客室乗務員のサービス、接客

同じ価値観の下で働く重要性

大手航空会社のJALには「JALフィロソフィ」なるものがあります。

これは、JALのサービスや商品に携わる全員がもつべき価値観・考え方等を定めた企業哲学で、社員全体で一体感を持ってお客さまに最高のサービスを提供することを目指しています。

このように、各航空会社には必ず自社の経営理念があります。

そして、客室乗務員たちがそれに基づいて業務を遂行するために、具体的な行動指針が定められていたり、マナー・サービスに関する細かなマニュアルまで用意されています。

客室乗務員は連帯感が求められる仕事であるため、みんなで意思を統一させ、同じ目的に向かって協力して努力する姿勢が非常に重要な仕事なのです。

「マニュアル」がすべてではない

しかし、最も大事なのはすべて「マニュアル通り」にやるのではなく、一人ひとりのお客さまを見て、その方に合ったサービスを提供することだといわれています。

たとえばフライト中、「お困りのことはありませんか?」ときめ細やかに声をかけて喜んでくれるお客さまは多いですが、中には疲れて眠りたいのでそっとしておいてほしいと考える人もいます。

そういったオーラを放つお客さまに対する過剰な声掛けは、相手にストレスを与えることになりかねません。あくまでもサービスはお客さまのためのものであって、客室乗務員の自己満足になってはならないのです。

一人ひとりのお客さまが何を求めているのか。それを短時間で見極めるのはとても難しいですが、こういった人並み以上の気遣いができるのが客室乗務員なのです。

緊急時の対応も重要

大勢のお客さまが乗っている機内では、何が起こるかわかりません。体調不良を訴えるお客さまもいますし、場合によっては突然倒れてしまう方もいます。

即座に病院へ連れて行けない状況においては、応急処置がその後の容態を左右します。そのような時に素早く、どういった対応ができるかも、保安要員の役割を持つ客室乗務員のサービス力の見せどころです。

各航空会社では定期的にファーストエイド(応急処置)の訓練を実施し、いかなる場面においても、客室乗務員が冷静に適切な対応ができるようにしています。

いくらお客さまのことを想い「いいサービスがしたい!」と思っても、その気持ちを具体的な行動に移すのは容易ではありません。

また、一人ひとり望むことが異なるという大変な状況下においても、客室乗務員は一人でも多くのお客さまに心から満足していただくことを目指していかなければならないのです。

サービス業の中でも、客室乗務員の仕事はその求められるものの多さ、レベルの高さは群を抜いているといえます。だからこそ、日々の厳しい訓練を欠かすこともできないのです。