにしかならないケースも少なくないようです。

専業でチアリーダーをするのは難しい

チアリーダーの平均年収は100万円~150万円程度といわれています。

芸能プロダクションに所属したり、ダンス教室でインストラクターをしたりすれば、もう少し高めの収入が得られる可能性もあるでしょう。

しかし、現実としては仕事というより「アルバイト」に近い状態で働いている人が多く、専業でチアリーダーを続けていくことは非常に厳しいと言わざるを得ません。

将来的に芸能活動をしたい人、ショーダンサーを目指している人などが、若いうちにチアリーダーの経験を積んで将来に生かすという例もあります。

チアリーダーになるなら、どのように収入を確保するのかもしっかりと考えておくことが必要になるでしょう。

チアリーダーの現状と将来性・今後の見通し

需要はあるが、セカンドキャリアを考えることは必須

スポーツの場で活躍するチアリーダーは、各チームのマスコットキャラクターとともに、球場の盛り上げ役として定着しています。

チアリーダーの踊りやパフォーマンスを楽しみに来場するお客さまも多く、憧れの職業のひとつとなっています。

しかし「職業・仕事」としてチアリーダーを見ていくと、現実は非常に厳しいものと言わざるを得ません。

手に入るお金はアルバイト程度で、メンバーとして活躍できるのは長くても通常3~4年程度と、長期的な安定したキャリアを築きにくいのが実情です。

そのため、現実には「チアリーダーを次の夢に向かうステップにする」という考え方をする人が多くなっています。

たとえば芸能活動を本格的に始める人もいますし、ダンスのインストラクターとして活躍するのもひとつの道です。

セカンドキャリアについては、常に考えておく必要があるでしょう。

チアリーダーの就職先・活躍の場

プロスポーツチームを中心に活躍

チアリーダーの活躍の仕方はさまざまですが、お金を得るためには、プロスポーツチームに所属するのが近道といえます。

プロ野球では、ほぼすべての球団がチアガールを募集しており、主要な活躍の場となっています。

そのほか、サッカーやバスケットボール、アメリカンフットボールのチームでも、チアガールを採用しているところがあります。

ただし、スポーツチームでは基本的には1年間(ワンシーズン)の契約となり、契約更新をするとしても3~4年程度で終わりとなることが一般的です。

そのほか、子どもたちにチアリーディングを教えるスクールに勤務し、インストラクターを務める人などもいます。

チアリーダーの1日

シーズン中は試合日程に合わせて仕事をする

スポーツチームで活躍するチアリーダーの場合、基本的には「試合がある日」が勤務日となります。

プロ野球でいえば、ホーム球場で年間60~70試合を戦います。

出勤は、そのホーム球場での試合が中心となり、ナイトゲームの場合、球場には正午に入ります。

ウォーミングアップをして着替え、4時頃から球場の外で観客を迎えるパフォーマンスをしたり、球場内ツアーに動向したり、ファンサービスをします。

5時頃からグラウンドで試合前のイベントに参加し、試合開始直前にはメンバーでダンスを披露して球場の雰囲気を盛り上げます。

試合中もグラウンド整備の時にダンスパフォーマンスを披露して、試合後も踊るなどして会場を沸かせます。

ホーム球場で試合のない日は休みとなり、給料の支払いもありません。

所属チームの全日程が終わると、チアリーダーの1年間の活動も終了です。

チアリーダーのやりがい、楽しさ

パフォーマンスで観客を楽しませ、会場を沸かせること

チアリーダーとしてやりがいを感じるのは、自分のダンスやパフォーマンスによって観客を楽しませられたと実感できたときです。

たくさんの声援や拍手を送ってもらったり、観客が楽しそうな表情をしてくれたりすると、ものすごくうれしい気持ちになるものです。

仲間と一緒に会場の一体感を作り出し、場を盛り上げられたら「今日の仕事はうまくいった!」と感じられるでしょう。

本番で最高の演技をするためには、地道な練習を何度も何度も繰り返さなくてはなりません。

本番の緊張感の中で演技がうまくいき、全力を出せたときには、大きな充実感が得られます。

チアリーダーのつらいこと、大変なこと

練習も厳しいが、お金を稼ぐことはさらに大変

練習も厳しいが、お金を稼ぐことはさらに大変

チアリーダーに向いている人・適性

明るく元気よく、人前でパフォーマンスをするのが好きな人

チアリーダーは健康的で元気、かつ笑顔の素敵な人に向いています。

チアリーダーの本質的な役割は、場の雰囲気を明るくし、そこにいる人たちを元気にすることだからです。

また、人前でダンスをしたり、パフォーマンスを披露したりする機会が非常に多いため、「見られること」に慣れている人のほうが望ましいでしょう。

もともと部活動などでチアリーダーとしての活動経験があったり、体操や新体操、ダンスなど、芸術性も問われる採点競技経験のある人なら、すんなりとチアリーダーの世界に入りやすいでしょう。

チアリーダー志望動機・目指すきっかけ

人前で踊ることが好き、チアリーディングの世界に魅了されて

チアリーダーを目指す人は、10代から20代前半の若い女性が中心です。

中学校や高校の部活動でダンスやチアリーディングを続けてきて、その華やかさや表現の自由さ、人を感動させる力などに魅了され、本格的にチアリーディングをやりたいと考える人が多いようです。

まったくの未経験であっても、スポーツの試合会場で明るくパフォーマンスするチアリーダーに憧れて、自分も同じようになりたいと思う人もいます。

なお、チアリーダーのオーディションでは、ダンスなどのパフォーマンス以外に面接も重視されます。

「なぜチアリーダーをやりたいのか」「チアリーダーとしてどんなパフォーマンスをしたいのか」などにしっかりと答えられるよう、自分なりの考えをまとめておきましょう。

チアリーダーの雇用形態・働き方

基本はアルバイトや業務委託のような形態になる

プロスポーツチームで活躍するチアリーダーが、正社員として採用されることはほとんどありません。

多くの場合、仕事をする日(≒試合がある日)だけ活動し、その日ごとに「日給」をもらうアルバイトのような契約で雇用されます。

一部のチーム、たとえばプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスのように、チアリーダーの活動以外に球団職員の仕事をすることによる「固定報酬型」の契約形態を用意しているところもあります。

そのほか、所属としては芸能プロダクションで、そのうえでチアリーダーとしての仕事をすることもあります。

チアリーダーは、活躍の場によって多様な雇用形態や契約形態が混在しているため、事前によく確認しておくほうがよいでしょう。

チアリーダーの勤務時間・休日・生活

シーズンオフに練習をして、シーズン中は応援が中心

スポーツチームのオーディションを受けて来季のチアメンバーに選ばれると、まずは練習の日々を送ることになります。

試合のないシーズンオフ中に個々のチアリーダーの実力を高め、開幕に合わせてメンバー全員で息の合うパフォーマンスを披露できるように、しっかりと練習を続けます。

シーズンがスタートしてからの仕事は、ホームゲームでの応援活動がメインです。

シーズンが終わると、チーム主催のイベントに出演することが多くなります。

このような日常的な仕事以外では、メディア出演などの広報活動、福祉施設の訪問といった社会貢献活動にも積極的に取り組むことがあります。

チアリーダーの求人・就職状況・需要

人気が高く、オーディションの倍率は高くなる

チアリーダーの主な活躍の場である「プロ野球」の場を見てみると、全12球団のうち、広島東洋カープを除く11球団がチアリーダーのチームを持っています。

メンバーは、シーズン終了後の11月~翌年の1月にかけてオーディションで選ばれます。

定員は球団によって10~30人程度までまちまちです。

複数年活動する人もいるため、オーディションで新しく選ばれるメンバーは各球団数人ずつ、倍率は球団によって20~40倍にもなる狭き門です。

メンバーになると、大半は球団との契約になりますが、一部ではチアリーダーを芸能プロダクションに外部委託している球団もあります。

外部委託する球団では、チアリーダーとして採用されると芸能プロダクションの所属となります。

オーディションを再度受けて合格すれば継続できますが、大半は2~5年で引退します。

芸能プロダクションに所属しているチアリーダーは、その後、芸能活動を続ける人もいます。

チアリーダーの転職状況・未経験採用

経歴はあまり問われないが、年齢制限には要注意

チアリーダーになるために、過去の職務経歴や学歴などが問われることはほとんどありません。

誰でもなれる可能性のある職業ですが、最低限ダンスパフォーマンスの基本を身につけておくことは不可欠です。

また、明るく健康的であることや、容姿がある程度整っていること(太り過ぎていない)なども条件になってきます。

転職によって目指す際に最も注意したいのは年齢制限といえるでしょう。

応募できるのはたいてい18歳以上、上限については、現実的には20代までとなるケースが多いです。

明確に年齢の上限が掲げられないこともありますが、プロ野球のチアリーダーだと、40代以上で続けている人はまず見かけません。

趣味で続けるチアダンスや、チアリーディングのインストラクターであれば年齢が上がってもできる可能性はありますが、プロスポーツチームに所属したい場合には気をつけたほうがよいでしょう。